犬がキャベツを食べるのは大丈夫?最適な量や与え方と簡単レシピ
キャベツが好きな犬は多いですよね。でも本当に犬がキャベツを食べて大丈夫なのでしょうか?生で与えてもいいのかしら?など、ちょっと気になりますね。
今回は愛犬にキャベツを与えることのメリットや、与え方と量、注意しなければならないことなどについて、GREEN DOGのカウンセラー日笠が解説します。
犬にキャベツを与えても大丈夫?
キャベツの選び方
・良いキャベツの選び方
キャベツの栄養素とは?
キャベツの与え方と量
・生キャベツのメリット
・生キャベツのデメリット
・加熱キャベツのメリット
・加熱キャベツのデメリット
犬にキャベツを与えるときに注意すること
・甲状腺に持病がある犬には与えない
・キャベツはメイン食材にはならない
キャベツを使った簡単レシピ
・作り方
おわりに
犬にキャベツを与えても大丈夫?
昔から胃腸にやさしい野菜として有名なキャベツ。アブラナ科アブラナ属の野菜です。おもに早春~初夏に収穫される春キャベツ、夏~秋に収穫される夏秋キャベツ、秋~冬に収穫される冬キャベツがあります。四季ごとに旬がある野菜なのですね。どの季節のものでも、問題なく犬に与えることができます。年中手に入りやすいことから、ドッグフードにトッピングしたり、手作り食の1食材としても人気が高い野菜です。
キャベツの選び方
キャベツを選ぶときは、どんなことをチェックすればいいのでしょうか。愛犬のためだけでなくご自身が選ぶときにももちろん役立つポイントをご紹介します。
ココがポイント
良いキャベツの選び方
葉がぎっしりと詰まり、重いもの
葉の色が鮮やかで、ハリとツヤがあるもの(新鮮な証し)
芯がみずみずしい白色で、ひび割れていないもの
キャベツの芯の高さがあるものが美味しいとされますが、高ければ高いほど良いわけではありません。芯が直径の3分の2以上あるものは苦みがでてくるので避けた方がよさそうです。
キャベツの栄養素とは?
キャベツの葉には、ビタミンUやビタミンC、カロテンが豊富に含まれています。特にビタミンU(別名:キャベジン)は、胃腸の粘膜の新陳代謝を活発にするものとして有名です。キャベツは胃腸にやさしい野菜。キャベツの優れた栄養素の働きをご紹介します。
ビタミンC
- 抗酸化作用のある栄養素。疲労回復や発がん物質の活性を抑えることがわかっています。がん予防にも期待ができます。
ビタミンU
- 胃腸の粘膜の新陳代謝を活発にし、保護に役立つ成分。胃腸の粘膜強化と消化吸収をサポートしてくれます。胃酸の分泌を抑制し、胃腸粘膜の修復に作用することから、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や治療に効果的な栄養素として注目されています。
ビタミンK
- 血液の止血や丈夫な骨の形成にかかせない栄養素。ただ犬での欠乏症はまれです。でも大腸内の細菌バランスが悪いときには、食事でビタミンKを補うことが望ましいです。
カルシウム
- 骨、心臓、筋肉、神経の健康に欠かせないカルシウムもキャベツには含まれています。
鉄分
- 血中酸素の運搬に欠かせない鉄分も含んでいます。
フィトケミカルほか
- イソチオシアネート、ゼアキサンチン、フラボノイドなど、がん予防や抗酸化力、免疫力強化に有効といわれるフィトケミカル(ファイトケミカル)が含まれています。またガン抑制物質であるインドール、発がん物質の活性化を抑えるペルオキシダーゼも多く含まれています。
食物繊維
- キャベツにも一応は含まれていますが、野菜としては少なめです。ただ適量のキャベツをとることで便秘解消につながることもあります。
キャベツの与え方と量
愛犬にキャベツを与えるときには、生でも加熱しても与えることができます。生のまま与える場合も加熱する場合も、みじん切りかフードプロセッサーで細かく刻むことがおすすめ。大きいままだと犬によっては未消化のままウンチにでてしまうことがあるからです。
芯の部分もビタミンCが豊富。細かく刻めば芯の部分も基本的には与えることができます。しかし与えすぎに注意しましょう。芯には硫酸イオンという中毒症状を起こす物質が含まれるともいわれています。敏感な体質や体力や免疫力が弱っている犬には避けた方が安心かもしれません。
それぞれの調理法にはメリットとデメリットがあります。犬の体質には個体差もあるので、愛犬の消化能力や組み合わせる他の食材によって使い分けるとよいでしょう。
生キャベツのメリット
食事のかさ増しをしたい場合にボリュームを出すことができる(ダイエット中の犬に有効)。
水溶性ビタミンであるビタミンC、ビタミンUを効率よく摂取できる。
生キャベツのデメリット
カットが大きいと消化しにくい。
みじん切りやフードプロセッサーでドロドロにするなどできるだけ細かくする手間がかかる。
加熱キャベツのメリット
加熱して細胞壁を壊すと、栄養素を吸収しやすくなる。
かさを減らせるので、食べる量を増やせる(少食なパートナーには有効)。
油で炒めるとカロテンなどの脂溶性ビタミンを効率よく摂取することができる。
茹でると、キャベツに含まれるシュウ酸を減らすことができる(シュウ酸の摂取量を減らしたい場合、ゆで汁は与えないこと)
加熱キャベツのデメリット
加熱したキャベツを大量に食べると、ガス発生(おなら)の原因になるので注意が必要。
茹でると水溶性のビタミン(ビタミンC、ビタミンU)が茹で汁に出てしまう(それらを有効に摂取したいときはスープもそのまま飲ませるとよい)。
魅力的な栄養素が豊富なキャベツですが、犬にとって主食にはなりません。たとえばキャベツと鶏ささみの組み合わせはドライフードへのトッピングとしても、手作り食のレシピとしても人気の組み合わせですが、キャベツと鶏ささみを与えるだけでは栄養バランスが偏ってしまいます。キャベツ以外の野菜や肉などの食材にも、魅力的な栄養素が含まれているものはたくさんありますので、あくまで1食材として取り入れるようにしましょう。
犬にキャベツを与えるときに注意すること
甲状腺に持病がある犬には与えない
キャベツには、ヨウ素の吸収を阻害するゴイトロゲンという、甲状腺腫誘発物質が入っていることから、甲状腺に持病がある犬には与えないほうがよいと言われています。これはキャベツに限らず、ブロッコリーや小松菜、大根、白菜などのアブラナ科の野菜にも共通していえることです。甲状腺に持病がある犬は、アブラナ科の野菜は避けた方が安心です。
健康な犬であれば、過剰摂取しないかぎり問題ありません。ただ健康な犬でも甲状腺トラブルの予防として、ヨウ素の豊富な食材(わかめやひじきなどの海藻類)を同時に摂取することはおすすめです。
甲状腺の病気のリスク以外にも、食べ過ぎると下痢、嘔吐、便秘の原因になったり、シュウ酸カルシウム結石(結晶)のリスクもあるといわれているので、健康な犬に与える量は、全体の食事量の数%以内に抑えましょう。
キャベツはメイン食材にはならない
栄養豊富なキャベツですが、あくまで副菜として、他の食材と組み合わせて適量使うことを心がけましょう。ドッグフードにトッピングする場合も、手作り食のレシピに取り入れる場合も、毎日キャベツばかり与え続けないように気をつけましょう。
他のアブラナ科の野菜(ブロッコリー、大根、カブなど)も、犬の手作り食やトッピングに活用されやすいものです。ただ同じ種類(分類)の野菜は栄養素が似ていることも多いもの。同じ種類が偏りすぎないように組み合わせを選んだり、量や与える頻度を調節したりするよう工夫しましょう。適切な調理方法かつ適量のキャベツは、胃腸にやさしく便秘解消にも役立つ野菜です。
キャベツに含まれるビタミンCもビタミンUも水溶性のビタミンのため、調理前に洗う際は水に長時間つけすぎないように気をつけましょう。
キャベツを使った簡単レシピ
- 馬肉パラパラミンチ 30g
- 卵 10g
- キャベツ 10g
- 牛乳 小さじ1
- ソジョーズ・オリジナル 小さじ1
- オリーブオイル 小さじ1
※上記材料は2kgのチワワの1食分です。
- 馬肉、卵、キャベツ、牛乳を混ぜ合わせる
2 まぶす
- 小判型にまとめた1に、刻んだソジョーズをまぶす
3 焼く
- フライパンにオイルを熱し両面を焼く
馬肉の代わりに、鶏肉のささみや胸肉・モモ肉などを使い、細かく切ったり、ミンチ状にしたものに代用しても良いですね。
おわりに
ビタミン豊富で、胃にやさしく、手に入りやすいキャベツ。そのためつい与える量が多かったり、長期的に与え続けてしまったりと、知らず知らずのうちに過剰摂取していることがあります。犬は雑食動物とはいっても、肉食動物に近い消化器官のつくりをしていますから、野菜であるキャベツを主食にすることはできません。持病がある場合はとくに与える量や調理法に注意し、健康な犬であっても食べすぎないように気をつけてくださいね。
取材・ライティング:白石 花絵(しらいし かえ)/ドッグジャーナリスト
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Follow @greendog_com監修:日笠 克枝(ひがさ かつえ)ホリスティックケア・カウンセラー 、ペットマッサージセラピスト、愛玩動物飼養管理士1級
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