犬のダイエット方法~食事・おやつ編
ヒトも犬も肥満によって大きな病気にかかったり、持病を悪化させたりします。肥満が健康によくないのは、ヒトも犬も同じ。今回は、愛犬のダイエットに役立つ食事の知識と食事による体重管理のヒント、ダイエット食材などを紹介します。
ダイエットのための犬の食事管理とは?
消費エネルギー以上に摂取エネルギーが多ければ栄養が過剰になるのは基本中の基本。つまり消費するカロリーよりも多く食べれば、太ってしまいます。
主食はもちろん、気をつけなくてはいけないのはおやつ(間食)の存在です。いつもどれくらいのおやつをあげているのか、多いのかな、少ないのかなと、まず意識をしてみることが大切です。もし今日、いつもより多くおやつを与えたのなら、明日はおやつを与えない、というルールもいいかもしれません。神経質になりすぎる必要はありませんが、1日、1週間などのトータルのカロリー量を考えて調整することが大事です。
カロリー過多ではないのに太ることも
摂取カロリーが多すぎる問題以外で太ることもあります。去勢・避妊によるホルモンバランスの変化、運動不足、ストレス、年齢、病気、遺伝、季節などの影響を受けて、体重変化が起きることも多々あります。特に「食事の量も運動量も以前と変わっていないのに最近太ってきた」という場合は、基礎代謝の低下が関係していることも。表面的には変わっていなくても、加齢に伴って基礎代謝が低下していくので若い時と同じようにしていても太ることがあります。これらを踏まえたうえで、総合的に飼い主が食事をコントロールすることが必要となってきます。
太る原因は犬よりもヒトにある
実はパートナーの肥満の原因は、犬自身より飼い主の意識にあることが多いのです。特に「ガリガリよりはぽっちゃりしている方が可愛い」、「満腹にしてあげないと可哀想」というような意識は、結果的に愛犬を肥満による病気などで苦しませてしまうことにもなりかねません。愛犬を健康に保つ意識がパートナーにとっての愛情になります。
ココをチェック! こんな習慣がパートナーを太らせているかも
1日のトータルエネルギー量がわからない
目的がなくおやつをあげている
家族それぞれがおやつや間食を与えている
消費エネルギー(運動)が足りていない
冬は寒がってかわいそうだから散歩に行かない、小型犬だから散歩はいらないというちょっとした考えも、実は愛犬が太る原因だったりします。
ダイエットに役立つ食事とは
成長期の子犬はダイエットの必要はありません。そして成犬でも老犬でもダイエットの方法は同じです。おとなの犬のダイエットに有効な栄養素は、ラム肉に豊富に含まれるL-カルニチン、赤身肉に豊富なタンパク質などです。良質なタンパク質は、筋肉をしっかりつくるために欠かせません。
反対に控えたいものは、脂質や糖質です。たんぱく質源としてチキンを与えるときには、鶏皮を剥いで与えるとよいでしょう。
ただし、油でもオメガ3脂肪酸(魚油や亜麻仁油などに含まれている)は健康維持に欠かせない油です。しっかりと摂取できるように気をつけてあげましょう。
糖質とは、いわゆる炭水化物。穀類、イモ類、果物などに多く含まれます。小麦を使ったクッキーやサクサク食べれる卵ボーロなどが大好きなパートナーは多いですが、ダイエット中は控えるか、与えすぎには注意が必要です。
ダイエット中のおやつの量や回数
主食のごはんからおやつ分のカロリーを差し引くことを忘れずに、1日に与えるカロリーのうち、おやつは10%以下に調整します。仮に10%分のおやつを与えるのなら、主食のカロリーは90%に抑えないといけません。小型犬の場合、10%以下のおやつとなると、見た目の量はとても少なくなります。でもパートナーにとってはじゅうぶんなカロリーです。
それでも、どうしても主食とは別のタイミングでおやつを与えたい場合は、主食に使う予定だったドライフードやトッピング食材などの分をおやつにまわすようにしましょう。
また少しでもカサを増やしたいのなら、低カロリーのおやつを選ぶとよいでしょう。ただし、低カロリーだからといって安心してしまい、うっかり量を多くあげないようには気をつけましょう。
犬は、おやつの量よりも、回数を増やすと喜びます。おやつタイムは、ワクワクするごほうびであり、かまってもらえる嬉しいコミュニケーションの時間です。大きいおやつを1回あげるよりも、それを1/10に分けて、10回与える方が、犬の満足度が高くなるのでおすすめです。
ダイエットに役立つ食材は?
ダイエットをさせないといけない!と真剣に取り組むあまりに、栄養バランスを崩すこともあります。
人間のダイエットと同じく無理は禁物。痩せるからといって、同じ食材、同じレシピのものをずっと与えるのはよくありません。
飼い主さんもパートナーも無理をせず、食材を吟味することを楽しむくらいの余裕をもって実践してみてください。
ここでは、ダイエットに役立ついくつかおすすめの食材を紹介します。
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赤身肉
- 馬肉や豚肉・牛肉・ラム肉などの赤身肉、鶏のササミ、皮をとった鶏の胸肉など。
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野菜
- 野菜は低カロリーなので嵩増しに○。旬の*低GIの野菜を選ぶとなお良いでしょう。
春:グリーンアスパラ、キャベツなど
夏:オクラ、キュウリ、ゴーヤなど
秋:青梗菜、小松菜、キノコなど
冬:ブロッコリー、白菜、カブなど
ダイエット中のドライフードの選び方はコチラ→パートナー(愛犬)の「ダイエット・体重管理」のお悩みに関するフード選び
おわりに
一般的には、やはり夏よりも冬に太る犬が多いようです。寒いので散歩に連れ出す時間が減り、運動量が減ること、または季節的に脂肪を蓄えやすいからだと考えられています。季節によっても、犬にとって必要なエネルギー量は増減するのです。
犬種差、個体差もあるので、たとえ同じ犬種で、同じ性別、同じ年齢の同居犬であっても、必要なエネルギー量は違います。同じものを同じ量食べていても、太る子もいれば、痩せる子もいるのです。自分のパートナーにとって、その時期のベストなエネルギー量を与えることができるように、愛犬をよく観察することが大切です。毎日のコミュニケーションタイムで、肋骨や腰骨を触って出方を確認するのもよいでしょう。
ただ、カロリーの計算や食材の吟味などは大変な場合もありますから、かかりつけの獣医師や食事の専門カウンセラーに相談するのが近道かもしれません。GREEN DOGの無料相談では、豊富な経験と知識をもった犬の専門家であるカウンセラーが愛犬にぴったりの食事の選び方のポイントや、ダイエットの方法について相談に応じてもらえます。上手に利用してみましょう。
また、洋服を着せたままの生活をしていると、脱がせたときに「あれ!?前より太っている!」と、びっくりすることもあります。定期的に裸ん坊にして、太りすぎていないかのボディチェックもしてみてくださいね。
ここで紹介する方法は、太り気味だけれど健康上今は問題なく、元気な犬が対象です。何かの疾病の影響で体重が増加することもありますので、持病のある犬の場合は、かならずかかりつけの獣医師の推奨する食事法やアドバイスに従ってください。
*GIとは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後血糖値の上昇スピードを表します。低GIの食べ物は、血糖値の上昇のスピードを抑え、ゆっくりと吸収されるため腹持ちが良いともいわれます。
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Follow @greendog_com監修:日笠 克枝(ひがさ かつえ)ホリスティックケア・カウンセラー 、ペットマッサージセラピスト、愛玩動物飼養管理士1級
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