2017.10.13心のケア

やっぱり犬にとってエリザベスカラーはストレス?装着すべき理由とストレス軽減法

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動物病院で手術やけがの治療などを行った際、愛犬の首周りにエリザベスカラーを装着されることがあります。愛犬が煩わしそうにしていたり、取り外したがっていたりする姿を見ると、「エリザベスカラーをつけるとストレスになるのでは」と心配になることもありますよね。そこで今回はドッグトレーナーの遠藤が、犬にとってエリザベスカラー装着は本当にストレスなのか、装着すべき理由や、ご自宅でできるストレス軽減方法についてご紹介します。

エリザベスカラー装着はやっぱり犬にとってストレス?

エリザベスカラー装着がストレスになる要因とは

手術や処置した部分を舐めないようにと取り付けられるエリザベスカラーですが、残念ながらストレスを感じる愛犬がほとんどです。そのためエリザベスカラーを手足でどうにか取ろうと暴れたり、逆にびっくりして固まってしまったりする犬も珍しくありません。

愛犬がはじめて首輪を取り付けられた時にも、違和感を覚えるものですが、エリザベスカラーに比べれば比較的早く慣れる犬が多いようです。エリザベスカラーをこれほどストレスに感じる理由は、以下のような理由があるからだと考えられます。

1.周りの情報が取りづらくなる

顔には目や鼻、耳など、周りの情報を得るための感覚器が集まっています。エリザベスカラーをつけることで、視野が狭くなり、音は聞こえにくくなり、匂いもかぎにくくなるなど、普段よりも情報が取りづらくなってしまうため、ストレスを感じやすくなるのです。

周りの情報が把握できないということは、犬にとっては無防備に近い状態になるということ。そのような状態では、不安になったりストレスに感じたりするのは仕方のないことといえます。

2.周りのものに接触しやすい

動物病院で装着される一般的なエリザベスカラーはメガホンのような形をしています。大きさに違いはあるものの、自分の顔の幅よりも広く、また鼻よりも前に出ているものが多いなど、顔をすっぽりと覆ってしまうものが主流です。そのため、どうしても周りにぶつかる機会が増えてしまいます。また食事のときなどは邪魔になることが多いため、煩わしさを感じてしまうようです。

そのほか、傷口や治療した個所が気になって舐めたくても舐められない(それがエリザベスカラーの目的なのですが)ことも、犬にとっては当然ストレスになります。

エリザベスカラーのストレスはいつまで続く?
いつまでも煩わしさが続くと思われがちなエリザベスカラーですが、個体差はあるものの、家の中の生活だけであれば、1日〜2日程度で慣れてくる犬が多いようです。しかし、生活の中で壁や物に当たることがゼロになるわけではないため、やはりストレスに感じることは変わりないようです。

それでもエリザベスカラーを装着すべき理由

装着によって愛犬がストレスを感じていると思うと、飼い主としてはなおさらエリザベスカラーを取り外してあげたくなりますよね。しかし、ストレスを感じていることは獣医師もよくわかっています。

それでもエリザベスカラーをつけるということは、装着しなければならない理由があるから。それではなぜ、エリザベスカラーを装着しなければならないのでしょうか。

傷口の保護
最大の理由は、処置した傷口を舐めたり足で掻いたりしないようにするためです。犬は本能的に傷口を舐める習性があります。しかし舐めることで、傷口が炎症するなど症状が悪化してしまう場合も少なくありません。

また傷口が治ってくると、患部がかゆくなることがありますよね。これは人間も同じですが、かゆいからといって掻いてしまうと炎症を引き起こしたり、せっかく塞がった傷口が開いてしまったりする危険性があります。人間はこうしたリスクがわかっているため、ある程度我慢することができますが、愛犬は「なぜ掻いてはいけないのか」がわからないため、どうしても掻いてしまうもの。そのためエリザベスカラーをつけ、傷口を掻かないようにする必要があるのです。

症状が悪化してしまうと、再び動物病院での処置が必要となります。そうなると、愛犬は二度つらい思いを経験することに。「エリザベスカラーしている姿がかわいそう」と取り外すことは簡単ですが、愛犬に長くつらい思いをさせないためにも必要なものなのです。

エリザベスカラーのストレスは軽減できる?

飼い主が工夫することでエリザベスカラーのストレスは軽減できます

装着しなければならないのであれば、そのストレスをできるだけ軽減させてあげたいのが飼い主心というもの。ここでは、「エリザベスカラーのストレスを軽減するための方法」についてご紹介します。

工夫されているエリザベスカラーを選ぶ

通販サイトなどでは、従来のメガホン型以外のエリザベスカラーも販売されています。なかには愛犬にできるだけストレスがかからないよう、素材や設計が工夫されているものがあるため、こうしたものに変更してあげるのも良いでしょう。

例えば柔らかい素材のものを使用した場合、装着の違和感が多少軽減されることがあります。また透明なものやドーナツ型のようなものは視界をあまり遮らないため、ある程度ストレスが軽減されるでしょう。

また、装着の際にボタンで両端を留めるエリザベスカラーがありますが、愛犬によっては「パチッ」という音が耳元で鳴るのを嫌がる場合もあります。音に敏感な愛犬の場合、できればボタン式以外のものを選んであげましょう。

エリザベスカラーを選ぶ際のポイント
前述の通り、エリザベスカラーは傷口を保護するために装着するものです。そのため、つけていても傷口を舐めたり掻いたりできるようなものでは意味がありませんよね。サイズや設計を確認し、エリザベスカラーの従来の役割が果たせるものかどうかを確認しておきましょう。

また首周りのサイズなどもチェックし、愛犬が簡単に取り外せないようなものを選ぶことも大切です。一度でも自分で取り外せてしまうと、犬は「また外せるかも」と思い、何度も取り外そうとするからです。

選び方に不安を感じる場合は、かかりつけの動物病院に相談し、この商品と取り替えて良いかどうか聞いてみるとよいでしょう。

専用のウェアを使用する

最近は、エリザベスカラーの代わりに、開腹手術の後などに装着する専用のウェアも販売されています。これは全身を覆うもので、エリザベスカラー同様、傷口の保護のために使われます。違和感はあるものの、エリザベスカラーに比べて邪魔になりにくく、また視界や匂いを遮らないため、エリザベスカラーよりもストレスを軽減できる可能性があります。服を着せても嫌がらない愛犬の場合は、こういったアイテムを選んでみるのもおすすめです。

気を紛らわすものを用意する

装着時はどうしても、エリザベスカラーに気が行きがちになります。そのためコングなどのおもちゃを用意し、できるだけエリザベスカラーが気にならない環境づくりをしてあげましょう。

ただし、エリザベスカラーの大きさによってはコングを使えないこともあります。大きさを考慮した上で、適したものを選んであげましょう。

障害物を置かない

時間とともにエリザベスカラーに慣れてくると、積極的に動き出す愛犬もいます。動けば動く分、エリザベスカラーが物にぶつかる可能性は高くなるため、できるだけ愛犬の居場所にぶつかりそうなものを置かないようにしてあげましょう。

人の目が届く範囲のみ外す

傷口を舐めたり掻いたりしていないかが、しっかり確認できる状況であれば、一時的に外してあげることもひとつの方法です。ただし、外した時の開放感が強く、再び装着した時のストレスのほうがさらに大きくなる可能性もあります。愛犬の性格や特性を見た上で、外しても問題ないかを判断したほうが良いでしょう。

おわりに

愛犬のストレスになりがちなエリザベスカラーですが、飼い主の工夫によってある程度軽減することが可能です。逆に、一時的な取り外しがストレスを増加させたり、傷口を悪化させて再び痛い思いをさせることにつながる場合もあります。今回ご紹介したコツや注意点をもとに、できるだけ愛犬のストレスを軽減しながら、傷の快方を待ちましょう。

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遠藤 和義(えんどう かずよし) ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー

遠藤 和義(えんどう かずよし) ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー

犬業界のキャリアは今年で20年目。 国内外の著名なドッグトレーナーに師事し、モチベーショナル・トレーニングの 知識や技術を学ぶ。同時に、多数の保護犬・保護猫の日常ケアにもたずさわる。 各地のしつけ方教室の運営や動物系専門学校の教員などを経験後、縁あって GREEN DOGへ。実店舗やしつけ方教室の運営を手がけ、現在は年間3000件の健康相談を受けるセンターの責任者。
遠藤 和義(えんどう かずよし) ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー

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