2017.09.22心のケア

犬が嫌う音って?犬を音に慣れさせるための方法とは

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人と暮らす中で、犬はさまざまな音の刺激を避けることはできません。テレビやラジオを消して、家の中で耳を澄ませてみてください。洗濯機が回る音、掃除機をかける音、外から聞こえる車のエンジン音、どこかの子どもが遊ぶ声、さまざまな音が聞こえてくるのではないでしょうか?

こうした、人間にはなんてことない生活音の中にも、犬が本能的に嫌がる音があります。時には恐怖やストレスとなり、体調を崩してしまう可能性もあるのです。パートナー(愛犬)につらい思いをさせないためにも、今回は、犬を音に慣らしていくための方法や注意点について、ドッグトレーナーの遠藤がご紹介します。

愛犬をさまざまな音に慣れさせることの重要性とは

犬の不安そうな様子を見逃さないことが大切です。

なぜ愛犬をさまざまな音に慣れさせることが必要なのでしょうか?それは、生活音に慣らしてできるだけ恐怖やストレスを感じさせないようにしてあげることが、パートナーと心地よく暮らすためには大切だからです。

前述のとおり、本能的に「嫌だ」と感じる音が聞こえると、犬は不安や恐怖を感じます。こうしたストレスが過度にかかることにより起こるのが、吠えやよだれを大量にたらす、失禁などといったトラブルです。さらにストレスが大きくなれば、下痢をしてしまったり、吐いてしまったりなど、体調にも影響をおよぼす可能性があります。

また、ストレス状態が続くことは、免疫力の低下にもつながります。健康な犬でも、免疫力が低<することにより病気にかかりやすくなりますし、もともとアレルギーなどのトラブルがある場合、症状が悪化することもあるのです。

恐怖症に悪化する場合も

音へのストレスや不安が強くなると、恐怖症といわれるまでに悪化することもあります。犬によくあるのが、雷恐怖症です。 雷恐怖症 にまで 悪化すると、飼い主だけでは対処できず、行動療法の認定医やドッグトレーナーなどの専門家によるケアが必要になります。特定の音に対して、物陰に隠れたり震えたりするだけでなく、大声で吠え続ける、嘔吐や下痢などの体調不良が起こるなどの症状がみられる場合は恐怖症まで悪化している場合があるため、専門家の指示を仰ぎましょう。

飼い主ができること

パートナーが音を怖がらないようにするためには、犬が本能的に嫌がる音や生活の中で必ず聞こえる音を把握しておき、あらかじめその音に慣らしておくことが理想です。嫌がる音に対して、少しずつ慣らしてあげることで、音に対する免疫力がアップします。すると、その音が聞こえても平常心でいられるようになるのです。

しつけの本やサイトには、よく「犬を社会化させましょう」と書いてあります。社会化とは、他の犬と遊ばせて仲良くできるようにすることだけではありません。犬の社会化とは、日常の中で受けるさまざまな刺激に慣れさせてあげて、ストレスなく生活できるようにするということなのです。音も犬が受ける刺激のひとつ。できれば子犬や家に迎えた時から、周囲で聞こえる音に免疫をつけてあげましょう。

愛犬が嫌がる音を知ろう

犬によって嫌がる音はさまざまですが、本能的に嫌う音の特徴は「大きな音」「予想できない音」「普段耳にすることがない音」です。掃除機の音、ドライヤーの音、車のエンジン音、電車の踏切の音、打ち上げ花火の音もこの特徴に当てはまります。掃除機やドライヤーは、使っている飼い主側には当たり前の生活音ですが、パートナーにとっては急に聞こえる大きな音ですので、びっくりして不安にさせてしまいます。雷の音は自然現象の音ですが、突然聞こえる大きな音や光は、人間も恐怖を感じるものです。耳の良い犬であればなおのことでしょう。

また、嫌な経験が結び付いた音にも、パートナーは不安や不快、恐怖を感じます。例えば、うっかり掃除機でパートナーのしっぽを吸い込んでしまったりすると、「しっぽが痛かった」経験と掃除機の音が結び付き、さらに嫌いになるのです。雷に対しての恐怖症も、お留守番中に不安な時、突然大きな音がした経験があると悪化してしまいます。

嫌いな音に対する見分け方は?

その音が聞こえた時、パートナーが不安そうなそぶりを見せたら要注意です。そわそわしながら、飼い主にくっついてくる、びくびくしている、隠れるようにしながら吠えている場合は、犬が不安を感じています。

その音がした時にソファーなどの物陰に隠れて出てこない、大声で吠え続ける、嘔吐・下痢・失禁をしてしまうなどの症状がみられた時は、恐怖症にまで悪化している可能性があります。そこで無理に音に慣らそうと、物陰から無理に引きずり出したり、その音を無理に聞かせたりすると、さらに音に過敏になり、恐怖症が悪化してしまいます。無理に慣らそうとせずに、専門家に頼ることをおすすめします。

音に慣れさせるための方法と注意点

少しずつ慣らすことで、嫌いな音も平気になります。

さまざまな音にパートナーを慣れさせるには、まずは小さな音から聞かせていきます。あらかじめ、パートナーとの生活の中で聞こえる「嫌がりそうな音」を、パートナーが反応を示さないほど小さな音量で聞かせて、じょじょに音量を大きくしていきましょう。パートナーが反応しなければ、音の大きさと流す時間を少しずつに増やしていきます。この時、逃げたり大声で吠えたりするなど過剰に反応するようであれば、音を小さくしてください。音に反応せず、平常心でいられたら、おやつをあげたり、好きな遊びをさせてごほうびを与えましょう。なお、パートナーがマイナスの反応をした時に飼い主が必要以上に同調してしまうと、「やっぱり嫌なもの・怖いものなんだ!」と思ってしまうので要注意です。

嫌いな音を用意する方法

慣らすための音は、あらかじめスマートフォンなどで録音しておくのも良いですし、インターネットの動画サイトにアップされたものや、専用アプリもありますのでそちらを利用しても良いでしょう。その時、おやつをつめられるコングのようなおもちゃ を与えて遊びながら聞かせてあげるのもおすすめです。おもちゃに集中することで、嫌いな音が聞こえてきても平常心を保ちやすく、音に慣れるスピードがアップします。

室内で発生する嫌いな音に慣れさせる方法

ドライヤーや掃除機などを使う際は、パートナーをあらかじめ違う部屋に入れておいてなるべく小さな音で聞こえるようにします。住宅事情で別の部屋に隔離できない場合は、なるべく遠くで使うようにしましょう。その時も、好きなおやつを詰めたコングを与えておくといいでしょう。

パートナーを留守番させるときは、音楽をかけっぱなしにしておくのもおすすめです。静まり返った家の中にいる時に、急に外から音がすると、パートナーもびっくりして過剰に反応してしまいます。ずっと音が聞こえる環境にしてあげることで、外部の音を多少なりともまぎらわすことが期待できます。

散歩コースで聞こえる嫌いな音に慣れさせる方法

室内で聞こえる音だけでなく、散歩コースで聞こえることが想定できる音、電車の踏切の音や車の音などにも慣らしておいてあげましょう。子犬や飼い始めたばかりのパートナーとの散歩は、最初はなるべく静かな場所を選ぶようにして、慣れてきたら少しずつ賑やかな場所へ変えていくと良いでしょう。

音に対してデリケートなパートナーの場合、転勤などで散歩コースの環境が大きく変わるときは、あらためて散歩中に聞こえる音をチェックしなおしてみましょう。特に地方から都市圏へ引っ越した場合、散歩中に今まで聞いたことがない音が聞こえることで、パートナーがパニックを起こしてしまうことがあります。パニックのあまり首輪が抜けてしまい、迷子になったり事故に遭ったりする危険もあります。最初からパートナーと散歩をするのではなく、まずは散歩コースを飼い主だけで下見しておくと良いでしょう。

また打ち上げ花火など、あらかじめ大きな音が屋外から聞こえることがわかっている場合は、防音に気をつけてあげましょう。窓を閉め切り、カーテンを引くことで、ある程度室内に伝わる音を小さくすることができます。打ち上げ花火の音は、犬にとって大きな恐怖となります。屋外で犬を飼うことが一般的だったころは、花火の恐怖で紐を引きちぎり、行方不明になる犬がいたほどです。あらかじめケアしてあげることで、犬の恐怖心を少なくしてあげましょう。

急に犬が嫌がる音が聞こえた時の対処法

散歩中、突然車のクラクションが聞こえた、工事などで大きな物音がした、救急車のサイレンが鳴った、など急に犬が嫌がる音が聞こえた場合は、まずは飼い主が平常心でどっしりかまえることが大切です。「怖かったね~、大丈夫~?」と飼い主側が騒いでしまうと、犬の不安が大きくなってしまいます。

逆に、「音に気付いていないのでは?」とパートナーが思ってしまうほど、余裕の態度をとることで、パートナーも安心することができるのです。急な音にパートナーが不安そうな様子を見せたら、落ち着いた態度を見せることで、飼い主側は動揺していないことを見せてあげましょう。

まとめ

パートナーと生活する上で、すべての音の刺激を防ぐことはできません。音を避けるのではなく、少しずつ慣らしていくことで、ストレスなく生活することができるようになります。音に限らず、日常の生活の中で感じるあらゆる刺激に慣らしていくことが、パートナーを社会化させることには必要なのです。きちんと社会化できることで、パートナーの暮らしやすさは大きく変わります。ストレスなく、楽しくパートナーが暮らすために、音の刺激にもできるだけ慣らしていってあげてくださいね。

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遠藤 和義(えんどう かずよし) ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー

遠藤 和義(えんどう かずよし) ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー

犬業界のキャリアは今年で20年目。 国内外の著名なドッグトレーナーに師事し、モチベーショナル・トレーニングの 知識や技術を学ぶ。同時に、多数の保護犬・保護猫の日常ケアにもたずさわる。 各地のしつけ方教室の運営や動物系専門学校の教員などを経験後、縁あって GREEN DOGへ。実店舗やしつけ方教室の運営を手がけ、現在は年間3000件の健康相談を受けるセンターの責任者。
遠藤 和義(えんどう かずよし) ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー

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