愛犬のお風呂の疑問解決~適切な頻度や湯の温度~
愛犬がまだ若い頃は、たびたび体を洗わなければならない機会がありました。ぬかるんだ土の上で遊んだ後や、まるでそれが仕事かのように乾いたミミズに体をこすりつけているのを見つけてしまった時など。
近頃は気持ち良さそうにお風呂に浸かっているパートナーの姿をSNSで公開される方が増えました。ですが、飼い主さんの中にはパートナーにとってお湯は何度くらいが適温か、そもそも湯船に入れることは良いのかと疑問をお持ちの方は多いようです。
そこで今回は、愛犬のお風呂に関する疑問についてホリスティックケア・カウンセラーの山本が解説します。
目次
愛犬のお風呂の疑問
犬をお風呂に入れる頻度
犬のお風呂といえば主にシャンプーすることをイメージしますが、頻度は健康に問題がなければ月に1回~2回程度が平均的です。ですが、飼い主の都合によりさらにこまめに洗う場合や、逆に愛犬が健康で体臭や皮膚トラブルがないために洗う必要がないと判断される場合もあります。
このように犬のお風呂事情は様々ですが、食事選びと同じでパートナーの状態や家族の事情により調整されるものです。
湯船に入れてもいい?
愛犬を湯船に入れても大丈夫なのかと不安に感じる方も多いようですが、特に問題はありません。皮膚トラブルのあるパートナーには、シャンプーは刺激が強いため皮膚に良い温泉成分の入浴剤を使用したお湯に浸からせたり、かけ湯をしたり、といったケア方法もあります。
人と同じように、お湯に浸かることが気持ちよいと感じるパートナーは多いものです。ただし、事故防止のために必ず飼い主の管理のもとで行ってくださいね。
パートナーと一緒の湯船に入ることでの懸念は『人畜共通感染症』に感染するリスクがあるということです。人も犬も健康な状態であれば神経質になることはありませんが、可能性がゼロではないことを頭の片隅においておくべきですね。
心配なら、愛犬専用バスタブも検討すると良いでしょう。小型犬なら、ベビーバスやバケツでも可能な場合があります。
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犬の皮膚は繊細?
犬は立派な被毛に覆われているかわりに、皮膚は人間と比べると薄くとても繊細です。たとえるなら人の赤ちゃんよりもさらに薄いそうです。そのため、体を洗ってあげる際には強い刺激を与えないことやお湯の温度にも注意が必要です。特に、体温調節が苦手な子犬やシニア犬の場合は気をつけましょう。
湯の温度
お風呂やシャワーの温度は、平均的な犬の体温である37度を目安に調節するとよいでしょう。たとえば、冬場は37度から38度、夏場は35度から36度くらいのぬるめの湯温が最適です。お風呂に入っている愛犬の表情や様子を観察したうえで、適温に調節してくださいね。
食事の前後は避ける
入浴させるタイミングとしては、食事の前後1時間は避けましょう。消化を行うために胃に血液が集まる時間だからです。お風呂で身体が温まることで血液が全身に分散し、消化に負担がかかってしまうのです。
お風呂好きになる工夫と注意点
嫌がるパートナーをお風呂に入れなければならないのは飼い主にとっても負担ですね。せっかくならばお風呂好きになってくれるとケアも楽しいです。そのためにはパートナーにとって不快なことをしないように心がけることです。
たとえば、いきなり顔や耳にお湯をかけられたら私たちも気分が悪いですよね。犬にだって心の準備が必要です。そもそも水に入ることが嫌いなタイプには、恐怖心を抱かせないよう最初は短い時間から少しずつ慣れさせるとよいでしょう。
自宅で入浴させるのが難しければ、無理せずにペットサロンにお任せすると良いでしょう。場所が変わることでパートナーにも苦手克服できる場合もあるからです。
お風呂が好きになる理由
愛犬がお風呂好きになるためには、苦手なことをしないことと飼い主とのコミュニケーションが重要です。パートナーだって皮膚の汚れが取れてさっぱりするのは気持ちいいことですし、お湯の温かさに包まれてうっとりしてしまうようなリラックスを感じることもできます。それが笑顔の飼い主と一緒に過ごせる時間であれば、きっとお風呂が好きになりますね。
お風呂に関する注意点
- 入浴剤
- 人間用の入浴剤は犬にとって匂いや肌への刺激が強いのでおすすめできません。ペットサロンのサービスとして増えているようですが、家でもできる炭酸泉は犬にとっても気持ちよいものらしいですよ。サロンでもケアをされるのは嫌だけど、炭酸泉だけは気に入って大人しく入っているというパートナーは多いそうです。
- 被毛の乾かし方
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お風呂に入った後は、給水力の高いタオルやドライヤーでしっかりと被毛や皮膚を完全に乾かすことが重要なポイントです。生乾きで放置してしまうと湿度を好むマラセチア菌が繁殖してしまうリスクが高まります。
マラセチア菌の増殖は、かゆみや脱毛などの皮膚疾患や、被毛の変色や匂いの元になるので注意しましょう。皮膚に痒みがある疾患の場合は、温まることで痒みが増す場合があります。ドライヤーで乾かす際は冷風と温風をこまめに切り替えるなど、工夫してください。
- 耳に入った水
- 犬は耳に水が入った場合、頭を振って出すことができます。頭を振ることが出来なくなった老犬の場合は、水が入らないように注意し、入浴後は出来るだけコットン、綿棒やタオルを使って丁寧に水分をとってあげる必要があります。
- 滑り止め
- 濡れた床で滑ると関節や腰に負担がかかり、老犬だけでなく若いパートナーでも思わぬ事故に繋がります。タオルや滑り止めマットなどを活用してくださいね。
- 体調不良
- 私たちも、体調が悪いときはお風呂に入らないほうがいいように、パートナーも疲れているときは避けてあげましょう。お風呂の湿度や気温の高さは心臓に疾患がある場合や呼吸器系に問題があるパートナーには負担が大きい場合があります。気になる症状がある場合は、入浴させても良いか、必ず獣医師に確認してくださいね。
まとめ
体を洗ったり、湯船に浸かったりすることは、体が温まるので血液の流れがスムーズになります。これは血管が緩んで副交感神経が活発になっている=『ストレスを和らげてくれる』状態です。
せっかくの良い効能もお風呂が嫌いだと逆効果ですね。我が家のパートナーもシニア期に入りましたので、一度に全部を済まそうとせず、シャンプーだけの日、お湯に浸かるだけの日など時間を短くして体への負担を少なくしています。
お風呂は我慢して入ってくれているのがわかりますが、あがったあとは達成感のような満足げな表情になりますので、それはそれで良しですよね。
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Follow @greendog_com山本 由能(やまもと ゆの) ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範
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