2017.03.16その他の体のケア

犬が吐いたら?犬の嘔吐の原因と対策を獣医師が解説

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犬の嘔吐の原因と対策

犬は人に比べてよく嘔吐(おうと)する動物です。犬では食べ過ぎや水の飲み過ぎ、空腹、拾い食い、車酔いなどの単純な原因で吐くことが多くあります。

嘔吐することによってスッキリとし、その後は元気に過ごすケースは多いのですが、慢性的に嘔吐を繰り返したり、元気がなかったりする場合には、命に関わる重大な病気が隠れている可能性があります。

愛犬が吐いた時、病院に連れて行くべきか否か、迷ったことのある飼い主さんは多いのではないでしょうか。今回は、犬の嘔吐の原因と自宅でできるケア、病院に連れて行く見極め方について説明します。

犬の嘔吐について

嘔吐とは、胃の内容物が食道を経て口から吐き出されることを指します。

食べ物が胃に入る前に吐き出される吐出(としゅつ)とは区別します。吐出の場合は、未消化なものを食後直ぐに力強く吐き出します。喉や食道に問題がある場合に起こります。

嘔吐の症状は、気持ち悪そうにし、舌なめずりをし、そしてお腹を上下するしぐさをみせて、下に向けて吐き出します。嘔吐物は消化中の食事であったり、空腹時は胃液や十二指腸液であったりします。

犬の嘔吐の原因と嘔吐の種類

嘔吐は、異物・毒物を吐き出す生体の防御反応なので、お腹をこわしたかな?変なものを食べたかな?と思いがちですが、全てが単純な原因であるわけではありません。

原因が明らかで一時的な嘔吐もあれば、胃腸や全身・臓器の重度な障害などによって起こる生命に関わる危険信号であることもあります。嘔吐の原因は、吐いたものだけをみて診断することはできません。

消化器の病気

胃腸炎
膵炎
腸閉塞
胃捻転

感染症

犬パルボウィルス感染症
犬ジステンパーウィルス感染症
レプトスピラ感染症
犬コロナウィルス感染症
犬伝染性肝炎

全身・臓器の病気

腎不全
肝不全
緑内障
アジソン病(副腎皮質機能低下症)
腫瘍
熱中症

その他

毒物や異物の摂取
水のガブ飲み
食べすぎ
急な食事内容の変更
車酔い
不安 など

早朝に黄色い泡や白い泡を吐く場合

犬が早朝に黄色い液や白い泡を吐くことがあります。多くのケースでは、他に症状がなく、元気で食欲もあります。

これは夜間の空腹が原因でおこる逆流性胃炎(胆汁嘔吐症候群)である可能性があります。原因としては、黄色の胆汁を含む十二指腸液が胃内へ逆流し、胃粘膜を刺激することによって起こると考えられています。

逆流性胃炎(胆汁嘔吐症候群)を引き起こす原因は明確には分かっていませんが、空腹時間を短くするために寝る前に食事を取らせると、多くのケースで症状がなくなります。ただし、空腹対策をしても嘔吐が続く場合には、かかりつけの獣医師に相談したほうがいいでしょう。

草を食べて嘔吐する

草を食べて嘔吐する

犬が外の草を食べる理由はわかってない

散歩中に草を食べて嘔吐することは、多くの犬でみられます。特に、雑草の中でも細長い特定の草を好んで食べるようです。しかし、なぜ犬がこの草を食べるのか実際のところははっきりとした理由は分かっていません

胸やけがするので吐くために食べている、繊維質を草から摂取している、特別な栄養素を草から摂ろうとしている、などさまざまな見解があります。

しかし、草が胃炎の原因になり、また農薬や犬猫の糞尿に汚染されていたりする可能性がありますので、極力食べさせないことをおすすめします。

嘔吐をしたときの対処法

嘔吐をしたときの対処法

嘔吐には、しばらく様子をみても問題ないものと、命に関わる重篤な病気の症状の場合がある

しばらく様子を見てもよいもの

原因が明らかで、それを除けば症状が改善されるもの。

  • 元気である
  • 他の症状がない
  • 嘔吐は連続的ではない

基本的には、嘔吐した原因が明確であって、犬が元気に過ごしているようであれば、家でしばらく様子を見てもいいでしょう。

直ぐに動物病院へ連れて行くべきもの

原因を直ぐに取り除けない、もしくは重篤な病気やトラブルの可能性があるもの。

  • 元気がない、ぐったりしている
  • 苦しそうにしている
  • 熱がある
  • 下痢がある
  • 別の症状がある(けいれんする、よだれを垂らす、呼吸がおかしいなど)
  • 嘔吐や空嘔吐を繰り返す
  • 2日以上嘔吐が続く
  • 嘔吐物に血が混ざっている
  • 嘔吐物から便臭がする

嘔吐したものは、治療の大きなヒントになります。捨てずに、獣医師に見せるようにしましょう。ふき取ったティッシュや、トイレシーツなどについた吐しゃ物をラップで包むかビニール袋に入れて持参しましょう。

嘔吐後のケア・食事や水について

嘔吐後は、状況によりますが、半日~1日ほど水と食事を与えずに様子をみます。嘔吐が止まったようであれば、少し水を与え、吐かないようであれば、徐々に量を増やしていきます。

水を吐かずに落ち着いているようであれば、続いて食事を開始します。水と同じ要領で、最初はほんの少し与えて様子を見ます。問題がなければ、間隔をあけて、少しずつ量を増やしていきます。2~3日は一度にたくさん与えることはせずに、1日の量を3~4回に小分けにして与えます。

下痢も同時にしているのであれば、脱水症状を起こす可能性がありますので注意が必要です。下痢の場合、水分はしっかり取らせる必要があり、嘔吐の処置と相反するものがあります。点滴などの治療が必要になるケースもありますので、下痢と嘔吐が同時にある場合には、動物病院に相談しましょう。

犬の下痢の原因はコチラを読む→愛犬のうんちは健康?犬の下痢や便秘の原因と対処法

おわりに

嘔吐の原因はさまざまです。嘔吐時やその後の様子をみて、少しでも心配なことがあれば、自己判断せずにかかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。また、嘔吐は全身性の重篤な病気でも起こるものです。嘔吐をして初めて病気に気がついた、ということがないよう、少なくとも毎年1回は定期健診を受けさせるようにしましょう。

定期検査ではどんなことがわかるの?→代官山動物病院 定期健診体験レポート!

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伊東 希(いとう のぞみ) 獣医師、ホリスティックケア・カウンセラー

伊東 希(いとう のぞみ) 獣医師、ホリスティックケア・カウンセラー

1998年、日本獣医畜産大学(現在、日本獣医生命科学大学)獣医学科を卒業。動物病院や大手ペットフードメーカーでの勤務を経た後、GREEN DOGへ。現在は、スタッフ教育や商品の品質検証、オリジナルフードの製造に関わる。
伊東 希(いとう のぞみ) 獣医師、ホリスティックケア・カウンセラー

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