【犬との暮らし】愛犬救命3~冬の温めすぎに注意!?~
ホリスティックケア・カウンセラーで、愛犬救命協会理事長の加藤です。愛犬救命協会では『救える命を救いましょう』をモットーに、1)もしもの緊急事態に対応するノウハウ 2)もしもの緊急事態を回避・リカバリーのためのホリスティックホームケア 3)不幸な命を救う保護活動の応援 という命を救うための3本の柱をテーマに活動しております。
愛犬救命第3回目のコラムは寒い冬だからこそ、起こりうるパートナーの緊急事態について知っておきたい心構えについてお伝えします。
愛犬救命シリーズの記事一覧はコチラ→【犬との暮らし】愛犬救命1、2
目次
冬の『温め』に潜む愛犬のもしも
寒さ深まる冬。「パートナーの身体を冷やさないように。」と室内をポカポカと暖房したり、お風呂に浸からせたり…など色々な工夫をされているオーナーも多いことでしょう。
ですが、そのような状況では下記のようなもしもの事態がパートナーに起こるリスクが潜んでいます。
ホットカーペットやヒーターなどによる低温火傷
暖房器具などの電源コードによる感電
室内の温めすぎや浴室内などの熱中症
低温火傷の対処と予防
ヒーターなどの暖房器具に『近づきすぎ!』というくらい近づきすぎるパートナーって多くないですか? 我が家の愛犬たちも例にもれず、ビックリするくらい被毛が熱くなるまで温風にあたっていることがあります。犬の身体は被毛に覆われているため、熱が皮膚にすぐには伝わらず、気付いた時には被毛が焦げていたり、低温火傷をしていることがあります。このような場合は、通常の火傷と同じように氷のうや保冷材で患部を冷やします。低温火傷は見た目が軽くても深部にまで達していることがあります。数日後に症状が表れてくることがあるため、異変を感じたらすみやかに動物病院を受診してください。
低温火傷は体温より少し高めの熱に長時間(通常3~4時間)さらされることで起こります。ヒーターやコタツ、ホットカーペットの使用は人が一緒にいる時のみにして、見ていられない時は湯たんぽや電気を使わない保温性の高いマットなどの保温グッズなどを使うと良いでしょう。
感電に注意
いたずら盛りのパピーなどは暖房器具のコードをかじってしまうことがあります。もしも感電に気付いたら、まずパートナーに近づきたい気持ちを抑えてブレーカーを落としてください。でないと自分も感電してしまいます。さらに、二次感電を防ぐため、ゴム手袋をしてからパートナーに触れてください。呼吸・心拍がない場合は心肺蘇生法を優先して行います。
我が家ではコンセントの差し込みを全て犬たちが届かない位置に作っていますが、たまたまコンセントが抜けていた状態のコードを当時預かっていた保護犬に咬みちぎられたことがあります。通電していなかったので、大事には至りませんでしたが危険を実感したことがありました。浴室内でのドライヤーで事故が起こったケースもあるそうです。可能ならば電気コードカバーで隠したり、なるべくイタズラしにくい配置にするなど予防策をとると良いですね。
冬にも熱中症は起こる
熱中症の症状
ハァハァと苦しそうな息遣いの呼吸
よだれ
意識がない・元気がない
脈拍・心拍が早くなる
体温が高い
目の異常(充血や眼振) など
熱中症への2つの対処法
熱中症が疑われる場合、体温上昇と脱水が起こっている可能性があります。
その場合の対処法は①冷やすことと、②失われた水分を補給することです。
① 体を冷やす方法
- 保冷剤や氷のうをタオルやバンダナで巻いて首、脇の下、鼠径部に置きます。また、バスタオルを水で濡らして絞ったものを体にかけて、うちわなどで風を送り、気化熱で熱を放散させます。
- 体液が急激に失われ、脱水を起こしている状態ではまず水分補給が大切です。意識がない場合は誤嚥してしまう可能性がありますので、動物病院で必要に応じた処置をしてもらってください。意識がある場合は可能ならば水道水ではなく身体が吸収しやすい状態で補給してあげられると回復をより早められる可能性が高まります。
水分補給では血液や体液よりも浸透圧が低く、体内に素早く吸収されるハイポトニック飲料 が理想です。最近は口にしやすい風味をつけたペット用のハイポトニック飲料も販売されていますので、常備しておいても良いでしょう。下痢などで脱水した時にも使えます。市販のスポーツドリンクは体液とほぼ等しい浸透圧で、体内にゆっくり吸収されアイソトニック飲料が多いです。糖質の含有量が2.5%くらいで吸収しやすくなりますので2~3倍に薄めて与えてください。水分を与える時は一気に飲ませず、何回かに分け少しずつ時間をかけて与えます。スポイトやシリンジを使って飲ませても良いでしょう。その場合は口の脇(犬歯の後ろ~奥歯の間)に差し込みゆっくり少しずつ水分を流すようにします。
冬の熱中症を予防するために
人にとっての快適温度はパートナーにとっては「暑く」感じるかもしれません。室温が暑すぎないかパートナーの状態を観察しつつ、温風が直接身体にあたらないようにする、逃げ場(涼しい場所)に移動できるようするなど意識してあげて下さい。また、冬の熱中症の原因の1つである乾燥が気付かぬうちに脱水を誘ってしまう可能性があります。加湿器などで室内の湿度を保ったり、こまめに水分補給を促したりすることも有効です。
パートナーが好きな時にいつでも新鮮な水を飲めるようにしておきましょう。もし積極的に水分を摂りたがらないパートナーや、動くことが億劫になって水分が欲しくても摂りに行かないシニアなどはヤギミルク 、や肉の風味がついたスープ 、無糖ヨーグルトを水で薄めたものなど好んで飲んでくれそうな物を見つけたり、工夫をしたりして水分摂取を促してあげましょう。
余談ですが、我が家で預かっているシニアの保護犬『教授』は目も見えず、耳もほとんど聞こえないのでなかなかコミュニケーションをとることは難しいのですが、最近ゴボウ茶がお気に入りです。
終わりに
熱中症は日々の生活の中で意識して暮らすことで回避できることが多い『もしも』です。また即座に対処できればダメージを最小限に抑え、早期の回復につながることも多くありますので、頭の片隅に置いておいていただけましたら幸いです。
※次の記事はこちら
→愛犬救命4~ヒートショック(急激な寒暖差)に注意!
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Follow @greendog_com加藤 志乃(かとう しの)日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー
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