2018.05.25一緒に。もっと、

【犬種シリーズ】ジャーマン・ピンシャー ~ミニチュア・ピンシャー の祖先犬

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文と写真 藤田りか子

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ミニチュア・ピンシャーの元の姿

ミニチュア・ピンシャーにはその元祖となった祖先犬がいます。すでに200年以上も前から存在し、ドイツの農場でネズミなど害獣を捕まえたり番を行ったりしていました。そしてその祖先犬、まだ現存しているのですね!それがジャーマン・ピンシャーと呼ばれる犬種です。

体高は50cmほど。そう、ミニピンより一回り大きいのです。この祖先犬から時折生まれる小型タイプを元に1800年代ご婦人の愛玩犬として作られたのがミニピンとも言われています。現在ジャーマン・ピンシャーは農場での作業犬ではなく純粋な家庭犬として飼われていますが、ミニピンに比べると数はかなり少なく、欧米でも非常に珍しい犬種でもあります。

アメリカとヨーロッパで異なるスタンダード

ジャーマン・ピンシャーは、アメリカでは断耳され立ち耳姿でお目見えします。尾も短く切られており、一見ドーベルマンの小型風にも見えます。しかし、ヨーロッパでは本来の垂れ耳と長い尾のまま。原産国ドイツをはじめ断尾、断耳は動物保護法で禁止されているためであり、このルックスがジャーマン・ピンシャーのスタンダードな姿として知られています。

さらにアメリカとヨーロッパではジャーマン・ピンシャーの見かけがやや異なります。これは本犬に限らず多くの犬種に見られることですが。ヨーロッパのタイプは骨量に富み、アメリカはスタイリッシュな印象を与えます。

またカラーのバリエーションも異なります。ヨーロッパではブラック&タン、そしてレッドの2種類ですが、アメリカではブラウン&タンやブルー系のコートを持つ犬がスタンダードとして認められています。原産国ドイツでは、ブラウン&タンはコートの質を落とすので、70年代に公認カラーから外されました。

手前の赤い犬がミニピン。大きさを比較できる。

自分なりの解釈を持って世の中を見つめる気質

気質はミニチュア・ピンシャーと同様、活発です。元気よく飼い主の周りをピョンピョン飛び跳ねる度合いは、ただしミニチュア・ピンシャーに比べると少ないかもしれませんね。その代わり、広いところを全速力で走るのが大好き!この点で、住宅地周辺を1日30分のお散歩、というだけのライフスタイルはこの犬種には合わないでしょう。

運動力のみならずジャーマン・ピンシャーは学習力も優れています。たいていのドッグスポーツはこなします。アジリティ、ノーズワーク、トラッキング(足跡追求)などぴったりのアクティビティです。しかし昔風の強制トレーニングではその才能は開花しにくいでしょう。自分なりの解釈を持って世の中を見つめる犬です。決して無条件に人の言うことをはい、はい、と聞くわけではありません。

「この子の目線では今、このどう状況を見ているのかしら?」

を深く洞察しながら、かつ上手にこちらの意図に沿うように誘導してあげるのが一緒に付き合うためのコツ。

これを実行するには、犬のトレーニング(しつけ)初心者ではやや難しいかもしれません。それに初心者であれば彼らの元気よさと行動力に圧倒されて、うまく波長を合わすことができないということも生じるでしょう。となると、お互いが幸せになれないかもしれません。

犬の自主性を尊重しながら家庭ルールも覚えてもらう。一見矛盾しているようでもありますが、それゆえにポジティブ・トレーニングにある程度の経験を持つ人が飼い主としてふさわしいでしょう。

ヤムヤムヤム

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藤田 りか子(ふじた りかこ)

藤田 りか子(ふじた りかこ)

ドッグ・ジャーナリスト。レトリーバー二匹と自然豊かなスウェーデン・ヴェルムランド県の小さな村に在住。スウェーデン農業大学野生動物管理学科にて修士号を得る。犬の繁殖管理や福祉の先進国スウェーデンはじめ北欧の犬情報はもとより、ヨーロッパ各地の純血種の知識に詳しい。著者に『最新世界の犬種図鑑』。 現在ノーズ・ワーク(嗅覚を使うドッグスポーツ)に夢中、コンペティターでもある。