2013年10月 7日
ミカミくんの『予感商法』

最近わたしが考えているのは、『予感商法』(笑)。
我が家の食いしん坊犬、ミカミくんと一緒に考えました。
ミカミはいつも、わたしが犬のごはんを作っているあいだ、
私と一緒にキッチンに立ってわたしの料理する様子をじーーーーーーーっとガン見して観察しています。

そして、いつもいつも、
「チキショー、今日もすごく美味しい予感がするろ!」
と、できあがるまで待てない気持ちをブツブツ言っています。
「でもさ、美味しい予感って、まだ見ぬ未来を期待いっぱいに想像するとても素敵な感覚だよね。」
「チキショー! でも早く食いてーろー!」
「でもさ、美味しい予感は未来を創造するよね。」
「おぅ、そうなんだ。いまだかつて経験したことのない美味しい味を想像すると、よだれが出ちゃうろ!」
「世の中にはさ、ミカミみたいに毎日ちゃんとゴハンを食べられない犬たちもいっぱいるんだよ?
その子たちにも、そんな未来をプレゼントしたいよね?」
「おぅ、しかもよ?
これから生まれてくる子犬たちが元気で健康に暮らしていくための美味しいごはんの未来が必要ろ。」
「だよね。赤ちゃんはお母さんが食べたものをダイレクトに吸収して生まれてくるもんね?」
「おぅ、未消化のタンパク質、酸化した油、添加物の多い食べ物を食べているお母さんから血液をもらうからな?
7世代先まで見越してちゃんとしたゴハンを食べないとな?」
「じゃあさ、素材が安全で健全じゃなくちゃ始まらないよね。
どうやって健全な食材を生産し、購入できるようにするかというとこから始まらないとね。」
「おぅ、オレんたらぁは、そんな生産者を探して、そこから買うんろ?」
「そうだよ、いつも探してるんだよ。それにしても美味しい予感は未来の味を想像するよね。
こんな味あったらいいな、あんな味あったらいいなって考えるもんね?」
「おぅ、それでキチドクでデリを売ろうぜ? オレんたらぁで美味しいだろうなーって予感をさせるデリを販売するんろ。」
「予感商法だよね」
「おぅ。。。」
まあだいたいこんな会話からキッチンドッグの商品は生まれるわけですが、あながち冗談なわけではありません。
料理の仕方だけではなく、まず食材がありきです。
海のもの、山のもの、畑のもの、田んぼのもの。
日本をとりまく環境どころか、世界をとりまく地球規模の汚染や農業、漁業、林業の破滅に向かう効率重視の方法で、
もはやわたしたちが食べるものは個人ベースで安全に気をつけると言ったって意味がない状況になりつつあります。
ニューヨークのレストラン、Blue Hill シェフのDan Barber 氏は言います。
「食べ物をおいしくする方法は、集約的な農業・漁業・林業ではなく、粗放的なものだ。
健全な生態系こそが、未来の美味しい食べ物のレシピだ。」

