2020.01.06食事・ドッグフード

新しい年、愛犬の食事について目標を立ててみませんか

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新しい年、愛犬の食事について目標を立ててみませんか

新しい年、2020年がやって来ましたね。大切なパートナーである愛犬のために「今年はこんなことをしてあげたい」「心機一転、今年からはこんな風にしよう」と新年の目標を立てる方も多いかと思います。
運動やトレーニングは犬によって違いの大きい分野ですが、どんな犬でも毎日必ず持つのが食事の時間です。
そこで愛犬の食事について、新年の抱負や目標を立ててみるのはいかがでしょうか。
「何を」「どれだけ」与えているのか、改めて検証してみるのにも新しい年は良い機会かと思います。

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目標その1 それぞれの犬に適正な量のフードを与える

新しい年、愛犬の食事について目標を立ててみませんか
愛犬の食事として最も多く利用されているのは市販のドライフードですね。
市販のフードは栄養のバランスが取れているので、気をつけるポイントは毎日の給餌量です。フードの量が多すぎても少なすぎても、犬の健康を害することにつながるからです。

2019年8月にカナダのゲルフ大学の研究者が、犬の飼い主がどの程度正確にフードを計量しているかをリサーチした結果が発表されています。
ペットフード用の目盛り付きスコップ、ペットフード用の計量カップ、料理用の計量カップを使って、4分の1カップ、2分の1カップ、1カップのフードを計量してくださいとリサーチ参加者100人に指示したところ、不正確な結果がかなり多く見られたとのことでした。
大きなカップを使って4分の1カップを計量した時、誤差が最も多く発生したそうです。
正確に計量できていなかった人たちの多くは、正しい量よりも多過ぎる量を測っていました。これは体重超過が常にペットの健康問題の上位に来ることを反映しています。
指示を受けて計量する時ですら誤差が出てしまうので、毎日習慣的に給餌する時にはさらに誤差が大きくなる可能性があります。

日本ではフードの給餌量の目安は重量でグラム表示されていますので、計量カップではなくキッチンスケールを使う方も多いかもしれません。毎回スケールを使って重さを測ればいちばん誤差がなく正確です。
ただ、一度計測したら次からはその量を目安に目分量でボウルに入れているという場合は、定期的に計測して誤差を修正することが大切です。
フードのパッケージの表示は、体重◯kg〜◯kgならば給餌量は◯g〜◯gと幅を持たせて書かれています。
表示の幅の中で見当をつけるのではなく、一度かかりつけの獣医さんと相談して、現在のライフステージや健康状態ではどれだけの量が最適なのかを知っておきましょう。

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目標その2 今の状態に最適なフードを見極める

新しい年、愛犬の食事について目標を立ててみませんか
フードの適正な量と同じように大切なのは、与えているフードが犬の現在の状態に最適なものかどうかということです。
シニアと呼ばれる年代になった犬では、若い頃からずっと食べていたフードよりも脂質が少なく消化に配慮したシニア用フードへの移行が必要な場合もあります。
若い犬でも、アジリティなどドッグスポーツを始めて運動量が格段に増えた、獣医師から体重の調整を勧められたなどの事情で、フードの見直しをした方が良い場合は多々あります。
愛犬の健康状態を把握しているかかりつけの獣医さんに、今の状態ならどのようなタイプのフードが最適なのかを確認してみましょう。
犬によってはフードの変更は好き嫌いがあったり、お腹の調子が悪くなったりと悩ましいものですが、お試しサイズやカウンセラーへの相談などを活用して、最適なフードを探してみてくださいね。

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目標その3 栄養が不足しない手作り食を目指す

新しい年、愛犬の食事について目標を立ててみませんか
愛犬の食事を手作りしているという方もたくさんいらっしゃいます。
私自身もそうなのですが、長年ずっと手作りしているので分量などはだいたい目分量で把握していると思いがちです。
けれどもこの「慣れているつもり」が誤差を積み重ねていくことにもつながります。
また手作り食も犬のライフステージや健康状態によって変化させていくことが必要です。

食事中のタンパク質、脂質、ビタミンやミネラル類などを毎日どれだけ与えているのか、一度きちんと計算して正確に把握しておくことが重要です。
食材にどんな栄養素がどれだけ含まれているのかは、食品成分表や文部科学省の食品成分データベースを使って調べることができます。
一手間かけて愛犬の手作り食を検証してみると、見えてくること、新たな疑問などが出てくることと思います。

2013年にカリフォルニア大学デイビス校獣医学部が行なったリサーチでは、書籍やインターネット上で発表されている犬の手作り食レシピ200件を検証したところ95%で何らかの栄養素が不足していたと発表されています。
また必要な栄養基準を満たしたレシピを作成して、リサーチ参加者に「このレシピ通りに作ってあなたの犬に与えてください」と指示をしても、半数以上の参加者がいくつかの材料を省いてしまったという報告もあります。
長期に渡って何らかの栄養素が不足することは、じわじわと犬の健康を蝕んでしまいます。
手作り食では、不足しがちなビタミン・ミネラル類を補うためサプリメントは不可欠です。
犬の栄養学に詳しい獣医師、栄養士に相談してレシピの見直しを行い、栄養が不足していない手作り食を目指してみてはいかがでしょうか。

手作り食の強い味方!愛犬のためのホリスティック食材辞典

おわりに

愛犬に何を食べさせるか、頭を悩ませている方は本当に多いと感じます。
けれどもその半面、一度決めたフードの銘柄、給餌量、手作り食のレシピなどは見直すことなく何年も同じままだという例も少なくありません。
私たち人間も十代の頃と中高年になってからでは、食べる量も食事の内容も変化します。
ご存知の通り犬の1年は人間の何倍にも相当しますから、犬の食事は内容も量も、こまめな見直しが必要なことが分かります。
新しい年を迎えて気分も改まるこの時期だからこそ、愛犬の食事というちょっと悩ましい目標にも前向きに取り組めるのではないかと思います。

《参考URL》
https://veterinaryrecord.bmj.com/content/185/19/599
https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.242.11.1500?journalCode=javma

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ガニング 亜紀(ガニング アキ)

米国カリフォルニア州在住。2005年から犬との暮らしをスタートして2匹の犬をそれぞれ15歳で見送りました。犬たちとの16年間で知識が増えると犬との暮らしが楽になることを痛感しました。自分が「へ〜!」と感じたことを堅苦しくなくお伝えしていきたいと思っています。