【犬との暮らし】愛犬救命4~ヒートショック(急激な寒暖差)に注意!
ホリスティックケア・カウンセラーで、愛犬救命協会理事長の加藤です。愛犬救命協会では『救える命を救いましょう』をモットーに、1)もしもの緊急事態に対応するノウハウ 2)もしもの緊急事態を回避・リカバリーのためのホリスティックホームケア 3)不幸な命を救う保護活動の応援という命を救うための3本の柱をテーマに活動しております。
愛犬救命連載第4回目のコラムは急な寒暖差によって起こりうるパートナーの緊急事態についてお伝えします。
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目次
急激な温度変化は命に係わる!?
暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる急激な温度変化によって血圧の急激な変化を招き、身体がダメージを受けてショック状態に陥ってしまうことをヒートショックと呼びます。人の場合は、特に入浴時に発生しやすく、脳卒中や心筋梗塞など突然死の原因にもなり、その死亡者数は交通事故の4倍(※1)を上回ることがわかっています。
人間と違って洋服のように毛皮を着脱できない動物にとって急激な温度差は人間以上に負担がかかってしまいます。
※1:独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所調べ
http://www.tmghig.jp/J_TMIG/release/release25.html
ヒートショックの影響を特に注意したいパートナー
ヒートショックは全てのパートナーが起こしうる可能性がありますが、特に下記のパートナーは意識して注意しておくと良いでしょう。
パピー
シニア犬
持病があるパートナー(特に心臓病や呼吸器系、腎疾患)
肥満気味のパートナー
痩せすぎのパートナー
ショックの症状と確認・対処
パートナーがショック状態を起こしている場合は下記の症状が出やすくなります。
元気消失
突然の嘔吐や下痢
ふらつき
眼振(眼球の動きがおかしい)
チアノーゼ
貧血
脈拍・心拍以上
体温以上
呼吸異常(呼吸困難)
意識障害
異変を感じたら呼吸数や心拍数・脈拍数などがいつもより大幅に増減していないかチェックしましょう。ショック状態を起こしている時は全身の血流量が著しく低下して身体の各部位が酸素不足になり貧血状態になっています。歯茎や舌、結膜など粘膜の色がいつもより白くなっている場合は貧血が起こっている可能性が高いので、すみやかに動物病院に連絡して指示を仰いでください。
普段、歯磨きをするときに一緒に元気な時の歯茎の色をチェックしておくとイザという時に役立ちます。体温が低下している場合は毛布などで体を包み、さすってあげます。呼吸停止や心停止を起こしている場合は心臓マッサージ(※2)・人工呼吸(※3)を速やかに行ってください。
ヒートショックは予防優先
人の場合、ヒートショックが起こる危険な温度差は10度前後と言われています。犬においても同様に負担がかかると考えても良いでしょう。夏場よりも冬の方が起こりやすくなりますが、急激な温度差がポイントですので1年中リスクはあります。涼しい部屋から移動して急に熱いお湯でシャンプーをする、身体が濡れたまま寒い場所に出る、冷たいプールや川にいきなり飛び込むなどの行為でも起こる可能性があります。
ヒートショックは起こらないように予防を重視すべき『もしも』の1つです。
室内の温度を適温に
犬が快適に過ごすために推奨される室内の温度は22度前後、湿度は50%前後です。プラスマイナス10度前後とすると外気温が12度よりも低い、または32度より高くなると身体に負担がかかりやすくなるということになります。
室内の暖まった空気は上に上がり、冷たい空気は足元に溜まります。人が快適に感じていてももしかしたらパートナーにとって快適であるとは限りません。特にシニア犬や持病に心臓疾患がある場合は寒すぎても温めすぎても心臓に負担がかかってしまいます。温湿度計を1つ準備して画像のように愛犬が良く過ごしている場所で身体の高さに置いておくとパートナーにとって過ごしやすい室温になっているかどうかを知る目安となります。ちなみに画像の温湿度計は近所の100円ショップで購入したものです。
冬のお散歩はひと工夫を
暖かい室内から寒い外に移動をする冬場のお散歩の急激な温度変化は犬にとって最もヒートショックが起こりやすいシチュエーションです。可能な限り少しでも気温差の少ない日中の時間帯にお散歩できればベストですが、お仕事やお出かけなどでやむを得ず日中留守にする場合は洋服などを着せてあげてしっかりと防寒対策をしてあげましょう。飼い主の自己満足ですが、重ね着などのおしゃれをパートナーにも付き合ってもらって楽しく乗り切れたら良いかもしれませんね!
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寒暖差の負担を軽く!お散歩前の簡単活性マッサージ
お散歩に出かける時はいきなり暖かい室内からいきなり寒い外に出るのではなく、ほんのり涼しくなった玄関ドアの前で数分間ワンクッション置いて体を慣らしてあげると良いでしょう。我が家ではその際に準備運動として簡単な活性マッサージを行っています。
①パートナーの毛の流れに逆らって全身を下から上へまたは尾から頭にかけて手のひら全体で皮膚の表面をサーっとなぞります。(長毛種のパートナーは毛が乱れますが気にせずに)
②身体(胴体)の側面に開いた五本指をあててシャンプーを泡立てるように上下にシャカシャカ振るように皮膚を揺らします。(頭をグラグラと大きく揺らさないように注意してください。)
③5本指を全部くっつけ手のひらをカップ状にして軽くリズミカルに下から上にパタパタと叩きます。
④手のひら全体でサッサッと上から下にはらうように全身の毛の流れを整えて終了です。
ほんの少しの時間ですが、このマッサージをすることで身体が温まり、交感神経も刺激されて意識も活性化されます。 ヒートショックだけでなく怪我の予防やモチベーションアップも期待できますので是非お試しください。
終わりに
お伝えした内容は一般的なものや私自身の経験によるものですが、症状や対処法には個体差があり、すべてのケースに当てはまるものではないことをご了承ください。異変に気付くためにはパートナーの平常時を知っておくことが大切です。安静時の呼吸数や心拍数、粘膜の色や身体に触れた時の手の温もりなど、普段から意識してしっかり観察しておきましょう。
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Follow @greendog_com加藤 志乃(かとう しの)日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー
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