2016.11.17食事ケア

愛犬のドッグフードの切り替え方法や切り替え時の注意点

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愛犬のドッグフードの切り替え方法や切り替え時の注意点

最近は、たくさんの種類のドッグフードがお店に並んでいます。愛犬の好みや、体質でドッグフードを選ぶ人も多いことでしょう。愛犬のために「別のドッグフードに変えてみたい」そう考えたとき、いったいどんなことに気をつけたらよいのでしょう。

今回は、ドッグフードの切り替え方法や気をつけてあげることについてお届けします。

どんなドッグフードがあるの?

「ドッグフード」というと、どんなタイプを思い浮かべますか?形状、硬さ、量、質の違いで、実にさまざまなタイプがあります。

ドライタイプ
一般にドッグフードといえば、このドライタイプ。カリカリに乾燥した、直径1センチ前後の大きさの粒状のものが多いです。総合栄養食と表示され、水とそのフードのみで健康維持ができるという栄養バランスのものが主流です。そのほか、飼い主がアレンジして与えるものや、シニア犬や病気ケアのための療法食もあります。形状も小型犬が食べやすい小粒、パウダー状、麺状などさまざまです。

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ウェットタイプ
缶詰やレトルトパウチに入っているウェットフードは、香りがよく、喉に通りやすくて食べやすいなど嗜好性が高く、食が細い犬や好き嫌いがある犬に人気があります。ただ、主食となる総合栄養食なのか、おやつ・トッピング用の副食なのか、パッケージのラベルをよく確認しましょう。総合栄養食ではない場合、それだけを与えていては栄養不足になるので注意します。また水分が多い分、見た目よりもカロリーが低いので、ドライタイプより嵩(かさ)を多く与える必要があります。

フリーズドライタイプ
フリーズドライとは、凍結させた食品を真空状態にして、水分を乾燥させる技術のこと。フードに含まれる水分量が極端に少ないため、添加物を基本使用しなくても常温で長期保存できます。また加熱していないので、食材の栄養価をそのままキープできるのもよいところ。ヒト用の食品では、インスタント・コーヒーやお湯を入れるだけで出来上がる味噌汁などがありますね。犬のためのフードにも近年フリーズドライのものが増えています。水やぬるま湯で戻すと簡単に生食ごはんになるものや、手作りごはんの応援食材となる野菜のフリーズドライなどがあります。ヒト用では宇宙食や非常食に採用されるなど、軽くて、常温で長く保存できるので、愛犬用にも災害時の非常食として準備しておくのにもおすすめです。

新しいフードに切り替えるときは

フードを切り替えるときは、まず新しいフード1割程度をいつものフードに混ぜて与えます。2日目は2割程度、3日目は3割程度と、1週間から10日間くらいかけて、毎日1割程度ずつ新しいフードの量を増やし、いつものフードを減らしていきます。おなかが弱い犬の場合は、もう少し長い期間をかけて、ゆっくり移行していきましょう。

ドライフードからウェットフードに切り替えたい場合、ドライよりウェットの方が、水分を多く含んでいる分、嵩が多くなることになります(同量だとウェットの方がカロリーは低い)。しかし、犬の胃袋に入る許容量は急に変わるわけではないので、ウェットフードの推奨量を与えると負担になることがあります。最初は、今までと同じくらいの見た目の量にして、徐々に個体にとってベストな量に増やしていきましょう。

食事を変えて下痢になったら

愛犬のドッグフードの切り替え方法や切り替え時の注意点

切り替え時に、軟便や下痢になったら「1日くらい絶食させて、胃腸を休ませよう」と言うのが一般的なアドバイスですが、絶食することがストレスとなり、よけいに不調になる犬もいます。下痢ばかりか血を吐く子もいます。

絶食させる方がいいのかどうか、それは飼い主にしか判断できないこと。パートナーを観察する目を養うことが大切です。

切り替えている途中で体調が悪くなった場合は、状態に合わせて胃腸を休ませ、いったん以前のフードに戻して回復を待ちます。新しいフードへ2回目のチャレンジを行う際は、完全に良い便が出るようになってから、1回目の切り替えよりも用心深く行います。たとえば、1日目は1割程度ではなく、その半分くらいの量から始めましょう。

それでも下痢をする場合は、フードが体質に合わないことも考えられます。もしかしたら愛犬にとって、アレルギーのもととなるものが入っているのかもしれません。体質的に合わない場合は、違うフードにした方がよいと見極める必要もでてきます。

下痢や軟便が続くようなら、動物病院で診察を受けることをおすすめします。また切り替え初日であっても、元気消失、血便、水下痢などひどい症状の場合は、すぐに病院へ。そのほかの異変でも、飼い主の直感で「なにかおかしい」と思ったら、早めに獣医師に相談へ行きましょう。診察の上で問題ないとわかれば、安心できますね。

フードの購入は食品として扱っているところで

愛犬のドッグフードの切り替え方法や切り替え時の注意点

現在、数多くのドッグフードが流通し、多様化も進んでいます。一体どのフードが良いのか、情報が多すぎて迷ってしまいますね。けれど、まずそのパートナーの体質に合ったものがパートナーにとって一番良いフードであることになります。

では、何でも食べてくれて健康維持できているパートナーなら、どんなフードを選んでも良いのでしょうか。

過去に、ペットフードで大きな悲しい出来事があったことをご存知の方は多いことでしょう。2007年にアメリカで大問題となったのは、有害物質であるメラミンが混入した原料を用いて製造されたフードにより、多くの犬・猫に健康被害が発生した事件です。

これを契機として、日本でもペットフードの安全確保に緊急に取り組むべきであり、法規制の導入を急ぐ動きが起こりました。その後、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(通称ペットフード安全法)が2009年6月1日より施行されました。この法律により、ペットの健康に悪影響を及ぼすペットフードの製造、輸入または販売は禁止されることになったのです。

また、このようなフードの中身の安全性はもちろんのことですが、製造後のフードの取り扱いにも注目しましょう。私たちが食材を購入する際、それを購入するお店の状態も気になりますよね。汚れた棚や、見るからに傷んだ野菜や果物、色の悪い肉などは買いたいと思いません。

犬の食事も同じ。いつまでも健康でいて欲しいと願うからこそ安全なものを与えたいと願います。家庭犬は自分の食べるものを、自分で選ぶことはできません。飼い主だけが頼りです。そのため、できるだけドッグフードの品質管理に配慮している店で購入することが大切です。

お店を見極める方法のひとつは、ドッグフードを雑貨扱いではなく、食品として大切に取り扱っているかどうかです。インターネットではその判断は難しいですが、その企業や店が何を大切にしているかという想いやミッションを知ることが出来るとよいですね。大切な私たちの家族が口にするものは、安全であることが当たり前であってほしいものです。

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おわりに

食べ物に関しては、個体差が大きいものです。メーカーの推奨の給与量はあくまでも目安に過ぎません。同じ体重の犬同士でも、犬種差、運動量などの差によって、必要とするエネルギーの量は変わります。また、避妊去勢したからといって、すべての犬にダイエットが必要となるわけでもありません。過度な体重管理で栄養失調気味になっている犬もときどき見られます。

犬は、生き物。ロボットではないので、マニュアルどおりにはいきません。ちゃんと個を見てあげることが何よりも大切です。そこで重要となってくるのが、やはり飼い主の観察力と想像力。しっかりとパートナーの状態を見て、その子に合った給与量や切り替え期間にしてあげましょう。

取材・ライティング:白石 花絵(しらいし かえ)ドッグジャーナリスト

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愛犬のドッグフードの切り替え方法や切り替え時の注意点

監修:山本 由能(やまもと ゆの) ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範

現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOGへ。 自身も飼い主のひとりとして愛犬との生活を楽しみ介護も経験。 日々の業務では主に犬の栄養学や健康維持に関する情報を発信しています。
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最新記事 by 監修:山本 由能(やまもと ゆの) ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範 (全て見る)