2017.06.22皮膚・被毛のケア

【犬との暮らし】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす4~ステップ2~栄養素の補給

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ホリスティックケア・カウンセラーで日本アニマルフィトセラピー学術協会理事長の加藤です。「犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす」というテーマについてフィトセラピーを中心に愛犬ナイトや10数年にわたってご相談を受けてきたクライアントとの軌跡をたどりながらお伝えしております。

犬アトピー性皮膚炎は病院での治療に加えて家庭でのケアを併用することで症状が緩和するケースが少なくありません。特にホリスティックな目線で身体の中から整えていくことで少しずつ自然治癒力が高まり、症状が軽減していくケースを多く経験しております。今回はその自然治癒力を高めるための5つのステップの2つめ「不足しがちな栄養素」と犬に与えやすい食品ハーブについてお伝えいたします。

1つめのステップはコチラ→ 【犬との暮らし】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす3~ステップ1~消化機能を整える

不足しがちな栄養素

犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす2で犬アトピー性皮膚炎の不快な症状は皮膚の成長速度(ターンオーバー)が通常より短くなることでバリア機能が低下することによることをお伝えしました。このターンオーバーのサイクルを正常に近づけるために必要な栄養素を十分に補給することはつらい皮膚症状を軽減するための1つの選択肢になり得ます。ここでは皮膚に炎症がある際に不足しがちな栄養素と含まれる食品をお伝えします。

私たちもパートナーもさまざまな栄養素が必要

ビタミンA

不足すると夜盲症を引き起こすことがよく知られていますが皮膚や粘膜を健康な状態にすることにも一役買っています。不足すると新しい細胞を作れずに乾燥を引き起こし、細菌感染を引き起こしやすくなります。レバーなどの動物性食品から摂ることもできますが、犬の場合はβカロテンからビタミンAを変換することが可能です。ビタミンAは脂溶性のため摂りすぎると過剰症を引き起こしますが、βカロテンは必要な分だけが体内で変換されるため過剰症の心配がありませんが吸収率が低いので油脂類と一緒に摂取すると良いでしょう。ビタミンAはレバーや内臓などの動物性食品、βカロテンは人参、カボチャ、シソ、パセリなどに含まれます。

ビタミンE

脂溶性の抗酸化物質として最も重要な栄養素と言われています。体内での酸化ストレスによる過酸化脂質の生成を抑えて細胞の老化を防ぎます。さらに活性酸素を除去し血行を促進するため皮膚の状態を改善するのに役立ちます。カボチャや松の実、卵、植物油(サフラワー油、なたね油等)に多く含まれます。

ビタミンB群

牛のマメ(腎臓)にはビタミンB群が豊富

ビタミンB群の中でも特にリボフラビン(B2)、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、ビオチン(H・B7)は、表皮の最下層で生まれた角化細胞のセラミド産生能を促進し、表皮水分の喪失量を減らして皮膚バリア機能を高めることがわかっています。リボフラビンは細胞の再生に関与しており、抗生剤やステロイドなどで働きが阻害されることがわかっています。ナイアシンやビオチンは抗ヒスタミン作用、パントテン酸はステロイドホルモンの産生に関わります。ビタミンBは単体よりもB群としてまとめて摂取した方が相乗効果を期待できます。動物性食品や納豆、ビール酵母などに含まれています。

ビタミンC

ビタミンEと並び水溶性の抗酸化物質として重要な栄養素です。体内毒素の排泄や活性酸素の除去に関わると共に皮膚や血管など結合組織に含まれるコラーゲン合成において必要不可欠な栄養素です。コラーゲンは細胞と細胞の間をつなぎ合わせる接着剤のような役割を果たし、皮膚や血管、骨に柔軟性を与え、丈夫にしてくれます。犬はビタミンCを体内合成できますが、炎症性疾患がある場合は合成スピードが間に合わず不足することがわかっています。キャベツ、キウイフルーツ、ピーマン、パセリ、ローズヒップなどに多く含まれます。

セラミド

表皮の1番上の層である角質層の中に存在している「細胞間脂質」を構成する成分の1つです。皮膚症状の激しい部分は外用で塗布 するという方法もありますが、全身のセラミド量を増やしたい場合はサプリメントや食品から摂取することをおすすめします。お米や大豆、乳製品などにも含まれますが、最近ではこんにゃく に豊富に含まれることがわかり注目されています。

αリノレン酸(ω3脂肪酸)、リノール酸(ω6脂肪酸)

脂質、特に必須脂肪酸が不足すると被毛や皮膚が乾燥し、フケや被毛のパサつきを招きます。特にαリノレン酸は炎症に関わる生理活性物質の原料になるため、皮膚だけでなく関節炎や自己免疫疾患などさまざまな炎症性疾患においても有用になる可能性があります。亜麻仁油 えごま油 サーモンオイル などに含まれます。炎症が強い時はEPA・DHAが多く含まれるサーモンオイルなどの魚油の方が早く効果が出ることがあります。

栄養補給にプラスしやすいハーブ

ローズヒップ(学名:Rosa canina)

ドッグローズと呼ばれる野バラの一種で果実を利用します。
ビタミンCがレモンの約20倍含まれることから「ビタミンCの爆弾」の呼び名で美肌のハーブとして知られていますが、ビタミンC以外にも抗酸化作用の強いバイオフラボノイドはじめ、カルシウム、鉄分、ビタミンA、E、リコピン、ペクチンなど多くの栄養素が含まれている薬効の高い、それでいて安全なハーブです。皮膚症状だけでなくさまざまな炎症性疾患や老化の予防、感染の予防に役立ちます。過剰摂取は軟便になりますので、便の状態を見ながら少しずつ増量していくと良いでしょう。乾燥(ドライ)ローズヒップをしばらく水にふやかすと柔らかくなってまるごと食べやすくなるため、全ての栄養素を摂取しやすくなります。

パセリ(学名:Petroselinum crispum)

ストレスケアにもビタミンCや抗酸化栄養素が大切

スーパーや園芸用品店などで気軽に入手できるパセリには、β-カロテンやビタミンB群、ビタミンC、鉄、カルシウム、クロロフィルなど豊富な栄養素が含まれ、皮膚症状の緩和に役立ちます。またパセリに含まれる独特の香り成分は胃腸を健やかにし、皮膚症状のストレスを緩和する精神安定作用があります。緑が成長する季節になりましたので、ガーデニングなどで育ててみてはいかがでしょうか?

モリンガ(学名:Moringa oleifera)

北インド原産のワサビノキ科に属する植物です。根~花まで全ての部分が利用できますが、特に葉には約90種類の栄養素が含まれており、捨てるところのないミラクルツリー(奇跡の木)とも呼ばれています。WHO(世界保健機構)が「森のミルク」と称して発展途上国の子ども達に提供した所、健康食品として世界中から注目されるようになりました。ビタミンやミネラル、必須アミノ酸、GABA、不飽和脂肪酸、葉酸などさまざまな栄養素をこれ1つで摂取できることから、近年 スーパーフードとして注目されています。

モリンガについての情報はコチラ→ 「モリンガ」の魅力
*適量を守り、妊娠・授乳中は控えてください。

おわりに

愛犬の食事の見直しや新たな食品・サプリメントを加える際は少しずつ増やしていき、体調に変化が出ないかよく観察してください。ご紹介させていただいた方法は愛犬ナイトや多くのクライアントさまなどで効果が出ているものですが、全てのケースに有効であるわけではありません。治療中の場合はかかりつけ獣医師の指示を仰ぎながら取り入れていただき、初めて与える際は少量を与えてパートナーに異変が生じないか様子を確認してください。また、どんなに良い物でも量が過ぎれば体に負担をかけることになりますのでパートナーの体質に応じて適量にしてくださいね。

次回は「身体の自然治癒力を高めるため」の3つめのステップについてお伝えします。

GEEN DOG相談ルーム

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加藤 志乃(かとう しの)日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー

加藤 志乃(かとう しの)日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー

幼少期より多数の動物と暮らす。北里大学卒業後、10年以上製薬会社でMR、臨床開発に従事。愛犬のアトピーや股関節形成不全をきっかけにホリスティックの世界を知り、2007年にホリスティックケアカウンセラーを取得。アロマやハーブ、東洋医学他、さまざまな角度から行うホリスティックな視点でのアドバイスは日本全国にとどまらずアジア各国でも高評を得ている。
加藤 志乃(かとう しの)日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー

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