2016.07.04介護

介護が必要な高齢犬の運動不足を解消!老犬の散歩時間や遊び方のコツ

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介護が必要な高齢犬の運動不足を解消!老犬の散歩時間や遊び方のコツ

共に暮らすパートナー(愛犬)も、人間と同じように高齢になれば介護が必要となることも。高齢になると犬も運動量が減りがちですが、老犬(シニア犬)になっても変わらず元気でいるためには、運動による日常的な体力の維持が必要不可欠です。

しかし子犬や成犬のような遊び方や散歩は高齢の犬にとって負担が大きくなりがち。無理をすれば体調を崩してしまうこともありますよね。そこで今回は、運動量が減ってきた老犬や介護が必要な高齢犬のために、運動不足を解消する散歩や遊び方、自宅ケアについてご紹介します。

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どれくらい運動させればいいの?

散歩は犬にとって大事な時間です。ゆっくりでも歩ける老犬はもちろん、日常的に介護が必要な老犬も体を動かさなければさらに足腰が弱くなってしまいます。獣医さんに相談し、問題がなければ、可能な限り散歩や遊びの中で体を動かすようにしましょう。

老犬の散歩時間の目安はパートナーによって異なります。パートナーの歩くスピードに合わせて歩き、無理のない時間内で連れ出しましょう。散歩中のパートナーの様子を良く観察しながら、散歩中に苦しそうに舌を横に垂らしたり、口や舌が青っぽくなったりしてきた場合は、運動を中止し、すぐに獣医さんに相談しましょう。くれぐれも無理をさせないことが大切です。

足腰が弱くなってきた老犬が長時間歩くことは負担が大きいもの。散歩や遊ぶ時間は1日数回に分け、犬への負担が大きくならないよう気を付けてあげましょう。散歩は途中で休憩をとったり、天候が良く暑くない時間帯に歩行補助用のハーネスやペット用のカートを使って外出したり、足の負担が大きくなる砂利道や段差の多い場所を避けたりなど、体や足の負担にも考慮した散歩をしてあげましょう

自宅でできる足腰のケア

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足腰が弱くなり散歩が難しくなったパートナーの運動には、マッサージや屈伸運動なども効果的です。

体は、頭の上からおしりに向かって背骨に沿うようになで、足は、足の付け根から指先まで、筋肉に沿って手のひらで優しく撫でたり、筋肉をほぐすように指先で円を描きながらマッサージしたりします。肉球や水かきまで優しくもんで刺激を与えるなど、ゆっくりと優しい力加減でマッサージをするのがコツです。

そしてマッサージの際にゆっくりとした屈伸運動を入れると、関節に負担をかけずに運動をすることができます。肩や腰に手を添え、パートナーの表情を確認しながら、もう片方の手でゆっくりと、手足の曲げ伸ばしを行います。可動域を日頃から確認しておくと、パートナーに負担をかけないように気をつけてあげられますね。

特に寝たきりなどで介護が必要な場合は、筋肉が固まってしまうのを避けるためマッサージや屈伸運動は、ぜひ習慣付けると良いでしょう。ただし、パートナーによっては痛みがあったリ、動かさない方がよいこともあります。かかりつけの獣医さんに相談して、必要に応じて指導を受けましょう。

室内では、好きなオモチャで「持って来い」や「引っ張りっこ」をしてみましょう。激しい動きでななくゆっくりとした動きで遊んであげると良いでしょう。

小型犬の場合は、人が床に座りオヤツで誘導しながら、膝の上をまたがせたり、曲げた膝の下をくぐらせたりしてみましょう。中・大型犬は、立っている人の股の下をくぐらせたりするなど、日常的にパートナーとの楽しい遊びの中に、意識して運動を取り入れるようにしましょう。

また、オヤツを鼻先に示しながら「おすわり⇔伏せ」「おすわり⇔立て」の動作を繰り返すことで、前後の足のスクワット運動になります。いずれもパートナーの表情を見ながら、疲れない範囲で楽しく続けることが大切です。

散歩や運動後には、パートナーを癒すアロマテラピーを取り入てみてはいかがでしょうか。鎮静・鎮痛作用のあるラベンダーやクラリセージ、強壮作用のジュニパーなどの精油を洗面器に入れた50℃程度のお湯に数滴垂らし、タオルを浸して絞ります。熱すぎないように確認して、パートナーの腰や肩などに当ててあげましょう。皮膚と鼻からも芳香成分が吸収され、リラックス効果が期待できます。

ただし、パートナーに初めてアロマテラピーを用いる場合は、パッチテストをお勧めします。精油を0.25%以下に希釈し、皮膚の柔らかい所にごく微量塗って24~48時間放置し様子を見ます。万が一異常が出た場合は大量の水で洗い流し、念の為獣医さんに診せましょう。子犬や妊娠中のパートナーには体に直接つけるのではなく、芳香浴をおすすめします。

犬は嗅覚が発達しています。量が多すぎると逆効果になってしまいます。アロマオイルの量に注意して、パートナーと一緒に癒しの時間を過ごしましょう。

老犬にとって優しい散歩の時間帯とは

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老犬を散歩に連れて行くときは、時間帯にも気をつけてあげましょう。

特に夏場のアスファルトの表面温度は、日中で50度を超えることもあり、地面近くを歩くすべての犬にとって、かなりの負担になります。体力が落ちた老犬は言うまでもありませんね。夏場の散歩は、アスファルトが熱くならない早朝がおすすめです。

早朝に散歩に出て日光に当たると、精神的な落ちつきや満足感、睡眠などに影響する神経伝達物質のセロトニンが分泌されるといわれています。

またセロトニンが増えると体内時計を司るホルモンであるメラトニンの分泌が増えるといわれており、人の場合と同じく、日光に当たることでパートナーの生活リズムを整え情緒や睡眠に良い作用があるのではないかといわれています。

人の分野では研究が進められていますが、夜鳴きなど認知症症状の予防や緩和などの効果が犬にもあるのではないか、と注目されています。日光は、他にもカルシウムの吸収に役立つ成分であるビタミンDの生成など、心にも体にも良い作用をもたらすのではないかといわれています。

散歩が難しい老犬も、小型犬なら抱っこで連れ出したり、大型犬なら、時間を見つけて芝生があるような大きな公園まで車で連れ出したりなどの工夫をしながら、適度に日光浴をさせてあげるとよいでしょう。

しかし老犬は、体力の低下から体調を崩しやすくなっている場合もあります。辛そうな表情やしぐさが見えたら、くれぐれも無理をせず散歩やお出かけを中止してあげましょう。

おわりに

老犬になると散歩をするにも運動するにも、成犬とは違ったケアが必要になります。工夫が必要になったり、今まで以上に気を配ったり、手間も時間もかかるかもしれません。

けれど、飼い主との散歩や遊びの時間はパートナーにとって、この上なく楽しく大切な時間です。体力の低下を防ぐだけでなく、一緒に過ごす時間が何よりの喜びとなり、それがまた活力となって、パートナーの健やかな生活を支えていくはずです。パートナーの健康のために、一緒にすごす日々を楽しみながらサポートしてあげましょう

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「犬のココカラ」編集部 チームGREEN DOG 監修・執筆

GREEN DOGの獣医師、トレーナー、カウンセラー、グルーマーなど犬の専門資格を持ったプロたちが一つのチームとなって、責任を持って執筆または監修しています。