2017.12.08心のケア

愛犬を預けるときの注意点は?ストレスを減らすためにできること

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愛犬を預けるときの注意点は?ストレスを減らすためにできること

どの家庭でも、お盆や年末年始、そして不意の用事などで、数日間家を留守にすることがあるかと思います。その際、愛犬も一緒に連れていくことができればいいのですが、なかなかそうはいかないこともあります。

安心して預けられる他の家族や知人が近くにいればいいのですが、そうでない場合、やむを得ずペットホテルなどを利用する人もきっと多いことでしょう。そんなとき、愛犬にかかる負担やストレスを考えるととても心配ですよね。そこで今回は、愛犬を預けるときのストレスや注意点について、ドッグトレーナーの遠藤が説明いたします。

預け先での犬のストレスとは

個々の犬で性格やそれまでの経験によって差があるために一概には言えませんが、預けられた犬の心理的な負担はかなり大きいものと考えられます。

犬は社会性が高いがゆえに、飼い主に対する心理的な依存度合いが高い動物です。飼い主と離れて過ごさなければならないという不安は、犬にとって大きなストレスになります。飼い主に対する信頼や愛情が深い犬ほど、そのストレスは大きいといえます。

それだけではありません。いつもの慣れ親しんだ我が家ではなく、普段とは異なる環境で過ごすこともやはり不安を感じるもの。それだけでも大きなストレスがかかってしまうのです。

大好きな飼い主と離れること、そして、いつも違う環境に置かれること、つまりストレスのダブルパンチを受けてしまうのです。

ストレス軽減のためにお家でできること

愛犬を預けるときの注意点は?ストレスを減らすためにできること

あらかじめ免疫をつけておこう

いつどんなときに愛犬を預けることになるかわかりません。預け先での愛犬のストレスを軽減するために、あらかじめ家庭でできることを紹介します。下記のような取り組みを普段の生活から意識して行ない、愛犬に免疫をつけておくようにしましょう。

飼い主と離れる機会を作る

わずかな時間でも飼い主から離れられず、トイレや入浴のときも常に一緒についてくる犬の話も聞きますが、こういった犬をいきなりペットホテルに預けてしまうと、とんでもなく大きなストレスになります。飼い主に対する依存度が高すぎる犬の場合は、少しずつでいいので、一日の中で一人になる時間を普段から意図的に作ります。(詳しくはコチラ→ ストレスや問題行動になるの?犬の分離不安とは

ハウストレーニングをしておく

完全フリーでの預かりを謳っているペットホテルは別ですが、預け先では自由に過ごせるわけではありません。ケージやクレートなどといった、個別の部屋で過ごす時間のほうが長いでしょう。

もしも、ハウストレーニングをまだきちんと終えていない犬が、預け先でそういった空間にいきなり入れられたら、もうそれだけで大きなストレスです。普段の生活から少しずつハウストレーニングに取り組んでおいてあげましょう。

さまざま場所に連れていく

さまざまな場所に愛犬を同伴して連れ出しておくのも良い方法です。特定の場所に慣らすというよりも、さまざまな環境の違いを経験させることで、そういった変化に対する愛犬の許容範囲を広げる助けになります。

預け先の選びかた

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下見をして直接確認することが大切

大切な愛犬のストレスを少しでも軽減するには、どういった預け先を選ぶのかということも重要なことです。

犬や猫などペットの預かり業務を営むには、動物取扱業責任者の届出をしなくてはなりません。まず、行政に届け出をきちんとしている業者なのかどうかを確かめておきましょう。

そして、預け先の施設を実際に下見して、以下の点を確認しましょう。
犬が過ごす部屋(スペース)の広さ
部屋に柔らかい敷物やベッドが用意されているかどうか
部屋の中、もしくは犬が容易にアクセスできるところに新鮮な水が用意されているか
犬の排泄したものが放置されていないかどうか
空調設備の有無(適切な温度管理)
逃走防止のための2重扉の有無(危機管理の視点で)

次の点については、預け先のスタッフに質問して確認しておきます。
スタッフが24時間常駐なのかどうか
お散歩や遊びの有無やその時間
他犬との接触(遊びも含めて)の有無
食事について(持ちこみか、預かり側が用意してくれるのか)
各種予防処置(ワクチン接種・ダニやノミなど寄生虫対策)に関するルール
ヒート中の雌犬の預かりについて
その他、気になることは何でも聞いておく

上記内容の一部については、基本サービスに含めているところもありますが、オプション制にしているところもあります。料金を検討するときに一緒に確認しておきましょう。

また、動物病院やペットサロン、ペットショップなどでも預かりサービスを行っているところもあります。普段から行きつけにしていて、愛犬がそこのスタッフや場所によく慣れているのであれば、そういったところを利用するのもいいでしょう。

特に、疾患やケガなど何かしら身体的トラブルを抱えている場合、もしくは健康に不安がある老犬を預ける場合は、かかりつけの動物病院に預かってもらったほうが安心です。

新しい選択肢としてのシッターサービス

まだまだ一般的とはいえませんが、個人のペットシッターを愛犬の預け先として検討するのもいいかもしれません。

ペットシッターは、日中留守にしている飼い主の自宅に赴き、食事やお散歩、トイレの掃除などといったペットのお世話を請け負うのがおもなサービスですが、なかには預かりサービスもしているシッター もいます。

預かる場所はシッターの個人宅。一般的なペットホテルはどうしても無機質な雰囲気の空間になりがちなのに対して、ペットシッターの個人宅であれば、愛犬は一般家庭と同じ雰囲気・環境で過ごすことができます。もちろん、「我が家」とは異なるものの、犬にとってリラックスしやすい環境に成り得ると思われます。それも普段からお世話をお願いしているペットシッターなら、なおのこと安心して預けることができるでしょう。

一頭一頭の個性やその日の状態に合わせてカスタマイズできるのも特長です。場所が変わるとどうしても落ち着かないという犬の場合は、自宅に訪問してもらってのお世話もお願いできます。

実際に預けるときは

いきなり預けるのではなく、できれば事前に、短い時間での預かり体験を何回か経験(練習)させておくのがいいでしょう。

そして実際に預けるときは、愛犬の状態を把握して正確に伝えるようにします。体調やフードの食いつき、便の回数と状態、お散歩の様子、他人や他犬への反応などについて、普段の様子はもちろんのこと、当日の様子についても詳しく伝えます。

預け先次第ですが、普段あげているフードだけでなく、普段自宅で使っているベッドや食器を持参して、預かり中に実際に使ってもらうのもいいでしょう。

おわりに

家族の一員である以上、たとえ泊りがけのおでかけのときでも、愛犬はできるだけ一緒に連れていってあげたいもの。しかし、外出の理由や行き先の状況次第ではそうもいかないときがあります。また、なかには、年齢や体調によって、どうしても移動や環境の違いのストレスに耐えられない犬もいることでしょう。

それらを考えると、愛犬の一生においては、単なるお留守番だけでなく、ペットホテルなどにお泊まりしなくてはならない機会がきっとあります。そういったことを想定して、日常生活のなかで今回ご紹介した準備に取り組んでいただければと思います。

なお、愛犬を預けるときの準備としていくつか紹介しましたが、さまざまな環境や状況に慣らして免疫をつけてあげることは、社会性を身につけることにもつながり、他のさまざまなシーンにおいてもきっと役立ってくれます。ぜひ愛犬との生活のなかに取り入れてみてください。

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愛犬を預けるときの注意点は?ストレスを減らすためにできること

遠藤 和義(えんどう かずよし) ドッグトレーナー、ホリスティックケア・カウンセラー

犬業界のキャリアは今年で20年目。 国内外の著名なドッグトレーナーに師事し、モチベーショナル・トレーニングの 知識や技術を学ぶ。同時に、多数の保護犬・保護猫の日常ケアにもたずさわる。 各地のしつけ方教室の運営や動物系専門学校の教員などを経験後、縁あって GREEN DOGへ。実店舗やしつけ方教室の運営を手がけ、現在は年間3000件の健康相談を受けるセンターの責任者。
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