2017.08.11心のケア

【犬との暮らし】犬の心を育む5~愛犬と信頼関係を高めるルール作りの5ステップ

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こんにちは。ヒトと犬の心と行動カウンセリングをしている、ドッグメンタルトレーナーの白田祐子です。

あなたとあなたの愛犬は、ルールを決めていますか?ここで言うルールとはあなたとあなたの愛犬との間の約束事で、それが習慣化すると行動規範(振る舞い)となります。言葉をかえると、ルールは愛犬と長く楽しい時間を過ごすために最初に取り交わす契約といえるかもしれません。もちろん、犬は人間のように契約書を読むことはできませんから、あなたとあなたの家族が一定のルールを作り、守っていくことで、犬は何を求められているかを理解していくようになります。このお互いにルールを守るためのプロセスが、犬の成長に必要なしつけと呼ばれるものだと思います。

ドッグメンタルトレーナー白田さんのこれまでの記事はコチラ→ 白田さんの記事一覧

ルールを作るために必要な5ステップ

では、人と犬が幸せに暮らすことができるルールをどのように示していくとよいのでしょうか。今回は少しだけですがルール作りのステップをみていきたいと思います。実際にルールを作るときは、紙に書き出して、見える化することをお勧めします。そして、出来上がったら家族全員がいつでも見ることのできる場所に貼っておくとよいかもしれません。あとでもお話ししますが、ルールを守るには家族全員の協力が必要なのです。

パートナーと一緒にどんなことを楽しみたいですか?

Step1:目標の明確化(definition)

あなたは、最初に犬を迎えたときにどのような暮らしを思い描いていましたか?ルールを作るには、まず最初にあなたや家族がどのようなスタイルで暮らしたいのか、犬と一緒にどのような活動や日常生活を送りたいのか、どのように成長してもらいたいのかなど、あなたの価値観や目標をはっきりさせることが大切です。価値観や目標をゴールにすることで、スタート地点(今の状態)からゴールまでの道筋をイメージしやすくなります。

また、ルールを作った後もそのルールがなぜ必要なのかを常に意識することができるので、いつでも一貫した態度を示すことの意味を感じることができるはずです。「愛犬と一緒にこんなことができたらいいなぁ」という漠然とした思いを、「一緒に頑張ろう」と心から思える目標へかえることが第一歩です。

Step2:現状の把握(condition)

次に、あなたが思い描いた暮らし(目標)と現在のライフスタイルや犬の行動にズレがないか考えてみます。どの点が違っているのかを客観的に見据え、具体的に現状を書き出していきます。今の状態を把握することで、特に注意すべき点やルールに盛り込まなくてはならない点が見えてくるはずです。まだ犬を迎えたばかりだったり、子犬で性格を判断できない場合は、犬種の特性を考えてみるのもよいかもしれません。もちろん個体差がありますが、犬種の特性の中であなたがあまり助長させたくない特性とより伸ばしてもらいたい特性に注目することで、今は気付きにくい点も見えてくるものです。雑種やミックス犬の場合は最も近いと感じる犬種の特性を参考にしてみるとよいでしょう。

Step3:具体的な手段を決める(action)

あなたの家ではどんなルールが必要ですか?

目標に向かって、あなたの犬にどのようなことを守らせたり、学ばせる必要があるのか、そして、どのような具体的なアクションをとればよいのかを、あなたの思い描くシーンに合わせて考えていきます。たとえば、一緒にキャンプやアウトドアスポーツを楽しみたいのなら、人に飛びつかないようにする、「止まれ」のコマンドや呼び戻しに従うなど、安全面や活動時のルールを中心に考え、それに基づいて、呼び戻しを可能にするために名前では叱らない、戻ってきた時は必ず褒めるなど、イメージを膨らませながら具体的なルールを決めていきます。また、一緒にカフェで静かな時間を過ごしたりお出掛けを楽しみたい場合は、食事時のマナーや、犬や人に吠えない、「伏せ」ができるなど、日常生活に関わるルールに注目して決めていくとよいでしょう。

Step4:バランス対策を考える(balance)

ルールは人が犬を束縛して思い通りに動かすためのものではありません。あなたとあなたの犬が長く楽しく暮らすための習慣や行動を身につけるためのものです。ですから、どんなに素晴らしいルールでも犬の習性やあなたの犬の性格を無視した人間勝手なものであってはいけません。

このステップでは、ルールの内容を一度確認してみます。たとえば、カフェで過ごすのが目標で、静かに過ごすためのルールが多くなった場合は、ルールを守ったご褒美に、自由行動や運動の時間も設けるなどすると良いと思います。静と動のバランスを犬のタイプに合わせてとるようにしなくては、心身にきしみが現れストレスを溜めかねません。ルールを確認しながら、予想される障害や問題点を見据え、犬の活動が偏らないための対策方法を考えておくことも大切です。

Step5:習慣化への努力(effort)

ルールが決まったら、最後のステップは習慣化への努力です。ルールは犬にだけ課されたものではありませ。むしろ、人が守らなくては目標地点への到達はありません。そのためにも、ルールを作るときには家族全員で時間をかけて話し合い、みんなで納得することが大切です。そうしないとルールに反対の人がいたり、個人的な感情で勝手なルールを作ってしまうなど、ルールが曖昧になるということも起こりかねません。あなたは許すのに他の家族はダメでは犬が混乱してしまい家族全員が信頼を失う原因となります。共有する考えがあって初めて、そこから外れたときに「ダメだよ」といえるのではないでしょうか。

 
ワン!ポイントアドバイス

愛犬との幸せな暮らしのためのABCD相関図

おわりに

愛犬との幸せな時間のため

ルールを決めることは簡単にできても、それを守り続けることはとても大変なことです。子どもの頃、自分が作った夏休みの日課を守れなかった方も多いのではないでしょうか(私もその一人でした…)。あなたと愛犬の約束事も、うまくいかなくて、ついイライラしたり、ガッカリして諦めたくなることもあるかもしれませんね。でも、そういうとき、とりあえず私はできたことや良かったことに目を向けてみるようにしています。ささやかな成功体験の積み重ねこそ「信頼関係を高めるチャンスだ」と、前向きに切り替えてやってみるのです。その結果、案外、新たな発見もあるものです。成功体験は犬の心の成長に大切な自信を生み出す源流となり、ポジティブなエネルギーを循環させる原動力にもなります。ルールの先にあるもの、それはあなたと愛犬の幸福な未来だと私は考えています。

次回は、犬の行動を正したり注意をするとき、どのような事に気をつけると犬が理解しやすいのかを考えていきます。

GEEN DOG相談ルーム

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白田 祐子(しらた ゆうこ)心理士/ホリスティックケア・カウンセラー

白田 祐子(しらた ゆうこ)心理士/ホリスティックケア・カウンセラー

公益社団法人日本心理学会認定心理士。トレーニングスクール、ル・ブラン湘南代表。25年前から犬の気持ちを理解するため犬の行動や心理を独学し、保護施設でしつけなどのボランティア活動を開始。現在のパートナーは、3頭目の雑種の保護犬11歳の女の子。大学で教育学、認知心理学、社会心理学などを専門的に学び、人と犬の関係性や犬の心の成長の研究を行う。2013年にスクールを立ち上げ、飼い主と犬のパーソナリティを重視。思考に訴えかける行動矯正が多くの女性に支持されている。翌年ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。食事の重要性を再認識しフード選びのアドバイスも積極的に行う。里親制度の啓蒙や地域行政と連携した動物相談など、教育、行政、法律と多方面で犬と人の問題に向き合っている。ヒトと犬の関係学会員、愛玩動物飼養管理士、神奈川県動物愛護推進員。

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