弱った体やおなかに。ハーブで愛犬の夏バテ対策を
こんにちは。ホリスティックケア・カウンセラーで日本アニマルフィトセラピー学術協会理事長の加藤志乃です。
残暑厳しい時期、そろそろ夏バテの症状や疲れが出てきている飼い主さまやパートナーも多いのではないでしょうか?
今回は夏バテ対策にパートナーと一緒に使いやすい身近な食材・ハーブを2つご紹介したいと思います。
夏バテはどうして起こるの?
高温・多湿な日本の夏は、冷房で冷え切った部屋と外気温の激しい気温差に対応するために多大なエネルギーを必要とします。また、暑さで食欲がないからと食事を抜いたり、冷たいものを摂りすぎたりすることで内臓機能も低下しやすくなります。
このような過度に負担がかかった状態が続くと、だるくなったり、胃腸の働きが弱まったりして夏バテと呼ばれる状態になります。
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疲れた体には、赤い実を
疲労が体に溜まっている夏バテには、ビタミンCがたっぷり含まれるローズヒップも良いですが、特に長期的に疲弊した体の回復には、代謝機能を強化してバランスを回復してくれる「アダプトゲン」と呼ばれるハーブが効果的です。
アダプトゲンとは精神的・物理的なストレスへの抵抗力を高め、弱った体を強化して正常な状態戻す強壮作用のことです。免疫力を強化して、ストレスを解放してくれるハーブとして、がんをはじめとするストレス関連疾患への影響が注目されています。
アダプトゲンには以下のハーブや生薬があります。
※上記は動物への使用実績があるハーブですが、持病や体質、薬との併用など使用するにあたっての注意が必要なものもあります。事前に注意点などご確認ください。
冬虫夏草・霊芝のサプリ
アダプトゲンハーブの中からお店のスパイスコーナーや中華食材売り場で入手しやすく、最近では薬膳素材として知られるゴジベリー(クコ)をご紹介します。
<英名> Wolfberry/Goji Berry
<和名> クコ
<科名> ナス科
<使用部位> 実
<主な成分> ベタイン、ゼアキサンチン、β-シトステロール、リノレン酸、ミネラル、ビタミンB、C
<作用> 滋養強壮、抗酸化
日本人にとっては「クコの実」という名前の方がなじみ深いかもしれません。杏仁豆腐の上に乗っているあの赤い実です。最近ではスーパーフード「ゴジベリー」として世界中から注目されています。
含まれている栄養素はおおよそ100種類!肝と腎を補う薬膳素材として、伝統的に使われてきました。抗酸化作用も強く、滋養強壮に優れているため、生活習慣病予防や疲労回復、病中病後の体力増強、視力減退などにも有効です。
甘みがあるため乾燥実のままおやつにして与えたり、ごはんにトッピングしたりしてあげても良いでしょう。パートナーに与える場合は小型犬で1~2粒、中型犬で3~5粒、大型犬で5~10粒くらいを1日の目安としてください。
食欲不振で弱ったおなかに。ショウガパワー
世界最古の伝統医学アーユルヴェーダでは弱った消化力が毒素の蓄積や免疫力の低下を招き、やがてあらゆる病気を引き起こすと考えられています。確かに胃腸の働きが弱ると栄養の吸収や食欲にも影響が出て、だるさや免疫力にも関わってきます。
弱った胃腸に働きかけてくれる、1年を通して手に入りやすくて人にも犬にも使える身近な優秀食材がショウガ。
料理にはもちろん、世界中で伝統的に使われてきた薬効高い生薬でもあります。
<英名> Ginger(ジンジャー)
<和名> ショウガ
<科名> ショウガ科
<使用部位> 根茎
<主な成分> 精油(ジンギベレン他)、辛味成分(ジンゲロール、ショウガオール)
<作用> 消化促進、鎮痙、駆風、制吐、循環刺激、制吐作用、鎮痙作用(消化管の筋肉を弛緩させ痛みや不快感を和らげる)、抗酸化作用、血液循環促進、抗炎症、鎮痛、殺菌
アジア原産のショウガは紀元前からきわめて重要な薬草として、消化促進、吐き気の緩和、風邪・気管支炎の治療、血行改善などに使われてきたという記録が残っています。現代でも漢方薬の7割に使われているほどの薬効の高さです。
ショウガには毒消し作用があると言われていますが、アーユルヴェーダではショウガを食前、または食事と同時に摂ると消化力を高め、その時食べたものを毒素にしないように働き、食べ続けることで、今まで溜まった毒素も消化してくれると考えます。
また、ショウガは温める性質を持つ「温」の食材でもあります。夏場の食欲不振、消化不良はお腹が冷えている場合がほとんどです。さらには人間の目線より低い場所で生活しているパートナーたちは、クーラーの冷気で足先が冷えていることも多いので、ほんの少量、ショウガのすりおろしを食事に加えてあげると冷えの予防にもなります。ただし、生のショウガは食べすぎると身体を冷やしますので、ご注意ください。
身体を温めたい場合は、一度加熱すると体を温めてくれる成分・ショウガオールが増加します。
ドライフードを与えていてすりおろしが加えにくい場合は、水に2~3枚スライスを入れ、沸かしたもの加えてあげても良いです。その場合は火傷しないように冷めてから与えてくださいね。
おわりに
夏に溜め込んだ疲れは秋から冬にかけての免疫力に影響するので、残暑のうちに対処しておくことが大切です。薬と食べ物は源が同じという事を意味する薬食同源という言葉があります。今回ご紹介した2つはまさに薬草にもなり、食材にもなる優秀かつ簡単に手に入る植物です。ぜひ活用して早いうちに夏の疲れを取り除いてくださいね。
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