2017.05.11老犬の食事

犬の後ろ足に老化現象!犬の老化防止に役立つ食事ケア~関節編

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健康寿命という言葉をご存知でしょうか? 簡単にいうと、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。寝たきりではなく、QOLquality of life。クオリティ・オブ・ライフ。生活の質)の高い人生(犬生)をパートナーに送らせてあげたいですね。健脚な老犬ライフを送るための食事のケアについて、GREEN DOGのカウンセラー・日笠がお届けします。

犬の関節の老化現象とは

人間と同じく、犬も、若いときは当たり前にできていたことが、加齢に伴って少しずつできなくなってきます。老犬では約80%が後ろ足から弱ってくると言われています。骨、筋肉、関節などから成り立っている運動器が衰えてくると、痛みや違和感から少しずつ動かしたくなくなるもの。しかし動かさないと徐々に機能が低下し、立ったり、歩いたりする動きが減ってきます。さらに進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。

逆にいうと運動器を長持ちさせ、健康寿命を延ばしていくことは愛犬にとっても、飼い主にとってもメリットが大きいといえます。寝たきりの介護、排泄の介助、歩行補助などは、やはり手間や腕力、経費や時間がかかります。また愛犬にとっても、自分の思い通りに身体を動かせなかったり、動かすたびに痛みを感じたり、今までできていたことができなくなったりすることはストレスを感じやすくなります。将来的な覚悟も必要ではありますが、できることならいつまでも愛犬には笑顔で元気に動けるようにあってほしいと願うのが親心ではないでしょうか。

とはいうものの、犬の身体は、年齢を重ねるにしたがい、少しずつ変化していきます。歩くスピードが遅くなった、長い距離の散歩を嫌がるようになった、階段の上り下りが辛そうになったなどは、シニア犬のオーナーさんが気づきやすい愛犬の変化です。


運動器は筋肉関節から成り立っていますが、加齢にともなって軟骨がすり減り、関節に炎症が起こったり、痛みが出たりする老齢性の変形性関節症は、犬の関節症の中で一番多い病気と言われています。また関節以外にも、神経痛や椎間板ヘルニアなどの病気から、動きが不調になることもあります。

歩き方や座り方が今までと違ったり、四肢に触られるのを嫌がるようになったり。そうした愛犬のサインにいち早く気づいて対策を練ることは、健康寿命を延ばすことにもつながります。少しでも愛犬の様子に違和感があれば、動物病院を受診するようにしましょう。

パートナーは大丈夫?動き方をチェック

パートナーの歩き方をチェックしよう

パートナーの歩き方をチェックしよう

単なる老化現象ではなく、病気やケガのせいで、歩き方、動き方に異変が起きることもあります。「もう年だから」と自己判断するのではなく、獣医さんに判断してもらうことが大切です。チェックが1つ以上の場合には、まずは動物病院を受診しましょう。

ココをチェック注目

 足を引きずるようになった
 ふらつくようになった
 前かがみで歩く
 片足をあげたまま立つようになった
 つまづくことが多くなった

犬の足をサポートする4つのポイント

それでは毎日の生活の中で、飼い主ができる、シニア・パートナーのための関節のためのケアについて紹介します。

骨や関節に必要な栄養素をしっかり摂る

軟骨保護成分であるグルコサミンとコンドロイチンやヒアルロン酸、骨や軟骨の形成に欠かせないコラーゲンは、もとは体内で合成されるものですが、加齢とともに産生が減ってきます。またビタミンCはコラーゲンの合成を助けるだけでなく、抗酸化栄養素の1つなので、老化予防の観点からもおすすめ。また魚油に多く含まれるオメガ3脂肪酸は炎症を抑える働きがあるので、関節炎の場合にも積極的に摂りたい栄養素の1つです。よって、グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、コラーゲン、ビタミンC、オメガ3脂肪酸を、食事やサプリメントで補給するよう意識してみましょう。

普段の運動で筋力をつける

老犬になっても運動は必要。なぜかと言うと、歩いたり立ったりすることは関節だけでは成り立たず、筋肉が非常に重要だからです。でも、残念ながら年をとってから筋力を鍛えるのは難しいものです。若いうちから適度に運動して筋肉を育てておくことは、年をとって運動量が減ってきても筋肉が落ちるスピードは遅く、元気に長く歩くことにつながります。愛犬のペースで取り組めるよう、個体差や体調をみながら散歩コースや時間を考えてみましょう。

老犬の運動管理の記事はコチラ→シニア犬(老犬)の生活 ~シニア犬に必要な「運動/散歩」と「遊び」のコツ 心と身体の健康のために~

関節に負担がかからないように体重管理をする

体重が重く、関節に負担をかけると、関節部の痛みや違和感を感じるようになります。さらにそれらの不快感から運動量・行動量が減少すると、さらなる体重増加につながるといった悪循環な流れができてしまいます。パートナーの体重管理、つまり食事管理と運動管理ができるのは、犬本人ではなく、飼い主だけ。ついおやつをあげたくなっても、心を鬼にすることも必要です。

ダイエットに関する記事はコチラ→犬のダイエット方法~食事・おやつ編

環境を整える

 滑りにくい床にする
フローリングの室内飼いが増えたことも関節疾患が多くなった原因のひとつです。滑り止めマットなどを活用しましょう。

 ごはんの器の髙さを調整
うつむいて食事し続けることは、シニア犬の身体には負担です。適度な高さの台を利用するようにしましょう。

老犬の足・関節をサポートする食事ケア

パートナーにベストな栄養素を探そう

パートナーにベストな栄養素を探そう

上記で骨や関節に必要な栄養素を摂ることの大切さについて述べましたが、近年では便利に利用できる高機能な愛犬用の商品がいろいろ市販されています。参考までにいくつか例をあげてみます。ただ、このほかにもいろいろなものがあります。パートナーの好みや体調に合わせて、よりベストなものを探してみてくださいね。

おすすめの素材

 緑イ貝(グリーンマッスル)
関節の健康を促進すると考えられているグルコサミノグリカンが豊富で、長期間食べ続けても副作用が出にくい緑イ貝(グリーンマッスル)。炎症や痛みの軽減に役立つことがわかっていることから動物病院でも勧める獣医さんが増えてきました。

 サメ軟骨
サメ軟骨にはコンドロイチンやコラーゲンが含まれています。また、ガンの抑制効果が高いことがわかっているので、シニア犬にはとくにおすすめです。

 コラーゲン
手羽中手羽先、鶏ガラ、豚骨、牛骨などにはコラーゲンが豊富に含まれています。コラーゲンは熱を加えると溶ける性質を持っているため、骨付き肉を煮込む場合は煮汁のスープも一緒に与えましょう。

フードを選ぶポイント

主食のフードそのものから、関節ケアや体重管理ができるものに変えてみるというのは、毎日の生活に取り入れやすい方法です。シニア犬にとって関節の問題は身近なトラブルであることから、グルコサミンコンドロイチンなどが含まれるフードや療法食をよく見るようになりました。また関節以外の持病はなく、体重増加が気になる場合は、カロリーを抑えつつ、タンパク質はしっかり補えるようなフードを選ぶようにしましょう。

サプリメントを上手に活用

愛犬の状態によっては、フードに含まれるグルコサミンやコンドロイチンなどの栄養素だけでは足りない場合もあります。その場合は、関節ケアに特化したサプリメントを活用します。前章で紹介した栄養素の他、一般的なグルコサミンより体内利用率が3倍のN-アセチルグルコサミン抗炎症作用があることで有名なハーブ(ボスウェリアやユッカなど)を含んだものなど、一般では手に入りにくいものが含まれているサプリメントもあります。

おわりに

シニア犬に多い関節疾患ですが、日頃の食事と適度な運動で、適切な栄養管理と体重管理をすることで、予防したり進行を遅らせたりすることは可能です。だから「もう年だから仕方がない」と諦めないでください。歩き方や座る動作などで気になる変化がみられたら、まずは獣医師の診察を受け、そして早めに家庭でできるケアから始めていきましょう。また関節がらみの病気は進行性の病気が多いです。定期的に獣医師の診察を受けるように心がけましょう。

取材・ライティング:白石 花絵(しらいし かえ)/ドッグジャーナリスト

GEEN DOG相談ルーム

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監修:日笠 克枝(ひがさ かつえ)ホリスティックケア・カウンセラー 、ペットマッサージセラピスト、愛玩動物飼養管理士1級 

監修:日笠 克枝(ひがさ かつえ)ホリスティックケア・カウンセラー 、ペットマッサージセラピスト、愛玩動物飼養管理士1級 

ドッグライフカウンセラー 動物関連専門学校を卒業後、福祉関係の仕事を経てGREEN DOGへ。チーフカウンセラーとしてこれまで1000件以上の犬の健康・食事・しつけの相談を行う。現在はシニアカウンセラーとして相談を行うほか、専門学校での特別講義やセミナーなどでの講師としても活躍中。
監修:日笠 克枝(ひがさ かつえ)ホリスティックケア・カウンセラー 、ペットマッサージセラピスト、愛玩動物飼養管理士1級 

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