2017.05.08老犬のケア

犬の老化のサイン、見逃していませんか?体に起こる現象と生活で気をつけること

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愛犬との暮らしは、時間の経過とともにかけがえのない大切な思い出を刻んでいきます。しかし、私たちと同じ時を過ごしていても、「犬は人間の4倍の速さで年齢を重ねている」といわれています。

いつまでも子どものように思えるパートナーは、気付かないうちに老化がすすんでいるのです。大切なのは、「老齢期を迎えたパートナーの老化のサインにできるだけ早く気付いてあげる」こと。そこで今回は、犬の老化のサインと生活のなかで気をつけるべきことについてご紹介します。

まずはパートナーの状態をチェック!

以下の項目にひとつでもあてはまったなら、愛犬の老化のサインかもしれません。
 歩いていて物にぶつかるようになった
 階段の昇り降り、ちょっとした段差を避けようとするようになった
 睡眠時間が増えた
 急に食欲旺盛になった、または食欲不振になった
 口臭がきつくなった

いつからが老化なの?

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犬は、果たしていつからが老化なのでしょうか。一般的に、小型犬は10歳から、大型犬では8歳以上からが高齢犬とされています。しかし高齢犬の定義は全ての犬に当てはまるわけではなく、犬種や個体差によって年齢に違いがあるのも事実です。

犬の老化年齢は、平均寿命と大きな関連性があります。犬の平均寿命は、小型犬で13歳から15歳、中型犬で12歳から14歳、大型犬では10歳程度です。ただし、あくまでも平均的数字であって、犬種や飼われている生活環境によって差がみられます。

犬種により差があるのですが小型犬の中ではトイプードルやダックスフンド・パピヨンなどの平均寿命は14歳を超えており、犬のなかでは長寿の犬種*です。平均寿命以上の18歳のトイプードルも決して珍しい存在ではありません。したがって、平均寿命からはかると10歳でもまだまだ高齢犬とは呼べない位に元気なパートナーも多いのです。

一方で、大型犬の平均寿命は10歳程度といわれています。ラブラドール・レトリーバーのように13歳前後と少し長寿な犬種もいますが、グレート・デーンのような超大型犬では7歳前後ともいわれています。このように哺乳類のなかでも、犬に限っては犬種が大型になるほど平均寿命は短くなります。

また、生活環境も犬の老化に影響を及ぼすといわれています。例えば、ひと昔前は外飼いが一般的でしたが、室内飼いが多くなった現在の方が寿命は延びてきています。それは獣医学の進歩のほか、室内での生活が身体的なストレスを軽減しているからです。

とはいえ、ずっと室内だけで生活すると自然の刺激を受けないために免疫力が低下することも指摘されています。老犬で歩けなくなっても、抱っこやカートを利用して、外の空気や陽射しを浴びることは少しでも若々しさを維持するために必要なことです。


*参照元:アニコム損害保険株式会社 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2016/news_0160531.html

主な犬の老化のサイン

毎日一緒に過ごしていると、パートナーの変化になかなか気付きにくいものです。犬の老化は、突然始まるわけではなく、少しずつ進行していきます。青年期を過ぎたら、パートナーの小さな変化を見逃さないことが大切です。ここでは、体の現象として現れる主な犬の老化のサインを5つご紹介します。

睡眠時間が増える

犬は、年齢を重ねるにつれ、睡眠時間が長くなる傾向があります。夜だけでなく、昼間でも頻繁に眠っているようだったら、老化のサインと考えられます。お気入りのおもちゃなどに興味を示さず、好奇心よりも眠ることを優先する様子も、老化を表す症状と覚えておきましょう。

段差を嫌がる

高齢期に入った犬は、階段などのちょっとした段差を前にすると、のぼるのを躊躇するような行動を見せることがあります。それまでは勢いよく昇っていた階段を、突如として嫌がる場合も。原因のひとつとして、老化による筋肉の衰えや関節の痛みなどがあげられます。ただし、老化だけでなく、腰や足に別の原因で不調が起きているケースも考えられますので、冷静にパートナーの様子を観察しましょう。

散歩の時間が短くなる

散歩に行っても、すぐに家に帰りたがる仕草を見せるのも老化のサインのひとつです。長時間の散歩は、老化が始まった犬にとって予想以上の負担をかけることになります。また、大抵の犬は、後ろ脚から衰え始める特徴があります。散歩の時の歩き方がいつもと違うとか、尻尾が下がっているなど、パートナーの小さな変化を見逃さないことも大切です。

食欲の変化

高齢犬は、急に食欲不振になる場合と、食欲が旺盛になる場合があります。ホルモンの病気が原因の場合もありますので、まずは獣医師にご相談ください。食欲不振は、運動量が減ることと比例して、胃酸をはじめとした消化液の分泌が少なくなり胃腸が活発に働かないため、次第に食欲が低下していくことが原因と考えられます。食欲旺盛の場合は、かまってほしい気持ちやわがままが強くなっているのかもしれません。
ほかには、味覚や臭覚が変化して食の好みが変わるのも、高齢犬の特徴的な症状です。大好きだったフードを残したり、以前より食事に興味を示さないようだと感じたり、逆に異常なほど食事に執着することも、老化のサインといえます。

口内、目、皮膚・被毛の環境の悪化

パートナーの口臭がきつくなったら、老化による歯周病の疑いがあります。高齢犬は歯周病にかかる確率が高く、急激に症状が悪化するケースがあるので特に注意が必要です。パートナーが嫌がらない程度に、臭いとともに歯や歯茎など、口の中全体を日頃からチェックしておくとよいでしょう。

他にも、目ヤニや耳垢が増えるとか、皮膚・被毛の変化など、体の内側から現れる老化のサインがあります。視力の低下や耳が聞こえにくい症状に加えて、心臓や内臓の機能の低下なども高齢犬にみられるサインのひとつ。特に心臓や内臓の機能低下は少しずつ進行するので、最も身近に暮らす飼い主でもすぐには気付きにくい老化のサインともいえます。

高齢犬になる前に定期的な健康診断を受けよう

老化のサインは、犬の行動から判断できる目に見えるサインと、体の症状として少しずつ現れる目に見えないサインがあります。老化がいつから始まるのかは、前項でご紹介した通り犬種や固体差、生活環境などによって異なるため、一概に判断することは難しいでしょう。パートナーの老化のサインにできるだけ早く気付くためには、専門医による定期的な健康診断がおすすめです。

愛犬家なら誰しも「健康診断なら毎年受けているから」と安心されるのではないでしょうか。一般的に高齢犬と呼ばれる年齢がくる前に、最低でも年に2回の健康診断をおすすめします。さらに、パートナーの体調に応じた検査項目の追加は、目に見えない老化のサインに気付くきっかけともなるかもしれません。

老犬との生活で気をつけるべきこと

高齢期こそ触れ合いの時間を増やしましょう

高齢期こそ触れ合いの時間を増やしましょう

共に暮らすパートナーはかけがえのない家族です。ここでは高齢犬と呼ばれるステージに入ったパートナーとの生活で気をつけるべきことについてシーン別に解説します。

食事

老化の原因のひとつは、活性酸素であることが知られています。白内障の予防や腎臓や心臓の機能が弱ってきたら、活性酸素を除去する抗酸化栄養素が豊富なサプリメント などを食事にプラスすると良いでしょう。病気の進行を止めることはできませんが、細胞の老化を少しでも遅らせて進行を緩やかにする効果が期待できます。

他にも、老犬の健康維持に欠かせない栄養素「オメガ3系脂肪酸」が豊富に含まれるサーモンオイル もおすすめです。サーモンオイルに含まれるDHAは、脳の機能を保ち認知症予防に効果があるといわれています。なぜなら、脳は6割が脂肪で構成されており、そのうちの25%がDHAだからです。

さらに、高齢期が進むと吸収率の高い栄養素を効率的にとることが必要となります。体の機能が低下していくパートナーにとってエネルギーとなる、DHAを含むオメガ3系脂肪酸は特におすすめの栄養素です。ただし、オイルで軟便や下痢をおこす子もいるので、パートナーの様子を見ながら、ごく少量からスタートしてくださいね。

生活環境

高齢期を迎えたバートナーが、家の中で足を滑らせない工夫が必要となります。フローリングであれば、専用のカーペットを敷きつめると効果的です。老犬になると思わず粗相をしてしまう場合も増えるので、頻繁に洗えるタイプの製品が良いでしょう。部分的に剥がせて滑り止め効果が高いタイルカーペット が特におすすめです。

関節ケアの記事はコチラ→シニア犬と元気に暮らす秘訣~関節編~

また、視力の低下を想定して、高齢期の早い段階で室内のインテリアを変更しないことも大切です。住み慣れた室内の配置をパートナーは感覚的に覚えるからです。壁伝いに移動する場合も考えられるので、事前に障害物となる家具はできるだけ取り除く工夫も必要となります。さらに、トイレの場所を、パートナーがよく利用する通路にもう1か所増やすのも良い方法ですね。

アイ(目)ケアの記事はコチラ→シニア犬と元気に暮らす秘訣~アイケアeye care編~

日々の暮らし

老犬との暮らしは、日々のコミュニケーションが重要なポイントとなります。眠っている時間が長くなる老犬に対して、優しく声掛けしたり、体を触ってマッサージしたりなどのスキンシップが効果的です。年を重ねるにつれ犬は分離不安が強くなる傾向が高くなります。マッサージは触れ合うことで愛情を感じることができ、耳や目の機能が衰えたパートナーの不安感を取り除く効果も期待できるのです。

介護

動物医療の進歩によって犬の寿命も延びている一方で、介護を必要とする高齢犬が増加しています。いつかはやってくるパートナーの介護に、少なからず不安を感じている方も多いでしょう。

パートナーの介護は、昼夜を問わず献身的ともいえる介護が求められます。介護の期間が長くなるほど、飼い主自身疲労が蓄積し、体調不良やストレスを悪化させることになりかねません。そうなる前に、老犬介護専門のペットシッターなどに頼りながら、日々の介護生活を過ごすことも大切です。

GREEN DOGでは、パートナーの介護の悩みや不安に専門カウンセラーが答える無料相談窓口 を開設しています。ぜひお気軽にご相談してください。

おわりに

老化のサインは、日々の暮らしの中で少しずつ現れます。毎日一緒に暮らしていると、小さなサインに気付くのは難しいともいえるのかもしれません。大切なのは、パートナーに寄り添いながら注意深く見守ってあげることです。

ご紹介した「主な老化のサイン」「老犬との生活で気をつけるべきこと」を参考に、高齢期を迎えたパートナーと豊かなシニアライフを過ごしてくださいね。

GEEN DOG相談ルーム

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監修:山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士 

監修:山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士 

現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOGへ。日々の業務ではパピーからシニア犬までさまざまなお悩みに対応しています。最近は介護やペットロスについてのご相談も増えてきました。自身も飼い主のひとりとして一緒に悩み考えることで研鑽を積んでいます。
監修:山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士 

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