2017.08.15老犬の食事

老犬だからこそ心配な下痢の症状…原因や症状、対処法について

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10歳以上の老犬とともに暮らしている飼い主さんは、ちょっとした体調の変化に敏感になりますよね。食欲や運動能力はもちろん、毎日の排泄は老犬の健康状態を図る重要なバロメーターです。特に、夏場はお腹を冷やしやすく下痢をしやすい季節。愛犬の突然の下痢に心配を募らせる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、老犬だからこそ心配な下痢の症状について、シニア犬カウンセラー山本が原因と対処法をご紹介します。

老犬が下痢になりやすい3つの理由

シニア期を迎えた老犬は、加齢による腸内環境の悪化や消化機能の衰えによって、軟便や下痢を起こしやすくなります。さらに、ストレスによる体調の変化が、下痢の症状として表われる場合も考えられるようです。ここでは、老犬が下痢になりやすい3つの理由について解説しましょう。

     理由その1:腸内環境の悪化
    犬の腸内には、人間と同様に絨毛(じゅうもう)と呼ばれるひだ状の突起があります。スムーズな消化吸収による健康な排泄を促す役割を果たしています。また、絨毛は腸内細菌のすみかでもあり、特に善玉菌は腸を健康維持に役立ち、腸を健康にします。腸の健康はからだ全体の健康に大切なことです。

    しかし、加齢とともに絨毛や善玉菌は減少し、善玉菌に変わって悪玉菌が増殖しやすい環境に変わっていきます。つまり、加齢による腸内環境の悪化によって、お腹の調子を崩しやすくなるのです。

       理由その2:消化液の分泌が減少
      シニア期は感覚器官の衰えもあり、ちょっとしたことで怖がったり、さびしがったりといった心のストレスが多くなります。消化器系は自律神経の働きによりコントロールされているため、ストレスが続くことで自律神経が誤作動を起こし、消化液の分泌が減少するなど消化吸収の働きが鈍くなります。たとえば、飼い主さんと一緒にいる時間が少ないことがストレスになり、下痢になったというような話は珍しくないのです。

         理由その3:体温調節機能の衰え
        老犬は、体温調節機能が衰えていきます。例えば、夏場にクーラーのきいた室内で長時間過ごしていると、飼い主の気付かない間にお腹が冷えている場合があります。お腹の冷えは、人間と同様に下痢を起こす原因となりかねません。室内を適切な温度に設定することはもちろん、パートナーの様子を常に気にかけてあげてください。

        老犬の下痢を防ぐために注意すべきこと

        年齢や症状に合った食事を与えていますか?

        低脂肪で消化吸収のよいフードを選ぶ
        加齢によって胃腸の働きが低下している老犬には、低脂肪で消化吸収のよいフードを選ぶとよいでしょう。例えば、成犬用のフードには、しっかりとカロリーを摂るために脂肪分が多く配合されています。しかし、内臓機能が弱っている老犬にとっては、その脂肪分が大きな負担になる可能性が高くなります。特に10歳以上で胃腸の働きが衰えてきたとみられるパートナーには、低脂肪で高消化率であるハイシニア用フード 胃腸ケア用フード が良いでしょう。

        ただし、食べ慣れたフードを急に替えるのではなく、様子を見ながら徐々に移行していきましょう。いつものフードを柔らかくふやかしてあげるだけでも消化のサポートになります。その際、食欲がなければ少し温かい温度にして匂いをたたせると、食べてくれるかもしれませんよ。

        腸内環境を整える栄養素をプラスする
        腸内環境を整える働きがある乳酸菌や、消化酵素のサプリメントで胃腸の働きを助けてあげると、下痢の予防に効果があります。現在は、腸内環境を整える物質であるバイオジェニックス の研究が進み、乳酸菌より強力に腸をサポートする商品が開発されています。

        繊維質が含まれる野菜や発酵食品のふりかけ を、いつもの食事にトッピングする方法もおすすめです。発酵食品は消化を助け、消化吸収しやすいビタミンやミネラルも豊富です。老犬の日々の健康のサポートにも、発酵食品は積極的に取り入れたい食品のひとつといえます。

        老化により、ちょっとしたことで下痢を起こしやすくなってきたら、サプリメント以外にハーブを利用するのも良いでしょう。例えば、マーシュマロウ根やスリッパリーエルム、カモミールなど、消化器官に有効とされるハーブです。ハーブには、腸の粘膜を保護して炎症を抑える働きのほか、野菜や果物のように体に必要な栄養素も含みます。ハーブの専門家がブレンド したものを毎日の食事にプラスしてみてはいかがでしょう。

        ただし、パートナーの毎日の状態を確認しながら、個々の体質に合わせた栄養素を選ぶことが基本であることも忘れないでくださいね。

         パートナーの様子を観察する
        老犬の下痢を防ぐためには、パートナーの様子を日頃から注意して観察することが大前提です。観察することで、下痢の症状が表われる前の体調の変化に気付くことができるからです。老犬の下痢は、食生活のほかストレスや環境が原因となる場合があります。老犬は体と心の両面をパピー期と同じように気をつけてあげるべき時期といえます。

        犬の腸内環境に関する記事はコチラ→愛犬の健康はお腹の中から!犬の腸内環境を整える食事やサプリメントとは?

        老犬が下痢をした時の対処法

        脱水症を防ぐための水分補給が必要

        老犬の下痢は、体の不調が表われている症状のひとつです。まずは便の形状や色はもちろん、回数や量など下痢の症状を確認することが重要となります。さらに、パートナーの様子にも十分注意してください。

        例えば、犬はお腹が痛いときに前足を伸ばしてお尻をつきあげて、遊びに誘う時と同じポーズをする場合があります。その際に、尻尾を内またに巻き込んで震えているときは「お腹が痛い」サインなのですが、これまで見たことがどういう状態なのかわかりにくいかもしれませんね。

        ここでは、老犬が下痢をした時の対処法についてご紹介しましょう。

         水分補給をこまめにする
        下痢は、体に必要な水分を一緒に体外に排出してしまいます。特に老犬は体力ないため、下痢による脱水症状は危険です。下痢をしたときには失われた水分をこまめに補給することが大切です。

        老犬は脱水気味であっても自分から積極的に水分補給をしない場合があります。そんな時は、水分を効率よく吸収できるハイポトニック飲料 がおすすめです。ハイポトニック飲料とは、浸透圧を調節することで吸収しやすくした商品のことです。水分を摂らせることが難しい状況や頻繁に下痢が続いている場合には、早めに動物病院で相談して点滴の処置をしてもらいましょう。

        老犬の下痢症状は自己判断せず獣医師の診断を
        急な下痢や何度も繰り返す下痢などを起こしている場合は、決して自己判断せず専門医による診察と治療を受けることが必要となります。下痢の状態には、水溶性の便や粘膜性の便など症状によって違いがあります。どんな状態の便なのかを確認することが必要です。血の混じったような黒っぽい下痢便や鮮血などの症状が見られたら、すぐにかかりつけの動物病院もしくは動物救急病院に連れて行ってください。

        犬の下痢に関する記事はコチラ→愛犬のうんちは健康?犬の下痢や便秘の原因と対処法

        まとめ

        老犬だからこそ心配な下痢についてご紹介しました。若い頃と異なり、下痢の原因は加齢による消化機能の衰えがあげられます。また、シニア期になると、さまざまな病気にかかる確率が高まります。つまり、老犬の下痢には、重篤な病気の前兆の可能性も考えられるのです。下痢も含めて少しでもパートナーの異変を感じたら、専門医の診断を仰ぐことが重要といえます。

        長い年月をともに過ごしたパートナーは、飼い主にとってかけがえのない存在ですが、毎日一緒にいることで、変化に気づきにくいことがあります。その点、便は健康状態を知るわかりやすいバロメーターですので今まで以上に観察してください。それと、飼い主の笑顔はパートナーにとって一番の心のケアになります。健康維持には心のケアも必須ですので、笑顔をいっぱい見せてあげてくださいね。

        GEEN DOG相談ルーム

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        山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士

        山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士

        現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOGへ。日々の業務ではパピーからシニア犬までさまざまなお悩みに対応しています。最近は介護やペットロスについてのご相談も増えてきました。自身も飼い主のひとりとして一緒に悩み考えることで研鑽を積んでいます。
        山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士

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