2016.07.04ー子犬のケアー

耳の上手な洗い方やコツは?シャンプー嫌いな子犬を安心させるポイント3つ

  • 耳の上手な洗い方やコツは?シャンプー嫌いな子犬を安心させるポイント3つ

耳の上手な洗い方やコツは?シャンプー嫌いな子犬を安心させるポイント3つ

犬の毛を清潔に保ち、健康を維持するためにも欠かせない定期的なシャンプー。子犬のときに苦手意識が芽生えてしまうと、成犬になってもなかなかシャンプー嫌いはなおりません。愛犬をシャンプー嫌いのまま成長させないためには、シャンプーに対する苦手意識を持たせないよう、愛犬が安心してシャンプーを受けられる環境を早いうちから整えてあげることが大切なのです。今回は、シャンプーの開始時期やシャンプー嫌いの原因、そして特に嫌がることの多い耳や顔回りの洗い方と子犬を安心させるシャンプーのポイントについてご紹介します。

子犬のシャンプー時期と方法

一般的にシャンプーを始めるのに良いとされているのは、1回目のワクチンを終えた頃の時期です。生後2カ月から3カ月まではまだ足腰が弱く、シャンプーの時に滑ったら危険です。けれど、ちょっと目を離したすきにうんちやオシッコで汚れてしまうなど、予定通りにはいかないもの。そんな時に慌てないように子犬のシャンプーケアの方法を知って準備しておきましょう。

一般的に犬のシャンプーの頻度は月に1~2回が良いとされています。しかし毎日のように海に散歩に行ったり、犬同士で寝転んでじゃれあったりすることが好きな犬であれば、シャンプーの頻度も高くなりますね。

シャンプーの頻度はその犬の生活スタイルに合わせて、柔軟に設定してあげましょう。頻度が高い場合は、シャンプー好きにしてあげると、飼い主もパートナーもストレスが少なくなりますよ。

ではどうしたら子犬はシャンプーを好きになってくれるのでしょう。それは、飼い主の最初のアプローチに鍵があります。

まずは犬のシャンプーの基本的な手順を簡単に見ていきましょう。

  1. ブラッシング:シャンプーの前に毛のもつれやほこりを取ります。
  2. 体をぬらす:足元から体へと、ゆっくりとぬるめのお湯でぬらします。
  3. 肛門嚢絞り:肛門腺にたまった肛門嚢を絞ります。
  4. シャンプーとリンス:体全体をシャンプーで洗ってよくすすいだ後、リンスで仕上げます。
  5. タオルドライ:乾いたタオルで水気を拭き取ります。
  6. ドライヤー:犬専用のくしで優しく毛をとかしながら、ドライヤーで乾かします。

おうちシャンプーの仕方で迷うときは、トリミングサロンなどで相談に乗ってくれることもあります。地域によっては無料のグルーミングセミナーなどが開催されていることもありますから、インターネットなどで情報を調べて参加してみるのも良いでしょう。愛犬について知る機会が増えると、愛犬と過ごす毎日がとても楽しくなります。楽しみながら知識を増やしていきましょう。

子犬を初めてシャンプーするときの準備には、いくつかの注意しておくポイントがあります。些細なことですが、その後の子犬がシャンプーを嫌いにならないためには重要なポイントです。さっそく見ていきましょう。

犬は優れた嗅覚を持つので、シャンプーの香りに対して苦手意識を持つことも少なくありません。特に、強すぎる香りのシャンプーは子犬だけでなくすべての犬にとってストレスになります。あらかじめシャンプーの香りを嗅がせて、嫌がる様子がないシャンプーを選びましょう。

シャンプーをする日は子犬の体調が良い日を選びましょう。そして、シャンプー後にはしっかりと体を乾かしてあげます。大きな音がするドライヤーが苦手な犬も多いですから、タオルドライで可能な限り水分をとっておき、ドライヤーの時間を短めにすることで負担を減らせます。ただ、しっかり乾かさないと皮膚にトラブルが出たり、臭いが出たりすることもあります。ドライヤーを近づけすぎないように温風の温度には充分に気をつけながら、しっかり乾かしてあげましょう。

ワクチン接種前後や体調が優れない日に汚れてしまったときには、汚れたところを温かい蒸しタオルで拭くだけにして、シャンプーはしないようにしましょう。

犬用シャンプーの種類は多くあり迷ってしまいますね。けれど、子犬は人間の赤ちゃんと同じようにまだ皮膚が薄く敏感です。保湿成分が多めで低刺激性のものを選んであげましょう。デリケートな子犬の皮膚をケアできるシャンプーを使うことが大切です。またアルコール、酸、化学薬品などを一切使用していない子犬用のシャンプーの中には、皮膚の弱い子犬だけでなく、化学成分にアレルギーがある成犬やシニア犬に使えるものもあり、その場合、複数の犬に使えます。

子犬がシャンプーを嫌いになるのはなぜ?

耳の上手な洗い方やコツは?シャンプー嫌いな子犬を安心させるポイント3つ

人間も初めて会う人や、初めて経験する状況などに緊張しますね。

生後間もない子犬にとって、洗面台やバスルーム、トリミング台など、初めての場所は、子犬に大きな不安を与え、その不安や恐怖心を抱えたままシャンプーに進んでしまうと、すべての工程が子犬にとっては「嫌なこと」と印象付けられてしまうこともあります。

そうならないように、できるだけ工夫をしてあげましょう。工夫次第で、子犬も不安がなくなってシャンプーに慣れてくれます。

まず、日頃から洗面台やバスルームの前や中でおやつをあげたり、洗面所で遊んであげたりなど「楽しい場所」という印象を持ってもらう工夫をしましょう。また洗面台やバスルームに慣れさせるときには、子犬が嫌がらないシャンプーの香りをあらかじめ漂わせておくと、場所と匂いにセットで慣れてくれます。

足場の安定感も大切です。私たちが凍った道を歩くときのことを想像してみましょう。とっても不安定で転ばないように姿勢もこわばりますね。子犬にとって、バスルームや洗面台は足が滑りやすいので、自分の足でしっかり立てない恐怖心からとても不安になります。そうして不安な気持ちが大きくなってしまい、逃げようとして滑ることでさらに嫌な思いをさせてしまうこともあります。

小型犬の場合は抱っこして洗う方法もありますが、大型犬の子犬は重いので抱えて洗うのは難しいもの。そこで、足場を安定させるためには、床に滑り止めマットを敷いてあげましょう。洗面台であれば、キッチンのシンク用のシリコン製マットを利用したり、バスルームであれば、一般的な人間用の滑り止めマットを利用したりして工夫してみましょう。特に膝が弱いチワワなどの犬種は足場の安定に気を配りましょう。大切なことは、シャンプーする場所は「安心できる場所」だと子犬に認識させてあげることなのです。

デリケートな耳や顔回りの洗い方

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顔や耳などの敏感な部分は、特に嫌がる子犬たちも多いのではないでしょうか。

子犬がシャンプーに慣れていないうちは特に、顔周辺にシャワーを使うと怖がる場合があります。手やスポンジなどで少しずつ顔や耳をぬらし、薄めたシャンプーで優しく洗いましょう。涙やけや唇の周りはガーゼを巻いた指先で優しくていねいに洗い、シャンプーが目に入らないよう注意しましょう。

耳周辺のシャンプーにも注意が必要です。耳介(耳先の裏側)はシャンプーで優しく洗いながら、耳穴にお湯が入らないように注意しながら流します。立耳の場合はお湯をかけるときに、耳を軽くたおして耳穴に蓋をするように優しく押さえてあげてもいいでしょう。

私たちも耳の中に水が入ってしまうととても気持ちが悪いですよね。犬も同じ。ブルブルと何度も頭を振って自分で水を出そうとします。犬の耳の中はとてもデリケートです。耳介の表面だけを柔らかいタオルや脱脂綿などで水分を吸い取る程度に優しくケアしてあげましょう。こすったり、耳穴に綿棒などを入れて掃除したりすることは犬の耳を傷つけてしまう可能性があるので、やめておきましょう。

シャンプーを安心させる3つのポイント

シャンプーを嫌がる子犬に安心感を与えるためには、シャンプー前後のコミュニケーションやシャンプー時の工夫がポイントです。

【ポイント1】「シャンプーをする場所は安心できる場所だ」と理解させる
シャンプーをしないときにもバスルームや洗面台のそばで一緒に遊んだり、おやつをあげたりしながら、「バスルームや洗面台は楽しいことがある場所」「嫌な場所ではない」というイメージを子犬に持たせてあげます。
【ポイント2】シャンプーの手順を足先から始める
シャンプーが初めての子犬やシャンプーが苦手な犬はシャワーを怖がることがあります。水の勢いや音に驚いて、さらに怯えてしまうことも。そこでシャンプーを始めるときには、まず柔らかい水圧のシャワーで足先をぬらし、お尻、体の順にゆっくりとお湯をかけていきます。お湯の温度は36度から38度ぐらいです。ゆっくりとシャンプーの手順を進めることで、子犬に落ち着きを与えることができるので、子犬のストレスも少なくなります。
【ポイント3】信頼関係を大事にする
シャンプーのときの優しい声掛けはもちろん、シャンプーが終わった後のタオルドライで遊びながら子犬としっかりスキンシップをとりましょう。おやつなどの褒美をあげるのも効果的です。

「シャンプーは嫌いだけど、ちょっと我慢すれば良いことがある」と子犬が理解できると苦手意識は薄まります。また飼い主に対して「嫌いなことをする人」と感じさせない信頼関係を作るため、普段から体のあちこちを触っても嫌がらないようにするハンドリングトレーニングといったコミュニケーションをしっかりとることも、子犬のシャンプーへの不安感を和らげることにつながります。

最初のシャンプーは子犬が緊張して固まっているうちに終わってしまうことでしょう。1回目のシャンプーで顔にお湯がかかったことなど、子犬が「嫌だな」と学習することで、2回目以降のシャンプーは、初めてのときよりも難しくなることがありますので、ポイントをおさえて工夫してみましょう。

おわりに

シャンプーは、犬の健康的な生活になくてはならないものです。けれど、小さな子犬にとってシャンプーは大きなイベントです。恐怖心を抱いてシャンプー嫌いになってしまわないようにケアしてあげたいですね。

シャンプー中の洗い方だけでなく、シャンプーを行う前後もパートナーとしっかりコミュニケーションをとりましょう。そうすることで安心感を与えられ、少しずつシャンプーに慣れさせてあげれば、おうちシャンプーだけでなく、外でのトリミングのときも、ストレスを軽減させてあげることができますよ。

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「犬のココカラ」編集部 チームGREEN DOG 監修・執筆

GREEN DOGの獣医師、トレーナー、カウンセラー、グルーマーなど犬の専門資格を持ったプロたちが一つのチームとなって、責任を持って執筆または監修しています。