子犬用のおやつ選び~いつから、どんなものを、どれだけ与えれば良いの?~
子犬のおやつはいつから与えれば良いのかと判断に迷うものですよね。成犬と違い、消化器官が未成熟な子犬にとって、与えてはいけない形状や硬さのおやつもあります。おやつを安全にかつ健康を損なわないように与えるためには、子犬の成長にあわせたおやつを選ぶことが重要なポイントです。
そこで今回は、ホリスティックケア・カウンセラーの山本が、子犬のためのおやつ選びのお手伝いをさせていただきます。
目次
子犬用おやつの基礎知識

子犬の月齢に合わせたおやつを選びましょう
犬用のおやつは多彩な種類が販売されており、パートナーの喜ぶ姿を想像しながら選ぶ楽しみがありますよね。しかし、おやつの選び方や与え方を間違えると肥満や偏食の原因になってしまう場合も…。たとえおやつといっても、初めて犬を迎える場合は知っておくべきことがたくさんあります。ここでは、子犬のためのおやつ選びで大切なことを説明します。
月齢に合わせておやつを選ぶ
- 生後3ヶ月以上…柔らかめのおやつを与え始められる。ボーロ、クッキーなど。
- 生後6ヶ月以上…犬用ガム、硬めのおやつ、歯磨きご褒美おやつ※1など。
※1:歯磨き練習のご褒美に適しています。小さく切って与えてください。
生後半年に満たない子犬は、内臓がまだ未成熟な状態です。そのため硬いおやつを大きなまま飲み込むと粘膜を傷つけてしまったり、ひどい場合は内臓で詰まってしまったりする可能性が高いのです。まだまだ小さな子犬には簡単に噛み砕ける硬さのおやつを選びましょう。
成長して硬くて大きいおやつを上手に食べることができるようになっても、安心はできません。犬は私たち人間のように食べ物を咀嚼してから飲み込むのではなく、飲み込める大きさのものは丸のみするという食べ方をします。パートナーによっては上手に食べられない場合がありますし、普段は問題なく食べていても、何かの拍子に大きなまま飲み込んでしまい事故となる場合があります。
もし、飼い主が外出中に飲み込んで詰まったまま窒息したら…。このような事故は少なくないようです。果物のりんごでさえ犬を窒息させることで有名なのですから。硬いおやつは長い時間噛むためパートナーのストレス発散になることや、歯の表面の汚れが取れるという理由で人気ですが、必ず飼い主の目の届く場所で与えるようにしましょう。
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おやつの量と与え方の注意点

おやつをたくさん食べると…
カロリーとしては、おやつ=食事(フード)の約1割程度が目安といわれていますが、これは、あくまで成犬時のことです。たとえば、体重5kgのパートナーは一般的な歯磨きガム1本分でもカロリーオーバーになることがあります。パピーフードは、カロリーが高めですがそれに比例するのではなく、おやつは少量だけ与えることを意識しましょう。
また、フードはパートナーの成長に必要な栄養素をバランスよく含んでいます。たとえばリンとカルシウムは理想の割合は1:1~1:2です。おやつで肉類(ジャーキーなど)をたくさん食べてしまうとリンの過多となり、カルシウムが不足するという事態になりかねません。栄養バランスを崩さないためにもおやつを与えすぎないように注意しましょう。
パピー期のおやつの目安量
- 生後3ヶ月(体重2.5kg)のパピー:ササミジャーキー5g程度まで
- 生後6ヶ月(体重4kg)のパピー:ササミジャーキー7g程度まで
※商品によりカロリーは違いますのであくまで目安です。
おやつを与える機会が数多く必要な場合は、1日のフードの給与量の中からおやつ分をとっておいてご褒美の際に与えると良いでしょう。トレーニングをたっぷり行う場合は小粒のフードが役立ちます。しかし、ご褒美は飼い主の褒め言葉や態度でも伝わりパートナーの喜びになります。食べ物のご褒美がないと褒めたことにならないなんてちょっと寂しいことですよね。
おやつのメリット・デメリット
メリット
- しつけ・トレーニングの成果があがる(飼い主とのコミュニケーションに役立つ)
- 初めて会う人からおやつをもらうなどの社会性の訓練に役立つ
- 嗜好品として食べる喜びを与える
デメリット
- 執着心を強める
- 偏食の原因(美味しいものしか食べない)
- 肥満の原因
おやつを与えるタイミング
トイレを覚えさせる際、成功したときに褒めてご褒美を与えると子犬に正解が伝わりやすいというメリットがあります。ですが、トイレの成功が当たり前になってくれば、毎回ご褒美を与える必要はありません。
おやつがないと何もしない(おやつをもらうための行動)になってしまわないように注意しましょう。トイレが成功しはじめたら、実際におやつを与えるのは数回に一回程度に控え、最終的には、トイレの成功は当たり前のことなので、言葉のみで褒めてあげるとよいでしょう。
また、子犬の時期はワクチンや予防接種などで動物病院を受診する機会が多いものです。診察の際に頑張ったご褒美におやつを与えることで病院嫌いになるリスクを減らす効果も期待できますね。
飼い主と子犬のコミュニケーションツールとしても便利なものですし、公園ではじめて会った人からおやつを与えてもらうことも社会化の訓練のひとつになります。
まとめ
子犬が喜ぶ姿を見ると、ついつい美味しいおやつを与えたくなりますが、子犬期は成長のためにしっかりと主食を食べて必要な栄養素を摂ることが大切。嗜好性が高いおやつは、主食への興味を失わせてしまうこともあります。また、おやつでお腹を膨らませてしまい主食を食べなくなったというケースも多いようです。特にフードの好き嫌いが多い小型犬は注意したいことです。
おやつのメリットを最大限に利用するためにも、与えるタイミングや適切な量をしっかり把握したうえで、子犬との暮らしの中で上手に使っていきましょう。
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山本 由能(やまもと ゆの) ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範

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