獣医皮膚科認定医にきく!~食物アレルギーに向き合う全てのひとに~

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獣医皮膚科認定医にきく!~食物アレルギーに向き合う全てのひとに~
獣医皮膚科認定医にきく!~食物アレルギーに向き合う全てのひとに~
お話ししてくださったのは...
川野浩志 先生

川野 浩志 先生
プリモ動物病院 練馬 院長
動物アレルギー医療センター (Animal Allergy Medical Center:AAMC) センター長
日本獣医皮膚科学会 認定医

アレルギーとは?

GREEN DOG(以下、GD):そもそも、アレルギーって何ですか?

川野先生:はじめに、「アトピー」と「アレルギー」は何が違うのか?を理解しておくことが大切です。アトピーとは"体内でIgE(*)という特殊物質を産生する異常な体質"を指します。つまり、単に体質のことを指しているのであり、症状が出ているかどうかは関係ありません。もしIgEが高く出る体質でも、かゆみや赤みなどの具体的な症状がでていなければ、"アトピーというアレルギーの素因を持っている"という表現になります。逆にIgEが高く出る体質で、しかも何らかの具体的な症状が出ている場合は、「アレルギー」であると表現されます。

アレルギー

*IgE...免疫グロブリンEの略称。特定のタンパク質(=アレルゲン)に反応して細胞内でヒスタミンなどの放出を行い、結果として炎症反応を促進することのある物質。

GD:なるほど、アトピーの素質があって、かつそれが目に見えて出てきた場合がアレルギーということですね。つぎに、犬や猫のアレルギーについて詳しく教えてください。

川野先生:パートナーの皮膚のお悩みで多いのがアトピー性皮膚炎です。これは皮膚に赤みや黒ずみ、痒みなどの症状が出ることが一般的で、その原因物質(=アレルゲン=痒みの原因となるもの)として最も多くみられるのが環境由来のダニやカビ、花粉などです。
パートナーが健康であれば、花粉などの原因物質(=アレルゲン)が体内に侵入してもそれは無害なものとして処理されますのでIgE(=アレルゲンを攻撃するもの)は作られません。しかし、パートナーが原因物質に過剰反応しやすい素質(=アトピーというアレルギーの素因)であれば、原因物質が体内に侵入しつづけた場合に体を守ろうとする機能が働き、アレルゲンを攻撃する準備としてIgEが体内で作られます。そうして次に原因物質が体内に侵入した時には、IgEと原因物質が反応し、皮膚の痒みや炎症につながってしまうのです。この一連の流れは食物アレルギーの場合も同じであり、アレルギーの原因物質(=アレルゲン)が食べ物となること、そして、それを食べることによって体内でIgEが準備・放出されて、皮膚の赤みや痒みといった症状につながります。

①アレルゲンが体内に侵入⇒②アレルゲンに反応し体内でIgEが産生される⇒③再度アレルゲンが侵入するとIgEと反応しヒスタミンなど痒みの物質が放出される⇒④痒みや赤み発生!!

GD:ということは、オーナー様としては、なにかしらの食べ物をパートナーに与えた時に皮膚に炎症等がでてきたら、食物アレルギーを疑うべきということでしょうか?

川野先生:そうですね。ただし、食べてすぐに症状が出るかというとそうではないので、注意が必要です。食物アレルギーは大きく2つに分けられるのですが、そのひとつがIgEが関与したタイプの「Ⅰ型過敏症」というもので、こちらは食べてすぐに発症するのが特徴です。そしてもうひとつが、主にリンパ球の一種であるT細胞の活性化を特徴とする、IgEが関与しないタイプの「Ⅳ型過敏症」というもので、こちらは食べてから数時間以上たってから発症するのが特徴です。

GD:すぐに症状が出ない場合もあるのですね。

川野先生:そうです。ちなみに、ヒトの場合は食べてすぐに発症する「Ⅰ型過敏症」が一般的ですが、犬の場合はアレルゲンを摂取して数時間以上経ってから症状が出る「Ⅳ型過敏症」が多いといわれています。 それから、食物アレルギーの症状については、細かく注意していただきたいことがあります。食物アレルギーは多くの場合、皮膚に症状が出てくるのですが、実は消化器にも同時に症状が出ているケースが少なくありません。ある報告によると、食物アレルギーで皮膚に症状が出たパートナーのじつに60%が消化器でも発症し、下痢や嘔吐を併発しているといわれています。

GD:皮膚だけでなく、消化器にも影響が出るなんてこわいですね。どういうことに注意すればよいのでしょうか?

川野先生:なにか違和感を覚えたら、まずはしっかりとパートナーを観察していただくことが第一です。例えば、皮膚や消化器に症状が出ると、具体的には目や口の周囲、あるいは背中や肛門などに炎症や通年性のかゆみが出ることが多いように思います。そういったパートナーからの信号を見逃さないことが大切ですね。
また、犬のアトピー性皮膚炎は生後2~3歳齢のときに発症することが多いのですが、食物アレルギーは1歳未満で発症することが多いというのも念頭においておくといいかもしれません。あとは、原因となる食べ物(=アレルゲン)はタンパク質または炭水化物であることが多いというのもありますが、これだけでは原因食材が無数に挙げられることになります。どちらにせよ、観察によって「どの食べ物が原因なのか?」をオーナー様と獣医師とが協力して、しっかりとたぐりよせることが重要になります。

GD:食物アレルギーに向き合うには、根気強い観察が大切なのですね。

食物アレルギーの対処法について

川野先生:それでは、食物アレルギーの診断についてお話ししましょう。食物アレルギーであるかどうかを見定めるうえでは、2つの試験を重ねる黄金パターンがあります。
方法は次のとおりです。まず「除去食試験」といわれる試験を行います。これは、"アレルギー反応を起こす可能性の低いフードを3~6週間与えることでかゆみが改善するか?"を確認し、食べても問題ないものを探し出すものです。パートナーに症状が出ない食品が見つかったら、今度は「食物負荷試験」といわれる試験を行います。ここでは逆に、"原因となっているフードを与えてみて、かゆみ等の症状が再発するか?"を確認します。少しかわいそうな気持ちにもなりますが、こうすることで食物アレルギーであるかどうかはっきり診断することができ、その後の対処の仕方も明確に定めていくことができるのです (注意:食物負荷試験をすることによって過剰な免疫反応が生じる可能性があります。必ずホームドクターの指示に従って行ってください)

食物アレルギーの診断

GD:食物アレルギーかどうかをまずは明確に見定めた上で、対策を講じていくのですね。

珍しいタンパク源を使ったフード

川野先生:そうですね。「除去食試験」については、試験というよりも食事の方針として取り入れている方も少なくないように思います。しかし、よくある誤解として「ラム肉=低アレルギーだから大丈夫」というような、根拠のない解釈に従って除去食を取り入れている場合があるので、そこは一度考え直してみてほしいと思います。具体的にいうと、アレルギー反応を起こす可能性の低いフードというのはこれまでに一度も食べたことがないタンパク質を使ったフードということですので、ワニ、ウサギ、ダチョウなどの珍しいタンパク源を使ったフードは"低アレルギー食"になる可能性が高いのですが、必ずしもすべてのパートナーにとって問題がないとは言い切れません。そのため、ワニやウサギ、ダチョウなどの珍しいタンパク源のフードを3~6週間与えて問題がなければ、ホームドクターにご相談の上で、以前食べていたフードを与えてみて(=食物負荷試験)、パートナーにどんな食事がよいかを検討していただきたいと思います。

GD:なるほど、珍しいタンパク源のフードを上手に活用することで、よりパートナーの体質に合った食事えらびができるんですね。

川野先生:他にも、獣医師にご相談いただければ、アレルゲン検査キットでお調べすることも可能です。その場合は検査対象などによって金額や内容も変わってきますのでご相談ください。

最後に、わたしたちにできること

皮膚病の場合、一番の主治医は毎日様子を観察しているオーナーのみなさんであり、定期的に通うショップやサロンのグルーマーさん・トリマーさんです。

川野先生: ヒトのアトピー性皮膚炎が増加傾向にあると言われていますが、犬・猫でも同様に、アレルギー性皮膚疾患が増加傾向にあります。背景には、家電製品の普及によって室内温度が快適に保たれるようになったほか、食品添加物の多用や大気汚染、地球温暖化など、さまざまな要因が関与していると推測されます。大切なのは、今目の前にいるパートナーをよく観察すること、そして、ホームドクターの診断・治療のみならず、GREEN DOGのように身近なサロンやショップを大いに活用することです。皮膚病の場合、一番の主治医は毎日様子を観察しているオーナーのみなさんであり、定期的に通うショップやサロンのグルーマーさん・トリマーさんです。辛いかゆみに耐えるパートナーの負担を少しでも減らすために、それぞれの立場で強みを生かし、力を合わせて、パートナーにしてあげられることを積み重ねていきたいですね。

川野先生もおすすめ!GREEN DOGの低アレルギーフードはこちらをチェック!

協力
川野浩志 先生

川野 浩志 先生
プリモ動物病院 練馬 院長
動物アレルギー医療センター (Animal Allergy Medical Center:AAMC) センター長
日本獣医皮膚科学会 認定医

プリモ動物病院練馬 動物アレルギー医療センター(Animal Allergy Medical Center:AAMC)

住所:東京都練馬区石神井町1丁目28-7

電話:03-6913-3361

http://nerima.jprpet.com/

プリモ動物病院練馬 動物アレルギー医療センターイメージ

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