2017.02.02介護

【犬との暮らし】 シニア犬と暮らす 4 ~老犬(シニア犬)のトレーニング

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老犬(シニア犬)のトレーニング

ドッグトレーニングインストラクターの三井です。私が執筆する「シニア犬と暮らす」も今回が最終回。

スコット(シベリアン・ハスキー)を見送ったその年にやってきたボーダーコリークリスは2歳で母となり、我が家ではクリスとその子供たちニキーとハンス3頭との賑やかな暮らしが始まりました。

ニキーは早くに悪性の乳腺腫瘍が見つかり、その後1年間、抗がん剤の治療をしながら頑張ってきましたが、11歳目前で旅立つというちょっと早いお別れになってしまいました。そしてその頃から、少しずつクリスやハンスにもシニアの兆しが見え始めてきたのです。

今回はシニア犬の毎日やシニア犬になってからのトレーニングについて、リハビリテーションタイムの動画とともにお届けします。

犬も精神的なダメージには弱い?

犬の精神的なダメージ

ニキーが逝ってしまって少しすると、弟のハンスにいろいろと不調が出始めます。

朝の散歩でボール遊びをしていた時、右足を上げたまま突然固まって動けなくなりました。

とりあえず抱いて家に戻り様子を見ていたのですが、いつもなら喜んで食べるごはんも口にせず、丸くなって小刻みに震えています。あわてて動物病院に連れて行くと変形性脊椎症と診断されました。背骨に小さい突起(骨のとげ)がいくつも出来ていました。そこでしばらくは安静にして投薬を続けることになりました。

幸い数日後にはいつもどおりの日常生活が送れるようになりましたが、ときおり痛みが出ると散歩の途中で一歩も歩かなくなるので、抱いて帰ってこなくてはなりませんでした。

母クリスは元々しっかり者で、子供たちにも常に威厳を持って接していたので、ニキーの不在に対して目に見える大きなダメージはありませんでしたが、ハンスはいつもニキーの存在を気にしていたので、彼女がいなくなったことが精神的なダメージとなって、体の不調となって表れてきたのかも知れません。脊椎の変形は当然治らないのですが、半年ほど経つと、まったく症状が出なくなりました。ニキーのいない生活に慣れてきたのかもしれません。

心臓にも寿命があるの?

しっかり者のクリスとは言え、14歳を目前にした頃から、以前より再発を繰り返していた脂肪腫が悪化したり、心臓発作を起こして公園で倒れてしまったりと、少しずつ老いの兆しが見え隠れするようになってきます。

ある日突然、さっきまで普通にしていたのに、急に全身が脱力してベンチから滑り落ちて立ち上がれなくなりました。声をかけても反応は無く、歯茎が白くなって小刻みに震える。そんな様子を見たらどんな飼い主も平静ではいられないでしょう。幸いその時周囲にいた友人たちが手を貸してくれたので動物病院にすぐ運び込むことが出来ましたが、シニア犬との暮らしの中にはこんなことも覚悟していないといけないんですね。

心臓発作はその後も何度かクリスを襲いましたが、投薬を続けているので大事に至ることはありませんでしたし、何回か経験するうちにこちらも慣れてきて、14歳を目前にしたハンスに同じような症状が見られた時は落ち着いて対応することが出来ました。さすが母子、同じころに心臓発作を起こしたのを見て、心臓の寿命が残り少なくなってきたことを教えるアラームのようだと感じました。

出来るだけ自分で出来るように

老犬も出来るだけ自分で

あちこちガタが出始めたシニア犬たちですが、ひどく暑い日や寒い日以外はお散歩にも連れて行き、出来るだけ自力で頑張ってもらうことにしました。

もちろん発作の後や、シニア期になってから頻繁に見られるようになった不調で介助が必要な時以外は、かつてスコットが私の手を振り払って自力で歩こうとしていたことを思い出し、なるべく手を出さないようにしました。坂道や階段も元気なうちはなるべく自力で歩いてもらいました。

ただ当然のことながら若い頃に比べると疲れやすくなっているので、行きは自力で元気に歩いていても、帰るころには一歩も足が前に出ないこともあります。そこで、晩年の散歩はかならずカートを押していきました。途中で歩けなくなったらいつでも乗って帰れるようにと保険をかけたのです。
歳を取ってからは足腰に負担にならないように体重制限をしていましたが、それでも15キロ以上の犬を抱いて長距離を歩くのは至難の業ですから。

トイレは部屋で

トイレは部屋で

クリスは出産の前後でひどくお腹を壊したことがあり、その時夜中でもトイレに連れて行かなければいけないことを経験してからは、部屋の中でもトイレシーツを敷けばトイレが出来るようにとトイレトレーニングを再度やり直しました。それが幸いして、晩年急にトイレに行きたくなっても間に合わないで粗相してしまうということを避けることが出来ました。

しかしもともと日中トイレが間に合わないことに気づいたのは、クリスがとったびっくりする行動からでした。

私の部屋は三階建ての最上階で屋上に行く階段が付いており、階段への扉はいつも開けていました。毎日必ず屋上に上がるわけではないのですが、ある日屋上に上がった時、扉の前が濡れていることに気づきました。一瞬「雨漏り?」と思ったのですが、よくよく見ると色が付いています。つまり、クリスは日中トイレに行きたくなったが部屋にトイレシーツは無く、部屋の中で粗相をしてはいけないと思い、屋上への出口まで行き、仕方なくそこで済ませて戻ってきていたらしいのです。

しかしよくよく考えると、屋上への階段は狭く急なので、足腰が不安なクリスに行き来はしてもらいたくありません。そこで、屋上に行く階段にヒトの赤ちゃん用のゲートを付け、部屋にトイレシーツを置いて出かけるようにしたところ、ちゃんと室内のトイレシーツで済ませてくれるようになったのです。歳を取ると犬も頑固になるので、急に習慣を変えるのは難しいもの。若いうちから室内トイレの練習をしておいた方が楽かもしれませんね。

シニアのトイレトレーニングについて詳しく読む→シニアになったら知っておきたい、やっておきたい「トレーニング」

老犬(シニア犬)にも刺激は大切

老犬(シニア犬)の刺激

クリスが我が家にやってきたときから、朝夕の散歩で遊びを混ぜながらトレーニングをするのは日課でした。これは訓練競技を引退した後も続き、ドッグダンスを始めてからは更に新しいトリックを教えていました。

精度はかなり落ちてきていましたが、13歳までは現役で踊っていたので、散歩では必ずルーティーンの練習をするようにしていました。もちろん大好きなボール遊びも忘れません。

ハンスはクリスよりも早くに耳が遠くなってしまいましたが、ハンドシグナルを使うことで、こちらの指示も理解できたので、ドッグダンスのデモを手伝ってくれたりしていました。

そのせいかどうかはわかりませんが、クリスもハンスも旅立つ数日前までは自力で動いてくれたので、寝たきりの介護はわずか数日間でした。

ハンス14歳8ヵ月、朝のリハビリテーションタイムの動画をご覧ください。

おわりに

子犬の頃からずっと見てきた愛犬たちも、気づけばすっかり白髪になって、以前のように走って来てくれなくなってしまっても、彼らと過ごした一瞬一瞬は大切な想い出となって残っています。昔のように表情が豊かでなくなっても、言いたいことは痛いほどわかる。そんな関係になれれば、いつか来るお別れの日にも悔いなく見送れるのではないでしょうか。みなさんもぜひ、パートナーとの一日一日を大切にたくさんの幸せな時間を共有してくださいね。

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三井 惇(みつい じゅん) CPDT-KA、ドッグトレーナー/ドッグダンスインストラクター、ホリスティックケア・カウンセラー

三井 惇(みつい じゅん) CPDT-KA、ドッグトレーナー/ドッグダンスインストラクター、ホリスティックケア・カウンセラー

1997年に迎えたボーダーコリーと始めたオビディエンス(服従訓練)をきっかけ に、犬の行動学や学習理論を学び、2006年WanByWanを立ち上げる。愛犬の出産、子育て、介護と様々な場面でも多くを学び、愛犬のQOLの向上を目指して2008年にホリスティックカウンセラーの資格を取得。2016年自身のトレーニング方法を再確認するために世界基準のドッグトレーナー資格CPDT-KAを取得。現在、4頭目と5頭目のボーダーコリーとドッグダンスの楽しさを広めながら、東京近県で出張レッスンを行っている。
三井 惇(みつい じゅん) CPDT-KA、ドッグトレーナー/ドッグダンスインストラクター、ホリスティックケア・カウンセラー

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