2018.01.16一緒に。もっと、

愛犬の手作り食、アメリカ版レシピ

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愛犬の手作り食、アメリカ版レシピ

今回は ガニング亜紀 さんの記事です。
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我が家の犬たちの食餌は基本的に私が調理する手作り食です。市販のドッグフードから移行して約11年になりました。

最初の頃は日本の書籍を読んで勉強していましたが、2007年に起こったドッグフードメラミン混入事件をきっかけに、アメリカでも犬に手作りの食餌を与える人が増え始め、最近では書籍でもネットでもアメリカ発の手作り食の情報が簡単に手に入るようになりました。そうして日本とアメリカの犬の手作り食のレシピを見比べると、国民性が出ていておもしろいのです。

日本発の丁寧なレシピに比べて豪快で合理的なアメリカの手作り食、どんなものかご紹介しますね。

スロークッカーで全部煮込んでシチュー風

愛犬の手作り食、アメリカ版レシピ

我が家で少しアレンジしたシチュー風レシピ

タイマーのついた電気鍋で、食材を一気に放り込んでスイッチを入れたら後は放っておくだけ。犬の手作り食にも大活躍します。

カリフォルニアのグレッグ・マルティネス獣医師はスロークッカーを使った犬の食餌本『Dr.Greg’s Dog Dish Diet』で初心者向けのレシピを紹介しています。

材料は
● 骨なし鶏肉または牛赤身または魚 450g
● 鶏レバー、心臓など内臓肉 30〜90g
● 卵 1〜2個
● 米 カップ1と4分の1
● 冷凍サヤインゲン 450g
● 骨粉 小さじ1

これらを全部と材料がかぶるくらいの水をスロークッカーにいれてスイッチを入れるだけ。調理時間は4〜8時間。食べる時に、犬の体重に合わせたビタミンEとフィッシュオイルをプラスします。給餌量は市販のウェットフードに表示される量が目安になります。

とてもシンプルでベーシックなレシピなので、ブレンドハーブや犬用のトッピングふりかけをプラスするのも簡単です。野菜を他のものに置き換えたり、米をオートミールに変えてもOK。骨粉は卵殻カルシウムパウダーやカツオ骨パウダーなどにも置き換えられます。見た目はあんまり良くないのですが、数日分まとめて作って冷蔵か冷凍しておける重宝レシピです。

手作り食もドライフードというのがアメリカ的

愛犬の手作り食、アメリカ版レシピ

これはほぼ同じレシピで、焼き時間45分だけで仕上げたミートローフ風

アメリカ版の犬ごはんのレシピを検索すると、上記のようなシチュー風のものも多いのですが、意外とたくさん出てくるのが「家庭で作れるドライフード」というタイプです。私も最初は「わざわざ家で作るのにドライ?」と思ったのですが、旅行の時などには助かるなと思い直し、レシピを取ってあります。

いろんなレシピがあるのですが、紹介するのは『Dinner for Dogs』の著者ヘンリエッタ・モリソン氏の小麦粉を使わないレシピです。

材料は
● 米 200g
● レンズ豆 100g
● 水 1250ml
● 刻んだニンジン 200g
● 刻んだスイートポテト 200g
● 刻んだリンゴ 1個
● オートミール 100g
● 鶏ミンチ 500g
● オリーブオイルまたはキャノーラ油 50ml

米とレンズ豆と水をお鍋に入れて沸騰したら弱火で20分、そこに鶏ミンチとオイル以外の材料を加えてさらにコトコト20分。

別のフライパンで鶏ミンチをしっかり炒めておきます。上記の野菜類と鶏ミンチとオイルをフードプロセッサーにかけます。

混ぜ合わせたものを天板に広げ、180℃に予熱しておいたオーブンでまずは45分、ひっくり返してさらに45分焼きます。

オーブンを160℃に下げて、取り出して包丁で小さく切り分けたフードを戻してさらに1時間。焦がさないように気をつけながら完全に乾いていれば出来上がりです。

この分量で作るとかなりの大量になるので、いかにもアメリカの巨大なオーブン向けのレシピですね。このレシピもシンプルなのでハーブやフラックスシード、カルシウムパウダーなどをプラスしやすいものです。

豪快なアメリカン生食レシピ

最後に紹介するのは、バランスの取れた素晴らしいものながら量も作り方も豪快過ぎて「ちょっとうちでは無理」と思ったレシピです。でも日本で紹介される犬ごはんとは大きく違うので話のタネに「へ〜」とご覧になってみてください。

ホリスティックヘルスカウンセラーで『The Healthy Homemade Pet Food Cookbook』の著者であるバーバラ・ライーノ氏による、加熱は一切なしの生食レシピです。

材料の単位からしてビックリですよ。

● 皮なしチキン首肉 18kg
● チキン心臓 4.5kg
● チキンレバー 2.5kg
● 鮭缶 2缶
● にんじん 1〜2kg
● 紫キャベツ 半個
● パンプキンシード 1カップ

上記をすべて、グラインダー(肉挽き機)にかけて混ぜ合わせます。
(これだけの材料を全部挽くグラインダーはかなり大型のものになりますので、アメリカの家庭でもどこにでもあるというものではありません。)

全部が混ぜ合わさったらビタミンCパウダーや昆布粉、ドライハーブ、オリーブオイルや生蜂蜜を加えてさらに混ぜ合わせて出来上がりです。

ね?豪快過ぎて、呆気に取られませんでしたか?

おわりに

愛犬のための手作り食もお国柄が出て、日本のレシピ本は繊細で丁寧、人間のための料理本と変わらない見た目のものがたくさんありますね。アメリカのレシピは、合理的に一気にたくさん作って冷凍保存、見た目はともかく質実剛健な感じです。

私自身は両方の良いとこ取りをして、時間と余裕があれば日本的なグルメレシピ、日常的には、気負わず作れるアメリカンレシピを多めに作り置きしています。アメリカのレシピは、原材料で栄養的に足りない部分はサクッとサプリメントで補うところも、いかにもアメリカらしい感じです。カルシウムなどのミネラル類は手作りの食餌では不足しがちなので、与えた量がわかりやすいサプリメントは重宝です。

犬の食餌にしてもトレーニングにしても、これだけが絶対に唯一の正解というものはありません。人間にとっても犬にとっても、これが我が家のベストというものを見つけるためには、いろんな選択肢があると知っておくことが役に立ちますね。

《参考サイト》
https://thebark.com/category/tags/recipes?page=1

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ガニング 亜紀(ガニング アキ)

米国カリフォルニア州在住。2005年から犬との暮らしをスタートして2匹の犬をそれぞれ15歳で見送りました。犬たちとの16年間で知識が増えると犬との暮らしが楽になることを痛感しました。自分が「へ〜!」と感じたことを堅苦しくなくお伝えしていきたいと思っています。