2017.01.23心のケア

犬が赤ちゃんを守る?!犬の「守る」習性と困ったときの対処法

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犬が赤ちゃんを守る習性と困ったときの対処法

犬は何かを守ることがあります。それは犬の習性。では、犬の守るという習性はどういうものなのでしょう。なぜ守るという行動をとるのでしょう。そして、守ろうという気持ちが強い犬に対して、暮らしの中でどのようなタイミングで、どう対処するといいのでしょうか。今回は、まず犬の守る習性を理解し、そういう習性をもつ犬とどうやって付き合っていくとよいのか、日々のヒントを考えてみます。

犬の守る習性とその理由とは?

犬の守る習性とその理由

犬は、防衛本能、独占欲などから守るという行動をします。

飼い主や赤ちゃんを守ろうとするのは、家族や仲間を守ろうとする防衛本能だけでなく、独占欲から来る嫉妬心もあるかもしれません。

自分にとって大切なものを守るという行動は、私たち人間も含め、どの動物にでもあるもの。特別な習性ではありません。

ただ、犬が何を大切に思っているのか(何に執着するか)は、人間側の価値観からではなく、犬目線で考えてあげることが重要です。

もちろん、個々の性格や犬種によってもそれは変わります。まず、愛犬が大切に思っている(執着している)ものは何なのかをしっかり見極めましょう。

ココをチェック 犬の守る対象になるもの
 人(飼い主、赤ちゃんなど)
 他の動物(同居の犬や猫など)
 オモチャ
 ベッド(自分や飼い主のベッドなど)
 食べ物、フードボウルなど

こんな態度は要注意!
愛犬にとって大切なものを、他から守りたい、独り占めしたいと思ってとる行動。人間にとっては都合が悪いときもあります。けれど、すべてを無理矢理取り上げようとするのは良くありません。禁止してばかりいると、その対象への執着心をかえって高める可能性があります。極力、無理強いはしないほうが良いでしょう。

こんな「守り」は困ってしまう、パートナーにとって危険な例
犬が食べてはいけないものなど、急いで取り上げようとすると、独占欲が強くでて盗られまいとすぐに飲み込んでしまうケースがあります。また、攻撃的な行動に転じることもあります。もし、唸ったり、歯をたてたり、噛みついてきたりした場合は、今までの生活の中でその行為をすることによって取られずに済んだなど、成功体験として学習してしまった可能性もあります。対応策を参考にしてみてください。

犬の守る行動を和らげる対処法

犬の守る行動を和らげる

犬はさまざまな物を守りますが、どのケースであっても対応策の考え方は同じです。

独占欲、執着心を強めないようにすることが大切で、問題がひどくなってから対処するよりも、そうならないように予防することがなによりも重要です。

けれど、すでに問題が出ている場合はどうしたら良いでしょう。まずは、愛犬が何を大切にしているのか、執着しているモノを見極めましょう。

守っているおもちゃなどを知ることは、愛犬の好みを知る良い機会にもなりますよ。

ケースごとの対処法を見てみましょう。

お気に入りの場所を守るとき

まず「下りなさい」「離れなさい」ということをトレーニングで教えておきます。呼び戻しで、呼ばれたら飼い主のところへ来るようにすることで、ソファーから遠ざけるのも良い方法です。教えるときは、その指示をきいたことに対してパートナーにメリットがあるようにすることが大切。つまり、ごほうびとして、おやつをあげたり、パートナーの好きなほかのお気に入りのオモチャやボールで遊んであげたりするとよいでしょう。それらができるようになるまでは、飼い主と犬とがなるべく対立しないよう、環境を整えることを勧めます。犬をソファーに近づけない(部屋に入れないようにするなど)という対処をしましょう。もしそれでもソファーに乗ってしまったときは、犬がソファーよりも大事と思っているおやつやボールをポーンと投げることで、ソファーから遠ざけるといった一時的な方法も活用してみましょう。

お気に入りのもの(おもちゃなど)を守るとき

まず「チョウダイ」を教えます。これは、犬が執着しているものを飼い主の指示によって犬が自ら渡してくれるようにすることです。渡してくれたあと、ごほうびとして何か替わりにもっといいもの(おやつなど)を犬にあげます。あなたにも愛犬にもお互いにメリットがあるようにすることがポイントです。「チョウダイ」ができるようになるまでは、おやつなどとの物々交換で対処して、犬との対立はできるだけ避けておきましょう。

人を守るとき

たとえば寝ている赤ちゃんのそばを離れない、近づくと唸るなどの場合もソファーの例と同様、「離れなさい」を教え、呼び戻しで、犬を対象の人から遠ざけるようにします。また、弱者(赤ちゃん、同居の子犬や子猫など)を守ろうとする場合は、「あなたが頑張らなくてもいいんだよ」ということを教えてあげることも必要です。これはプロのトレーナーに相談することをお勧めします。赤ちゃんに執着し、他者に対して唸る、噛みつこうとする行動をとるときは、ひどくなる前に、すぐ行動学に詳しい獣医師かトレーナーに相談してください。赤ちゃんを巻き込んでしまうような事故が起きてからではなく、事前の予防が大切です。

犬の行動学の専門家獣医行動診療科認定医の記事はコチラ→退屈?ストレス?犬がため息をつく意味とは

おわりに

独占欲や執着心は、放っておくと、場合によってはどんどん強くなっていきます。ガウッとすると、とられずにすんだという成功体験をすることになり、どんどんその行為は強化されます。反対に、とられてばかりでも、鬱憤(うっぷん)がたまり、執着がよけいに強くなります。ただ取り上げるだけではなく、その代わりにもっといいことがあることを教えましょう

パートナーに唸られたり、噛まれたりすることは、飼い主にとってもショックなことです。ただ、そのために「飼いきれない」「赤ちゃんを咬んだ」といって、手放される犬がいるのも現実にあります。そのような悲しい事態にならないよう、まずは動物として犬がなぜそういう行動をとるのか客観的に理解し、ひどくなる前に予防をすることが何よりも大切です。

飼い主に呼ばれたらすぐに来る、チョウダイと言われたらすぐにだす、など、聞き分けのよい、飼い主に対して素直な子に育てましょう。手遅れにならないためには、愛犬の独占欲や執着心の強さに問題がある、と思った段階で早めに行動学に詳しい獣医師やトレーナーに相談することが有効です。パートナーが頼れるのはあなただけです。お互いがハッピーな関係を継続するために、困ったときにはすぐに専門家を頼りましょう。きっと力になってくれます。

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監修 : 遠藤 和義(えんどう かずよし) ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー

監修 : 遠藤 和義(えんどう かずよし) ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー

犬業界のキャリアは今年で20年目。 国内外の著名なドッグトレーナーに師事し、モチベーショナル・トレーニングの 知識や技術を学ぶ。同時に、多数の保護犬・保護猫の日常ケアにもたずさわる。 各地のしつけ方教室の運営や動物系専門学校の教員などを経験後、縁あって GREEN DOGへ。実店舗やしつけ方教室の運営を手がけ、現在は年間3000件の健康相談を受けるセンターの責任者。
監修 : 遠藤 和義(えんどう かずよし) ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー

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