犬の白内障にも効果を期待!犬にブロッコリーを与えるときに最適な量や簡単レシピ
犬の白内障の治療法は確立していませんが、抗酸化作用のある食べ物やサプリメントを摂ることが、老化による白内障の発症の予防策のひとつと言われています。
そこで今回は、白内障予防が期待できる抗酸化作用や、肝臓をサポートすることにも効果が期待できるブロッコリーに注目し、成分、与え方の注意点、簡単レシピをお届けします。
犬にブロッコリーを与えても大丈夫?
犬に効果が期待できるブロッコリーの栄養素
・スルフォラファン
・ビタミンC
・βカロテン
・カルシウム
・ミネラル
ブロッコリーの選び方と保存方法
ブロッコリーの与え方と量とは?
犬にブロッコリーを与えるときに注意すること
ブロッコリーを使った簡単レシピ
おわりに
犬にブロッコリーを与えても大丈夫?
ブロッコリーは、アブラナ科アブラナ属の野菜です。キャベツや小松菜、大根、白菜と同じ種類の野菜です。旬は、11月〜3月。野菜の種類が少ない冬の時期の貴重な野菜といえますね。
人間用の食材としても栄養価が高く健康に良いとされる野菜です。犬にとってもいろいろなメリットが期待できる成分が含まれます。ヒトよりも野菜の消化が苦手な犬に与えるには工夫が必要ですが、蕾も芯の部分も与えることができます。生だと固くて消化しにくいので、ブロッコリーは基本的に茹でて与えましょう。
茹でたブロッコリーの茎の部分は、ヘルシーなオヤツになります。特に小型犬には適度な歯ごたえがあり喜ぶ犬が多いようです。ただし外側の皮は厚めに除いてくださいね。
犬に効果が期待できるブロッコリーの栄養素
- スルフォラファン
- 抗酸化力や解毒作用が高い栄養素です。老化やがん予防に効果的だと言われているイオウ化合物の一種で細胞膜をイキイキさせることに期待できます。また、抗酸化栄養素としての役割が大きいアミノ酸であるグルタチオンの生成を促し、肝臓で毒性の物質を尿と一緒に体外に排出できるようにします。スルフォラファンは、肝臓の仕事をサポートします。
- ビタミンC
- ブロッコリーはビタミンCが豊富。抗酸化作用があり、コラーゲンの材料にもなります。特に茎にはビタミンCやうまみが豊富。茎を捨てるのはもったいないのです。外側の硬い皮を除いてぜひ利用しましょう。犬は人と違ってビタミンCを作る能力があります。しかしストレスや老化によって要求量が高まりますから、やはり犬にとっても大事な栄養素であり、食材から補うことが必要です。
- βカロテン
- ブロッコリーにはβカロテンも豊富。強力な抗酸化力を持ち、活性酸素を除去してくれます。過剰に発生した活性酸素は細胞を傷つけ、老化を進める原因になります。老化を少しでも遅らせるためには余分な活性酸素を出来るだけ除去することが良いといわれています。目の老化現象である白内障の予防にも役立ちます。βカロテンは体内で目の健康に役立つビタミンAに変換され、肝臓に蓄えられます。ビタミンAは抗酸化ビタミンと呼ばれ、視力の維持、粘膜の健康などにも役立ち、肝臓と目の健康には不可欠な栄養素です。
βカロテンとDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が合わさることで血管を強くするといわれます。その結果、脳を活性化し、アンチエイジングも期待できます。ブロッコリーと魚油などの多く含まれるオメガ3脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)を食材から一緒にとると理想的です。
またブロッコリーには、イソチオシアネートというイオウ化合物も含まれており、抗酸化作用に加え、がん細胞の増殖を抑える働きがあることからがん予防に役立つといわれています。
- カルシウム
- ブロッコリーに含まれているカルシウムはとても吸収率がよいといわれています。
- ミネラル
- ブロッコリーは、カリウムや鉄などのミネラルを含んでいます。ブロッコリーにはビタミンも含まれるのでミネラルを効率良く吸収できます。ミネラルがないとせっかく摂った栄養素を体の中でうまく利用できないので、微量でも体に必要なものなのです。
ブロッコリーの選び方と保存方法
茎が変色しておらず、外葉がしっかり張りがあり、蕾の部分は固く密につまっていて、締まっているものが良いものといわれます。また緑が濃いものを選びましょう。
ブロッコリーは、小房に分けて軽く30秒程度で茹で、保存袋に入れて冷凍すると保存がきき、便利です。茹ですぎると水溶性ビタミンであるビタミンCが水に溶けて減ってしまうため、注意しましょう。茹でた後に流水で冷ます際も、素早くしてすぐに水気を取りましょう。
ブロッコリーの与え方と量とは?
肝臓の健康や白内障予防に役立つなんて夢のような野菜ですが、与えるなら体重4kgの犬の場合で、せいぜい小さな1房程度でしょう。
本来、野菜は、細かく刻んで消化吸収しやすいように工夫してあげたほうがよいですが、ブロッコリーのように、茹でればそのままでも犬が喜んで食べてくれるものに限っては、歯ごたえを楽しませてもよいでしょう。パートナーが喜ぶ表情をよく観察してみてください。一生懸命、食べる姿は愛おしいものです。ただし、胃腸の働きが弱いパートナーは、用心深く与えてくださいね。
犬にブロッコリーを与えるときに注意すること
ブロッコリーには、食物繊維も豊富。けれど繊維質の大量摂取は下痢など、消化器への負担が大きくなることがあります。与えすぎは健康を害する心配があります。
また、アブラナ科の植物であることから、ゴイトロゲンという甲状腺腫誘発物質(甲状腺ホルモンの合成を阻害する)を含みます。そのため大量に食べると甲状腺機能低下症を引き起こす可能性があります。すでに甲状腺に問題がある場合には避けたほうがよいでしょう。ヨウ素などのミネラルが甲状腺機能低下をサポートします。気になる場合は、アブラナ科の野菜と一緒に細かい刻んだ海藻類(わかめ、ひじきなど)も一緒に与えましょう。
そのほか、個体によってはブロッコリーにアレルギー反応を起こす場合があります。アレルギーは肉類だけでなく果物や野菜に含まれるわずかなタンパク質でも起きる場合があるのです。ブロッコリーでは蕾にアレルギー誘発因子があるといわれています。初めて与える際、不安であれば茎のみを与えて様子をみましょう。また、関節炎など体に炎症がある場合も蕾の部分は避けて茎のみ与えると良いでしょう。
シュウ酸を多く含む食材でもあります。結石ができやすい犬はとくに注意し、結石ができたことがない犬にも与えすぎはよくありません。
ブロッコリーを使った簡単レシピ
サバ 30g
ブロッコリー 10g
トマト 10g
小麦粉 5g
ニンニク 2g
しょうが 2g
ウコン 2g
オリーブオイル 小さじ1/2
水 適量
※上記材料は2kgのチワワの1食分になります
- 1 切る
- さばを一口大に切り、小麦粉とウコンをまぶす。
- 2 焼く
- 鍋にオリーブオイルを熱し、みじん切りにしたニンニク、しょうがを炒め、1.の両面を焼く。
- 3 煮る
- あらく刻んだトマト、ブロッコリー、水を加えてかるく煮る。
βカロテンとDHA、EPAが合わさることで血管を強くし、脳を活性化することが期待できます。レシピのようなブロッコリーと青魚、鮭と一緒に組み合わせた犬ごはんがおすすめ。カロリーアップを目指すなら、ブロッコリーにチーズをのせてイタリアン風にしてもよいでしょう。
ブロッコリーを使ったレシピをもっと見る→今日の晩ごはん(ブロッコリー)
おわりに
ビタミンCや抗酸化栄養素など機能性栄養素が豊富なブロッコリー。私たち(人間)も風邪予防に常備したい野菜です。まとめて茹でて、小分けにして冷凍保存し、パートナーにも適量を分けてあげましょう。人間が食べるときに愛犬に分けてあげれば、手間がかからず、利用しやすい食材ですね。
ただし、与えすぎは禁物。一つの素材として扱うのですから、ブロッコリーばかりをたくさん与えることは控えてくださいね。
取材・ライティング:白石 花絵(しらいし かえ)/ドッグジャーナリスト
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Follow @greendog_com監修:山本 由能(やまもと ゆの) ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範
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