2017.03.13皮膚・被毛のケア

【犬との暮らし】犬アトピー性皮膚炎の犬と暮らす1~症状と自然治癒力の関係

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犬アトピー性皮膚炎の症状と自然治癒力

みなさん、はじめまして。ホリスティックケア・カウンセラーで日本アニマルフィトセラピー学術協会理事長の加藤です。フィトセラピーを英訳すると植物療法。植物を使って心身を癒していく方法です。私は今、動物へのハーブやアロマ、栄養を中心にセミナーやカウンセリングを通してホリスティックケアのアドバイスをさせていただいています。

私がホリスティックケアの世界に足を踏み入れるきっかけにもなりました「アトピー性皮膚炎の犬と暮らす」というテーマについて、当時の記憶をたどりつつ、たくさんの犬たちに教わったことを今回より数回にわたってお伝えしたいと思います。ホリスティックケアを学んで以来、このようなご縁によって、今も虹の橋で見守ってくれている愛犬ナイトとの思い出の旅をたどる機会をくださったGREEN DOG に感謝いたします。

第1回目となる今回は自己紹介を含めてなぜアトピーをテーマとしたかということとアトピーケアの鍵となる自然治癒力を高めるポイントについてお伝えしたいと思います。

子犬のころから身体が弱かったナイト

身体が弱い子犬

私の人生を変えた愛犬ナイト(ラブラドール・レトリーバーの雄)は2001年5月に生後2か月になったばかりで親元から直接やってきました。父犬に股関節形成不全とアトピーがあることがわかっていました。けれど、もともと保護施設から犬を迎えようと考えていたこともあり、6頭生まれた兄弟犬の中で一番残ってしまいそうな弱い子を選びました。

今思えば、私が成長するために来るべくして来てくれたのだなと思っています。
ナイトと暮らし始め、ワクチンプログラムを終え、お散歩に出られるようになってまず、最初のハードル股関節形成不全であることが判明しました。1歳を超えるまでは痛みが強く、調子が悪い時は外に出てもすぐに歩行困難になるため、家にトンボ帰りという日も多々ありました。1歳を超えた頃、骨格や筋肉が安定し始めたのか少しずつ歩けるようになりました。けれど、ホッとした矢先、お腹にポツポツと赤い発疹ができ始めました。それ以来、原因不明の湿疹に悩まされることになったのです。

原因不明の発疹は1年続く

原因不明の発疹

その頃、私は製薬会社の臨床開発部という部署で、新薬の開発(治験)に関わる仕事をしていました。大学も医療系、卒業後は製薬会社に就職したので西洋医学の世界しか知らずに生きていました。そのため当然ながら、ナイトに湿疹ができたときにも、動物病院に行き、抗生剤や症状がひどい時はステロイドなどを処方していただいていました。当時通っていた動物病院では、フードを数種類変えても変化がないということと、精度があまり高くないということでアレルギーの原因を特定するアレルゲン検査はすすめられませんでした。

獣医師のアレルギー症状の可能性が高いという診断結果に、発症当初は治療に加えてまずフードの変更(複数回)と環境の中の化学物質をできるだけ排除するなどの工夫をしました。具体的には、合成洗剤をできるだけ避けナチュラルな成分のものに変える、空気清浄機を設置、排気がきれいな掃除機に買い換えるなどです。でもどんなにフードを変え、化学物質を減らし、薬を使っておさえても、ほんの短期間は症状が治まりますが、また元に戻るの繰り返し。少しずつ薬やサプリが増えていきました。ナイトも、痒みを気にして舐めたり搔き壊したりして、患部が真っ赤にただれて出血することも多く、痛くてクーンと鳴くようになりました。命の危険がないとは言え、そんな状態を見ているだけで何もしてあげられないというのは心が切り裂かれる思いでした。 

ホリスティックケアとの出会い

ホリスティックケアとの出会い

最初は手探りであれこれを試した

そんな状態が1年ほど続いた頃、「これが一生続くの?飼い主として他に何かできることはないのかしら?」と考えるようになりました。約15年前、情報の入手先が少ないながらもインターネットや書籍からアロマセラピーや手作り食でアトピーが改善しているケースがあることを知り、「ダメ元で良いからやってみよう!」と手探りのホリスティックケアが始まりました。

私が体系的に学んだホリスティックケアについてはコチラ→ホリスティックケアとは

当時は食事内容を見直し、トッピング食から始めてじょじょに手作り食を試したり、痒みや精神面をサポートするための湿布やローション剤などのアロマセラピー、不足しがちな栄養素の補給、ハーブ、手作り石けんなど思いつくものを片っ端から試しました。周囲に誰も相談できる人がおらず、手探りで必死でしたが、ナイトにあったケアを見つけられたのか、運良く目に見える結果が出てくるまでには、そんなに時間はかかりませんでした。

「あれ? 湿疹が出る頻度が減っている?」「以前ほど、悪化しなくなっている?」そう感じ始めたのは 手探りのケアを始めてからほんの数か月後でした。実はナイトには湿疹以外にも外耳炎や便がゆるいなどの症状がずっと出ていました。当時は皮膚の症状との繋がりはわからず皮膚症状とは別物と考えていました。ところがホリスティックケアを始めたら、「外耳炎になりにくくなった」「便の状態が良くなってきた」という変化も感じられました。それまでは、「たれ耳の犬は外耳炎になりやすい」「うちに来た時からいつも便はゆるいからこんなものだ」という風に何の疑問も持たずに対症療法を行っていました。変化を感じて初めてアトピーの症状と関係があったことに気付いたのです。ナイトのアトピー症状は それから激減し、症状が出たとしても梅雨の湿気が多い時期にほんの少し出る程度まで改善しました。特に13歳と9カ月の生涯を終える後半数年は、先回りして予防ケアをすることができたので、症状としてはまったく出ることがありませんでした。

このことは、後にボランティアで預かっていた保護犬たちのケアやご相談にみえる飼い主さんへのホリスティックケアのアドバイスにつながり、私にとって西洋医学だけだった世界から自然療法への世界への扉が開いた大きなきっかけになりました。

アトピー性皮膚炎の改善のカギとは

アトピー性皮膚炎の改善のカギ

愛犬のアトピーとの闘いの最中、あることに気づきました。それはナイトには皮膚の症状が出る前にお腹を壊しやすくなったり、耳の中が汚れやすくなったりする症状もあることでした。これはなにかのサインだろうか?と思いました。

思えば小さい頃から食が細く、便がいつもゆるめで太れない体質でした。もしかしたらこの子はそもそもの自然治癒力に問題があるのではないか?そう気づいたことは改善のカギになったと思います。

みなさんのパートナーにも、皮膚症状が出る直前、自然治癒力が下がってきていると思われる時にいち早く現れる兆候はありませんか?小さな変化を逃さないように普段から意識してチェックしてみると改善のヒントになるかもしれませんね。

自然治癒力が下がってきていると思われる時の兆候*
 涙や目やにが増える
 耳が汚れやすくなる
 体臭が濃くなる
 被毛の艶がなくなってくる
 お腹を壊しやすくなる
 くしゃみや逆くしゃみが増える

*個体差がありますので、記載されていない兆候が出てくる場合もあります。気付いたことを日記などに記録しておく と役立ちます。

自然治癒力を高めることは子犬からシニア犬まで、健康な子は病気にかかりにくい身体に、持病のある子ならアトピーに限らず、進行を遅らせることにつながる可能性があると思います。

自然治癒力を高める方法とは?

では、自然治癒力を高めるとはなんでしょうか。何をどうしたら良いの?という方も多いでしょう。犬の皮膚は21日周期で生まれ変わりますが、その他体内の細胞には数カ月、数年かかって生まれ変わるものもあります。私は、愛犬の犬アトピー性皮膚炎の場合、焦る気持ちをグッとこらえてあれこれ試すのではなく、不快な症状を緩和するための外用のケアをしながらじっくり自然治癒力を高めるための方法2つを併用しました。特に自然治癒力を高める方法として、下記のような体内のシステムをいくつかに分けて順を追って整えていくことをおすすめしています。

自然治癒力を高めるための5つのステップ

  1.  消化機能を整える
  2.  不足しがちな栄養素を補給する
  3.  体液の循環を促進する
  4.  免疫力を高める
  5.  不要なものを排泄する

おわりに

愛犬をはじめ、10年以上にわたって受けたご相談の数々の中で、症状が快方に向かったのは、時間をかけて徐々に自然治癒力を高めたケースでした。特にハーブを的確に利用することは予想を上回る結果となることも少なくありませんでした。もちろん動物病院での治療を継続しながら併用して行ったケースも多くあります。ハーブやアロマは天然だから安全というイメージがありますが、お薬の素となっているものも存在しますので、場合によっては治療の邪魔をしないように獣医師と相談して取り入れることが大切です。

また今回ご紹介したのはあくまでも私の個人の経験によるものです。ホリスティックケアは医療ではありませんので効果を約束するものではありません。また治療をしている場合にはまずかかりつけの獣医師の指示に従うことが重要です。治療が病気を治すものであるならば、ホリスティックケアは病気にならないような身体作りをするのに大いに役立ちます。私が学んだGREEN DOGが運営するホリスティックケア・カウンセラー養成講座 では、「食事・心・体」の3分野から幅広い知識をまとめて学べます。正しい知識を身に付けることで、いたずらに不安に感じることも少なくなりました。

今後このコラムでは、これまで私がパートナーの健康維持に役立つと実感があった自宅でできるケアを紹介していきます。次回はまず具体的な方法として、アトピー性皮膚炎でいちばんつらい不快な皮膚症状を緩和する外用のホリスティックケアに焦点をあて、その後、5つのステップについて1つずつ詳しくお伝えしていきますね。

GEEN DOG相談ルーム

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加藤 志乃(かとう しの)日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー

加藤 志乃(かとう しの)日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー

幼少期より多数の動物と暮らす。北里大学卒業後、10年以上製薬会社でMR、臨床開発に従事。愛犬のアトピーや股関節形成不全をきっかけにホリスティックの世界を知り、2007年にホリスティックケアカウンセラーを取得。アロマやハーブ、東洋医学他、さまざまな角度から行うホリスティックな視点でのアドバイスは日本全国にとどまらずアジア各国でも高評を得ている。
加藤 志乃(かとう しの)日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー

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