アルモニ・ブログ

2012年12月27日

昔の手仕事

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唐突ですが、私は捕鯨の歴史を紹介した博物館が好きである。
串本・平戸・室戸...海岸線をドライブしていると、「こんなところに!」
と言う険しい自然と対峙した場所に立っている。

そこには必ず明治から昭和初期にかけての捕鯨全盛期の写真や模型があり、
クジラにロープをかけてよじ登っている漁師は小人に見える。
力を合わせて大きなノコギリで切り分けていく場面は喜びに満ちた瞬間だろう。
そして解体した部位は食べるだけではなく、骨や皮やしっぽ、
髭にいたるまで一つの材料も余すことなくさまざまな道具や日用品に加工するのだ。
漁師が合間に作ったものだろうか、素人を疑うその緻密さには恐れ入る。

手漕ぎの使い古した船で沖合いに出る。
いつ現れるかもしれない獲物に、守る者のために命を賭けて立ち向かう。

「全てを余すところなく使い切る」

こんな大切な授かりモノに捨てるところなどなかっただろう。
大胆で繊細な"手仕事"に、命への慈しみと神々しさまで感じることができる。

日本の捕鯨文化は国際的にまだまだ理解されていない部分も多い。
施設は少し地味かもしれないが(関係者の皆様スイマセン)、
ものづくりの原点を知るには格好の教材だと思う。

全国の産地に赴き「手仕事人」とのお付き合いが多い私は、
酒の席でよくクジラの話をする。
この話をするときだけは、職人の輪に少し入れたような気がして嬉しい。
私にとって「手仕事人」の存在は尊敬と信頼の対象だから。

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今でも命がけの遠洋カツオ漁。やはり骨まで食べ切る。

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