2018.06.12一緒に。もっと、

【犬との暮らし】季節の変わり目に。不調を予防する自律神経ケア

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【犬との暮らし】季節の変わり目に。不調を予防する自律神経ケア

こんにちは。ホリスティックケアカウンセラーで日本アニマルフィトセラピー学術協会理事長の加藤志乃です。

梅雨時から夏にかけてはゲリラ豪雨や台風などお天気が変わりやすい季節。
このような天候の変化や季節の変わり目にてんかん発作や消化器系トラブルなどの体調を崩しやすいパートナーは多いのではないでしょうか?
今回のコラムでは特に神経系(精神面)に働きかけ、気温や気圧変化の影響を和らげてくれるハーブケアについてお伝えしたいと思います。

天気と体調の関係

日本のように四季のある地域や気圧・気温の変化は自律神経に影響を与えます。自律神経は身体が活動的な状態になっている時に優位である交感神経と、休息モードになっている時に優位である副交感神経の二つの相反する神経がシーソーのように揺れ動いて内臓や血管の働きのをバランスをとっていますしています。このどちらかの神経に働きが偏っている状態が過活動状態になっているとが続くと病気にかかりやすくなることがわかっています。

自律神経の働きは精神状態や生活習慣だけでなく、気温や気圧の影響を受けることがわかっています。気温が上がると動物の身体は体内環境や外部環境が変化した際に体内の状態を一定に保とうとする仕組みがあります。パートナーが寒さで体が震えるのも、暑さで舌を出してハァハァとパンティングするのも、体温を一定に保つために血圧や血流などを自律神経が調整しているからです。

【犬との暮らし】季節の変わり目に。不調を予防する自律神経ケア

特に梅雨時や台風が来る前などは気圧が低くなるため、副交感神経優位になりますが、晴れ間は逆に交感神経優位になるなど自律神経の変動が激しくなるため、血流や血圧などが影響を受けて体調を崩しやすくなってしまいます。季節や天候の変動をうまく乗り切るためにも普段から自律神経のバランスを意識して生活することが大切だと言えます。

ハーブで自律神経ケア

自律神経は交感神経、副交感神経どちらかに偏りすぎてしまうと外界の影響を受けて変動が大きくなり、不調が出現しやすくなると考えられます。『刺激』と『リラックス』をほどよく入れるのがポイントです。気温や気圧の変化も『ストレスも刺激』の1種。

普段、興奮・緊張しやすいパートナーであればリラックスしやすい状況を、不活発なパートナーであれば楽しめるような遊びや活動する機会を少しずつこまめに増やしてあげるなど生活習慣に変化を加える工夫をしてあげると良いでしょう。

その上でもうひと手間、神経系に働きかけるハーブを加えてあげるとさらに効果的です。

ここではパートナーに使いやすい神経系への作用が得意な3種類のハーブをご紹介いたします。

オート麦

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左:オートストロー 右:ミール

★プロフィール★
<学名>Avena sativa
<英名>オート麦(oats)
<和名>マカラスムギ(燕麦)
<科名>イネ科
<使用部位>茎(ストロー)
<主な成分>アルカロイド(グラミン)、トリテルペン系サポニン(アベナコシド)、多糖類(β―グルカン)、クロロフィル、ミネラル(ケイ素、鉄、マンガン、亜鉛)、食物繊維
<作用>鎮静、消炎、滋養強壮、抗鬱

神経の障害を回復させたり、鎮めたりすることが得意なハーブです。神経過敏や不安からくる震えやけいれんに神経系の活力剤として用いられています。精神的な疲労神経疲労が激しい場合や病中病後の栄養補給にも効果的です。メディカルハーブでは茎の部分を使いますが、スーパーで入手できるオートミールもマイルドではありますが、同様の効果が期待できます。ビタミンやミネラルが豊富なので手作り食などで活用しても良いでしょう。過剰投与は興奮や嘔吐を引き起こす可能性がありますので注意してください。

バレリアン

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香りからは想像がつかない可憐な花を咲かせるバレリアン

★プロフィール★
<学名>Valeriana officinalis
<英名>バレリアン(Valerian)
<和名>西洋カノコソウ
<科名>オミナエシ科
<使用部位>根
<主な成分>精油(イソ吉草酸、テルペン類など)、バレポトリエイト
<作用>鎮静、鎮痙、神経興奮、 花火・雷などの不安・緊張・パニック、てんかん・発作性疾患の症状・頻度の軽減

強烈な芳香成分は鎮静効果が高く、ヒポクラテスの時代から神様がくれた睡眠薬として利用されてきました。はじめて香りを嗅いだ方の中には「脱いだ靴下のにおい!」と表現する方もいますが、だからこそ(?)動物たちには受け入れられやすく、猫と同居している場合は隠しておいた方が無難でしょう! 脳と脊髄の活動を弱めることで精神面からくる神経性の睡眠障害や不安・緊張を和らげることがわかっています。神経を鈍化させるためメンタル面だけでなく、てんかん他、痙攣性疼痛の緩和に用いられています。雷や花火大会など大きな音が怖い子やトリミング、ペットホテルへ預ける時、車酔いがひどいパートナーなど精神面の負荷が高い時には事前に利用すると効果が期待できます。過剰摂取は消化器系の不調を引き起こす可能性があります。妊娠中は使用を控えてください。

スカルキャップ

★プロフィール★
<学名>Scutellaria lateriflora
<英名>スカルキャップ(Skullcap)
<和名>タツナミソウ
<科名>シソ科
<使用部位>葉・茎・花(根は黄岑)
<主な成分>フラボノイド(アピゲニン、スクテラリン)
<作用>鎮静、神経強壮、抗痙攣作用

神経系疾患全般に有効ですが、特に頭痛や神経の震え、ヒステリー、坐骨神経痛、筋肉のこわばりなどにも効果的です。眠気を催さず、反射能力も鈍くなりません。てんかん発作の頻度や症状を軽減するという報告は多く上がっており、バレリアンと併用すると相乗効果を期待できます。スカルキャップも少し個性的な香りがしますが、犬たちには受け入れられやすいようです。妊娠中や肝臓の既往症がある場合は使用を控えてください。

ハーブティーやハーブサプリメントなどを気温や気圧変化の激しい時期にまず短期間から取り入れてみてください。

上記3種類がブレンドされたサプリはコチラ

終わりに

自律神経のバランスをとるには規則正しい生活や運動と休息のバランスなど日常生活の過ごし方を見直すことも大切です。生活習慣の再確認をしつつ、天候の変化の前に自律神経を急激に変動させないケアを是非取り入れてみてください。
ハーブケアを取り入れることが難しい方は、アロマセラピーを取り入れて一日一度、短時間で良いので一緒にリラックスタイムを過ごすことから始めてみても良いと思います。パートナーとオーナーが共に好む精油を選択できると良いですが、わからない場合はまずラベンダー イランイラン 、カモミールなどを試してみると良いと思います。

私のパートナーも生まれつき脳神経にリスクを抱えていますので、メンタルケアや気圧の変化などには常に意識しながら過ごしております。最近ではスマートフォンのアプリケーションで急激な気圧低下の前に教えてくれるものもありますので、うまく活用してみてはいかがでしょうか。

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加藤 志乃(かとう しの)日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー

幼少期より多数の動物と暮らす。北里大学卒業後、10年以上製薬会社でMR、臨床開発に従事。愛犬のアトピーや股関節形成不全をきっかけにホリスティックの世界を知り、2007年にホリスティックケアカウンセラーを取得。アロマやハーブ、東洋医学他、さまざまな角度から行うホリスティックな視点でのアドバイスは日本全国にとどまらずアジア各国でも高評を得ている。
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