アルモニ・ブログ

2013年4月10日

見えない食品の価値

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先日ある牛乳メーカーの営業マンと商談した際、牛乳の殺菌工程の話になった。
絞りたての生乳は雑菌が増殖しやすく、私たちが安全に飲むには殺菌工程が必要ということは知っていたが、
その温度や時間に"牛乳へのこだわり"があることを初めて聞いた。

そのメーカーの牛乳には《65度で30分殺菌》と書いてある。
ほとんどの害菌が60度以上で死滅することを鑑みても〈65度〉は心細い。
いつも飲んでる馴染みの商品は〈120-130度で"2秒"殺菌〉だ。 "2秒"も短い気がするが、
それに比べて30分とは同じ工程とは思えない長さ。ただどちらも安全な牛乳を作る規格であることは間違いない。

その後、多くの牛乳を見て回ったが《65度で30分殺菌》はほとんど採用されていない。
そこでさらに疑問が湧いた。

「なんで貴社では65度で殺菌できるんですか?」
「それは牧場との直接契約により菌数の少ない新鮮な生乳を仕入れるから。」
「30分も殺菌するとコストがかかるんじゃ?」
「本来、牛乳は栄養バランスが優れている飲み物。でも熱に弱い成分が多く、できるだけ温度を上げずに殺菌したいから。」

と言うことらしい。

この牛乳の希望小売価格は350円/1リットル。
商品特性上、大量には製造販売できないとのことだ。
コストのかかる製法を採用しても消費者に付加価値を伝えにくい。
ただ加工段階で効率を優先するといい食材が台無しになることは、すべての食品会社にとって永遠のジレンマだろう。

試飲させてくれた牛乳は意外にもコクは強くなく、後味がスッキリしている。
紙コップを置いた私に、営業マンは「これが本来の牛乳です!」と強く宣言していた。



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生乳の仕入れでは、産地を特定するのも難しいそう

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