シニア犬(老犬)の生活 ~寝たきりになったパートナーのために。 清潔を保つ工夫と、床ずれ予防~

パートナー(愛 犬)が寝たきりになると、今まで以上にお世話に時間や労力がかかります。パートナーの排泄や食事のお世話はもちろん、体を清潔に保ってあげることと床ずれをつくらせないことも忘れてはいけません。ただ、1日でも長くパートナーと幸せな時を過ごすためには、オーナー様が疲れてしまわないことも大切です。お世話が少しでも楽になるように工夫して、便利なグッズも使ってみましましょう。時には訪問サービスや動物病院でのお預かりなどを利用し、人の手を借りるのもいいと思います。気負いすぎずに、ゆったりとした気持ちで介護をしていきましょう。

パートナーを清潔に保つ工夫

寝たきりであったりおむつを付けていたりすると、パートナーのお尻や陰部が汚れがちです。そのまま放置すると毛に汚物がこびりついて落ちにくくなりますし皮膚病の原因にもなりますので、常にパートナーの体を清潔に保つようにしましょう。

汚れにくくする

お尻の毛をカットしておく

お尻の毛をカットしてお

肛門の辺りを内側から外側に向かって、バリカンで毛を剃ります。毛の長さは肛門がはっきり見えるくらい短くします。お尻周りの毛がとても長いパートナーなら、短くふわりとカットしてあげると衛生状態を保ちやすくなります。

しっぽを包帯でガードする

しっぽを包帯でガードする

しっぽがふさふさのパートナーなら、毛に直接汚れが付きにくくなるように包帯でガードするのも手です。しっぽの付け根から先端に向かって、らせん状に包帯を巻いていきます。このときに強く締めすぎるとしっぽの血流を障害しますので、優しく張りを持たせながら巻きます。伸縮性があって包帯同士が粘着するタイプのものだとずれにくく、且つ、巻き直しや取り外しが簡単にできます。また、汚れたときに包帯を取り換えるだけなのでおすすめです。

おすすめ商品

ペットフレックス(伸縮包帯) スマイルプリント

グリーンドッグ厳選

ペットフレックス(伸縮包帯) スマイルプリント

重ねて巻けば、ぴたっとくっつく。スマイルプリントがかわいい、ストレッチ素材の包帯。

ペットフレックス(伸縮包帯) 足あとプリント

グリーンドッグ厳選

ペットフレックス(伸縮包帯) 足あとプリント

重ねて巻けば、ぴたっとくっつく。足あとプリントがかわいい、ストレッチ素材の包帯。

ペットフレックス(伸縮包帯)

グリーンドッグ厳選

ペットフレックス(伸縮包帯)

重ねて巻けば、ぴたっとくっつく。ストレッチ素材のカラフルな包帯。

こまめに汚れを落とす

蒸しタオルやウェットティッシュを活用する

蒸しタオルやウェットティッシュを活用する-

汚れたらこまめにふいてあげましょう。毛の流れにそって拭くと、汚れが取れやすいです。また寝ているだけでも体は皮脂で汚れますので、定期的に全身を蒸しタオルで拭いてあげるといいでしょう。濡れたままだと体は冷えますので、仕上げに乾いたタオルを押し当てて水気をとります。広範囲のウンチ汚れは拭くだけでは取れにくいので、部分浴がおすすめです。

蒸しタオルの作り方

  1. ①タオルを40℃程度のお湯に浸して軽く絞ります。
  2. ②左右の手にパタパタと順番に載せて、粗熱をとります。
  3. ③自分の内腕に当てて、熱すぎないか確かめます。

おすすめ商品

ウェットティッシュ

グリーンドッグ厳選

ウェットティッシュ

ノンアルコールだからパートナーが舐めても安心。

部分浴

部分浴

全身浴は体力が衰えているパートナーには負担が大きいので、部分浴をメインに行います。洗う時間と乾かす時間が短縮できます。

部分浴の方法

浴室にすのこを敷きます。このとき、10~15cm程の高さの発砲スチロールやブロックで傾斜をつけてから、その上にパートナーを寝かせます。
お湯や汚物はこの隙間を通って下に流れ落ちるので、汚れた湯水が再び体にかかることが避けられます。
またパートナーの汚れた部分だけを洗うことができるので、毛を濡らす範囲を少なくすることもできます。移動がなかなか難しい場合は小型犬なら、ベッドに厚手のトイレシーツやバスタオルを敷いて、たらいのお湯を手で掛けながら洗うのもいいでしょう。

水なしシャンプーを活用

低刺激のものを使って優しくなじませて洗います。ごしごし洗いは皮膚を傷めるので厳禁です。シャンプーのようなすすぎをしなくてもいいので、体を冷やす心配がありません。 最後は乾いたタオルで泡と汚れを拭き取ります。

おすすめ商品

PANA-ZOO(パナ・ズー) オールケアムース(水のいらないムースシャンプー)

グリーンドッグ厳選

PANA-ZOO(パナ・ズー) オールケアムース(水のいらないムースシャンプー)

水を使わず汚れが気になる部分になじませて拭くだけで、ニオイも汚れもスッキリ落とすシャンプー。泡状になるので使いやすい。

床ずれ予防

人と同じように、寝たきりのパートナーの介護では床ずれ(褥(じょく)瘡(そう))の予防が優先課題です。

同じ姿勢で寝ていると、床と接触している皮膚に体重がかかって圧迫され続け、その部分の血流が悪くなり皮膚表面の組織が壊死してしまいます。圧迫以外にも、皮膚の蒸れ(おむつや尿、毛のドライ不足による湿潤)、栄養不良による痩せすぎや皮膚の衰耗、移動させるときの摩擦なども間接的な原因になります。

床ずれは次のように進行します。

  • ①寝床に当たっている部分の毛が折れたり、薄くなっていたりします。
  • ②毛が薄くなっている部分が赤くなってきます。
  • ③皮膚が薄くなり、水ぶくれのように表面がブヨブヨと柔らかくなります。
  • ④皮膚に穴があき、傷口から液(摻出液)が染み出してきます。一見小さな赤みでも、皮膚の下では大きな懐死がおこっていることもあります。

床ずれはあっという間に進行、重症化し、一度できた床ずれは治るのに時間がかかります。また再発もしやすくなります。床ずれが起こればパートナーは患部が痛くてかゆいでしょうし、またQOL(生活の質)は低下します。オーナー様は家庭での医療処置を余儀なくされ、長期化する治療によって経済的な負担も増えてしまいます。事前にどのようなケアが必要であるかを知っておけば、床ずれを未然に防ぐことができます。ぜひとも床ずれしらずの介護を目指しましょう。

床ずれになりやすい部分

骨が出っ張っていて脂肪や筋肉が少ない部分(ほお、肩、腰、前足首、後足首など)は床ずれができやすくなります。ここの部分は注意深く観察する習慣をつけましょう。

骨が出っ張っていて脂肪や筋肉が少ない部分

骨が出っ張っていて脂肪や筋肉が少ない部分

予防で最も大切なことは、床ずれになりやすい部分と寝床との圧迫をできる限り減らしてあげることです。

パートナーが寝たきりになったら、体の圧力が分散されるマットを早めに活用することをおすすめします。その際、低反発のものは体が沈み込みすぎますし、体温や湿気がこもりやすいので適していません。体が沈み込み過ぎず体圧を適度に分散できるような構造で、かつ通気性に優れたマットを選んであげましょう。 (例:高反発や体圧分散、無圧マットなど)
そして2~3時間ごとに寝返りをうたせて、一ヶ所への圧迫が続かないようにします。

ドーナツ型クッションは、穴の部分に床ずれの患部や床ずれのできやすい骨の部分をあてて寝床から浮かすことができます。ただしドーナツ部分に圧が集中しますので、こまめに位置をずらしてあげましょう。

お役立ちグッズ

ホームナース

グリーンドッグ厳選

ホームナース

アーチが幾重にも重なっていることで、体圧を適度に分散してくれます。アーチの中は空洞になっていて空気が風のように通り抜けるため、 湿気をためずサラサラ状態を保ちます。

介護用 床ずれ防止ベット

グリーンドッグ厳選

介護用 床ずれ防止ベット

マット部分はウレタンの2層構造で、上層は通気性・体圧分散性に富んでいます。

老犬介護 床ずれ予防クッション ドーナツ型

グリーンドッグ厳選

老犬介護 床ずれ予防クッション ドーナツ型

裏面にズレ防止素材(茶色い部分)が使われています。頬骨や腰骨のほか、肩の付け根、後肢の付け根など、床面と接する部分に使用します。

オーガニックパイルケアパッド ビーンズ

ecololo

オーガニックパイルケアパッド ビーンズ

パートナーの肢の間に挟みこんで使うことで、皮膚への負担を和らげます。

寝返りのさせ方

必ず抱き上げて上体を起こしてから、反対側に向かせるようにしましょう。

START

START

オーナー様の片手をパートナーが向いている側から肩下に差し入れます。

1オーナー様の片手をパートナーが向いている側から肩下に差し入れます。
もう一方の手で腰を支えて抱きかかえます。

肩と腰を支えながら上体を起こします。

2肩と腰を支えながら上体を起こします。
パートナーのお尻をオーナー様の膝に一旦乗せて、体制を整えます。
この時、片手はパートナーの両後ろ足に持ち直します。

パートナーの体が反対になるように上体をずらしながら

3パートナーの体が反対になるように上体をずらしながら、寝床の上にお尻を置きます。

ゆっくりと反対向きに寝ませます。

4ゆっくりと反対向きに寝ませます。

寝かせたまま背中を軸に回転させる方法は、

寝かせたまま背中を軸に回転させる方法は、内臓に負担をかけるのでおすすめしません。食道にとどまっていた食べものが逆流して気管に入ってしまうこともあります。

ちょっと豆知識

この記事を書いた人

伊東 希(いとう のぞみ)

伊東 希(いとう のぞみ)

獣医師、ホリスティックケア・カウンセラー

1998年、日本獣医畜産大学(現在、日本獣医生命科学大学)獣医学科を卒業。大学では獣医病理学の研究室に所属し、病気の原因や腫瘍、心臓疾患の研究を行う。 卒業後、臨床獣医師として動物病院に勤務していたが、犬と猫の病気時における食事の大切さを痛感し、某フードメーカーへ転職。 そこで栄養学を学び、たくさんのオーナー様やスペシャリストへの相談を行う中、食事や栄養に対してより柔軟な考えも必要であることに気づき、縁あってGREEN DOGへ。

GREEN DOGの情報を発信中

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