2017.05.29老犬の食事

犬の老化現象は何歳から?症状と老化防止に役立つ食事ケア 食べない編

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だんだん年齢を重ねてきたパートナーが「最近わがままになってきた」と感じたことはありませんか。クッキーやジャーキーのようなオヤツは食べるのに、ドライフード(主食)を食べてくれないと聞くことがあります。大好きなものは食べるけど、肝心のごはん(主食)を食べてくれない、食べることを以前にように楽しみにしていない姿をみると心配になります。

当然オヤツだけでは栄養バランスを崩します。栄養不足は体の正常な機能が失われることになるため、パートナーができるだけすすんで食べてくれるように工夫することが大切です。でも、食べてくれないパートナーに対してどのようなケアをすればよいのでしょうか。GREEN DOGのカウンセラー・山本が数々のカウンセリング経験の中から解説します。

老化による“たべない”とは

「シニア期は何歳からか」については犬種差や個体差がありますが、一般型犬は10歳、大型犬は8歳以上を高齢犬(シニア犬、老犬)と呼びます。高齢犬になると、運動量がぐんと減り、寝ている時間が増えてきます。この頃は胃酸が若いときほど活発に分泌されなくなるなど、胃腸の働きも低下してきて、食欲不振のほか、軟便や便秘になったり、食後に食べたものを吐き戻すなど、これまでにはなかった現象がみられることがあります。

これまでは食べることが一番の楽しみだったのに、朝ごはんを食べない。目の前にあるフードに反応しない。昨日は喜んで食べていたのに、今日はまったく見向きもしないなんてことも。パートナーが食べてくれるかどうか一喜一憂しながら、どうしたらよいかと悩まれている方は多いのです。

食べない理由は何?

     歯周病(固形物が食べられない)
       食器の高さが合わない(足や首が曲げにくくなったため)
       代謝低下で食が細くなった
         胃腸の衰えにより、これまでのフードが合わなくなった
           甘えや要求の増加
             嗅覚、視覚の衰え(食べ物を認識できない)
               ストレスによる食欲低下

              胃腸をいたわる

              老犬には食事の工夫が必要

              パートナーもヒトと同じで年齢とともに内臓の働きが衰えてきます。たとえば胃酸の分泌など胃腸が弱ってきて食べ物を消化するのに時間がかかったり、腸内環境も若い頃より悪化しやすくなります。胃腸の働きが不十分だと肝臓、腎臓にも負担がかかります。高齢犬の内臓を労わって健康維持ができるよう消化に良い食事を意識しましょう。パートナーによっては体質に合ったサプリメントを利用して消化吸収のサポートをしてあげたほうが良い場合があります。

              胃腸が衰えてきた高齢犬に必要なこと

               消化にいいもの
              たとえばドライフードが主食の場合、粒を細かく砕き、ふやかしてから与えるというひと手間を加えることがおすすめです。また、一度に与える量を減らして、回数を多く与えること(少量を頻回与える)も内臓にやさしい食べ方です。高齢犬用や胃腸の働きに配慮したフードなら、消化吸収の負担が少なく、お腹の健康にも配慮されています。

               良質なたんぱく質
              最新の栄養学では、シニア期も活動期と同じくらいのたんぱく質量が必要だと言われています。犬にとって一番消化が得意なのは肉であり、肉には犬にとって必要な栄養素も豊富です。胃腸が弱ってくると脂肪分の消化が苦手になるため、手づくり食やトッピングに脂肪分が少なめの良質な肉(たとえば鹿肉や馬肉など)を選んではいかがでしょう。

               水分も一緒に摂れるもの
              高齢犬は、喉の渇きにも鈍くなり、自分から水を飲むことが少なくなってきます。そんな時はドライフードだけでなく、茹でた肉、野菜、またはウェットフードなど水分を一緒に摂れるものをトッピングします。水分豊富な食事は喉を通りやすいため、食が進むという効果も期待できます。

              食べない高齢犬におすすめの工夫

              パートナーによって嗜好性はさまざま

              食べない理由がわがままや気まぐれが原因だったとしても、体力がないシニア期のパートナーの場合は、やはり心配ですね。フードを食べなくなった犬にどんな食事を用意してあげたらよいのでしょう。老犬でも、食いつきがよくなったり、少しでも食べるようになったという工夫について、実際にカウンセリングした中から評判がよかったものをいくつか紹介してみます。

              トッピング用

              犬にとって嗜好性の高い匂いで消化にもやさしく、貴重な栄養素もたっぷり。草食動物の胃であるグリーントライプ はトッピング素材として人気です。

              また、いつものごはんに、温かいスープ ミルク をかけてあげると香りがたち、嗅覚の衰えた犬でも食欲のスイッチが入りやすくなります。ただしドライフードの場合は熱に弱い栄養素が壊れる心配がありますので、少し冷ましてからかけてください。

              ウェットフード

              これまでと嗜好性が変わり、おじや風の柔らかいご飯 ならよく食べてくれるという飼い主さんの声は多いです。ドライフードとは違う風味や触感が気に入ったり、喉につかえなくて食べやすかったりする点が良いようです。

              味に飽きやすいようなら、小さいサイズの缶フード を数種類揃えておくのもおすすめです。日替わりで味を変えると、飽きずに食べ続けることができるということをよく聞きます。小さいサイズの缶フードでも小食な小型犬など一度に食べきれない場合もありますが、そのときは残りのウェットフードを1回分ずつ小分けして冷凍保存すると便利です。

              匂いをたたせる

              肉を油で炒めるとその香ばしい匂いに食欲が出てくることがあります。嗅覚を刺激する工夫は効果があります。脂肪が少ない鹿肉 は栄養価が高いのでおすすめです。

              サプリメント

              消化が苦手になってきたパートナーには消化酵素 をごはんと一緒に与えてみましょう。おなかの調子が整うことで、以前のような元気や食欲が戻ってくる場合があります。

              食事介助が必要な場合はコチラ→寝たきりの愛犬のために。シニア犬(老犬)の食事介助の手順とコツ

              おわりに

              パートナーの老化を止めることはできませんが少しでも遅らせることは可能です。まずは必要な栄養素がなければ体の機能を正常に維持することが難しくなり、たとえサプリメントを与えても栄養の土台がなければうまく働いてくれないのです。パートナーがごはんを食べない場合は、何が原因なのかをしっかり観察し、少しでも食べてくれるよう工夫しましょう。

              高齢期は観察力やケアが必要、これまで以上に愛情をそそぐべきライフステージといえます。みなさんもパートナーが食事を楽しみになる工夫などで、ぜひ老化防止のサポートをしてくださいね。かけがえのない愛おしい毎日を1日でも長くお過ごしください。

              取材・ライティング:白石 花絵(しらいし かえ)/ドッグジャーナリスト

              GEEN DOG相談ルーム

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              監修:山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士 

              監修:山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士 

              現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOGへ。日々の業務ではパピーからシニア犬までさまざまなお悩みに対応しています。最近は介護やペットロスについてのご相談も増えてきました。自身も飼い主のひとりとして一緒に悩み考えることで研鑽を積んでいます。
              監修:山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士 

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