犬とハーブの関係とは メリットと注意点
季節の変わり目は、寒暖差などの影響で、体調を崩しがちです。一昔前であれば犬は屋外にいることが多く、気温の変化にも順応できる場合が多かったのですが、今はほとんどが室内飼いです。室内飼いのメリットはたくさんありますが、気温に順応する力は以前に比べると低い犬が多いように感じます。このようなことを踏まえて、あらかじめ体の調子を整えることに注力することはとてもおすすめです。
体調管理には毎日の食事、運動、睡眠がとても重要ですが、中でも食事は健康状態に大きな影響を与えるものです。今の食事が適切かどうかを確認するとともに、適切だけどもう少し何かを付け加えたいという場合におすすめなのがハーブです。ハーブにはさまざまな種類と効果があり、パートナーの体質や体調に合わせて利用することができます。犬にハーブを与えるメリットや、おすすめのハーブ、利用するときの注意点を、ホリスティックケア・カウンセラーの日笠がご紹介します。
目次
犬とハーブの関係性とは?
「犬にハーブを食べさせてもいいの!?」と驚く方もいるかもしれません。しかし、そもそもハーブとは「薬効のある植物」を総称したもののことです。野生動物は本能的にその薬効を知っており、具合が悪い時や身体の浄化力を高めたい時などに、自然にハーブを食べることがあります。「今、自分に必要な栄養素を持つ植物」を身体に取り入れることで体調を整えているのです。
散歩中、道端に生えている草を食べるのも、その表れである場合があります。ビタミン不足や胃腸を整えたいときなど、本能的に植物を取り入れたいと判断しているケースもあります。しかし、道端の草は除草剤などの薬剤が撒かれていたり、毒のある植物が混ざっていたりすることもあるため危険です。すべてを愛犬任せにするのではなく、安心してパートナーに与えられる高品質のハーブを利用するようにしましょう。
ハーブを用いるメリットとは?
ハーブは薬の原料にも用いられますが、薬とは違い、病気や体調不良に即効性があるものではありません。毎日の食事にプラスすることで、犬が必要とする栄養素を補い、体調を整えるように働きかけてくれます。効果が緩やかな分、副作用が少なく、ある程度の期間は続けて使うことができるのがハーブを利用するメリットです。
またさまざまな種類があるのも、ハーブの魅力のひとつ。パートナーの年齢や健康状態によってハーブを使い分けることで、健康維持や老化防止にも役立ちます。
食事以外の利用法
ハーブは食事にプラスする以外の利用法もあります。例えばラベンダーやカモミールなどのハーブティーは、シャンプーのあとのリンス代わりになります。またブラッシング前などに吹きかけてあげるグルーミングスプレーとして利用しても良いですね。ラベンダーやカモミールは家庭でも栽培しやすいハーブの1種のため、自分で育てたハーブを利用するのもおすすめです。
おすすめのハーブ4選
では、パートナーの健康維持のためにおすすめのハーブを4つご紹介していきます。それぞれ違う効果が期待できるので、パートナーの年齢や状態に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
アルファルファ
アルファルファとは牧草の1種で、食物繊維・ビタミンA・K・B6・リンなど栄養バランスに優れたハーブです。抗炎症作用があるため、関節炎があったり、足腰が遺伝的に弱い犬種のパートナーには特におすすめです。また、細胞を活性化させるため、がん予防としても取り入れておきたいハーブの1つです。
オート麦
オート麦は燕麦とも呼ばれ、オートミールとしてよく食べられている植物ですが、ハーブとしてはミルキーオートと呼ばれる部位を使います。栄養価が高く、神経系に働きかけるハーブです。気持ちの高ぶりにも落ち込みにも働きかけることができるので、怖がりで不安になりやすいパートナーや興奮しやすいパートナーにも選ぶことができます。
ネトル
「天然のマルチビタミン」と呼ばれるほど栄養が豊富で、たんぱく質・ビタミン・カルシウム・カリウム・鉄などが豊富に含まれています。栄養バランスに優れたネトルは、手作り食にプラスすることで簡単に栄養補給することができます。消化器官に負担をかけないで効率よく消化吸収できるハーブとしても有名なので、お腹が弱いパートナーにもおすすめです。
フラックスシード(フラックスの種)
フラックスとは、油やリネンの原料として有名な亜麻のことです。その種から絞るアマニ油はオメガ3系の不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、健康な脳や皮膚、被毛、爪、心臓、肝臓などの健康に欠かせない栄養素です。高い抗酸化力もあるため、パートナーの老化防止にも役立ちます。フラックスシードを粉末 にしたものには食物繊維も豊富です。ネトル と組み合わせてエネルギーと栄養の補給に利用するのもよいでしょう。
ハーブを用いる際のポイントや注意点
ハーブは基本的に、人間が食べているものであれば犬が口にしても問題はありません。ペット用に配合されたハーブのサプリメントはもちろん、生のハーブや乾燥ハーブを使用することも可能です。しかし、人間と犬、特に小型犬や中型犬は体の大きさが違うため、一度に使用できる量に差があります。また、パートナーの状態によってはハーブを与えることが逆効果になってしまうこともあるのです。ハーブを用いる際に注意する点をご紹介します。
ハーブの品質や効能に注意する
ハーブにはさまざまな薬効があります。体質や胃腸の状態によっては、パートナーに合わないものもあるため注意が必要です。まずは使いたいハーブの特徴を知りましょう。ペット用に市販されているものなら、安全性や与える量の上限がわかるので安心ですが、生のハーブを使う場合はあらかじめ自分でハーブについて学んでから与えましょう。
市販のペット用ハーブを与える場合は、なるべく品質をチェックして安全なものを購入しましょう。人間用と同じ品質のもの、オーガニックにこだわったものなどがおすすめです。購入する商品のサイトをネットでチェックしたり、購入するお店で相談したりしてみると安心して与えることができます。
ハーブを食事にプラスするときは少量から
ハーブを食事にプラスするときは、ごく少量から少しずつ与えるようにします。体質的に問題のないハーブでも、食べさせ過ぎては体調を崩す恐れがあります。パートナーの様子を観察し、問題ないようなら少しずつ量を増やしていきましょう。特にアレルギーがあったり、体力が低下したシニア犬は注意してください。
食事をおろそかにしては、効果は出ない
ハーブは栄養が豊富なものが多くありますが、あくまで食事に「プラス」するものです。正しい食事に気を付けなくてはハーブの効果は出ません。パートナーに合ったフードを与えたうえで、ハーブを加えるようにしましょう。
ハーブのお休み期間を入れて観察する
ハーブは毎日使えるものと、決まった期間でお休みを入れた方が良いものがあります。ペット用に市販されているハーブは、メーカーの指示に従ってお休みを入れましょう。また、毎日与えて良いものであっても、身体が慣れてきて効果がわからなくなることがあります。5日与えたら2日休む、3週間与えたら1週間休む、など定期的にお休み期間を入れて、与えた時と与えていない時の差を観察してみてください。パートナーの体調を観察しながら与えることで、ハーブの効果を最大限に活かすことができます。
まとめ
ハーブには、パートナーの健康維持に役立つ、さまざまな効果があります。正しく使うことで、パートナーとの生活をより良いものにすることができるのです。ペット用に調合されたハーブ製品 なら、手軽に安心してハーブを取り入れることができます。今回紹介したもの以外にも、さまざまな力を持つハーブがあるので、パートナーとの生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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Follow @greendog_com監修:日笠 克枝(ひがさ かつえ)ホリスティックケア・カウンセラー 、ペットマッサージセラピスト、愛玩動物飼養管理士1級
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