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愛犬の代謝維持に役立つ運動と食事
スタッフコラム65話目
みなさんはパートナー(愛犬)の代謝について気にしてますか?
代謝は、良い(上がった)とか悪い(落ちた)とか、ダイエットの話題でもよく聞く言葉ですね。
今回はなぜ代謝維持が大切なのか、食材の豆知識も含めてペットフーディストの山本が説明します。
代謝とは
体の中で起きる変化のことで、物質の変化を物質代謝といい、エネルギーの変化のことをエネルギー代謝といいます。
・物質の代謝
口から入ってきた食べ物は体の中で利用できるようにさまざまに変化していきます。たとえば内臓から分泌される消化酵素によって分解されたり、ほかの物質と合成されたりといったこと。これらを物質代謝といいます。
・エネルギーの代謝
心臓を動かしたり、呼吸したり、食べ物を咀嚼したり、もちろん歩いたり走ったりといった運動でも使われます。このようにエネルギーを使うこと(変化)をエネルギー代謝といいます。
私たちが「年をとって代謝が落ちたわ、食べてないはずなのに太っちゃう」とよく口にするのはエネルギー代謝のことです。
体の状態によってじっとしていても使われるエネルギー量である基礎代謝(犬では安静時エネルギー)には差が出てくるもの。活発な年齢が過ぎて、少しずつ運動量や筋肉量が減ってくるとそれだけエネルギーの使用量が減るので太りやすくなるというわけです。
代謝と健康の関係
代謝と健康の関係の大きなポイントは体温です。ヒトの場合、体温が1℃上昇するごとに代謝量は 13%増加するとされるそう。
体温が高い人ほど基礎代謝量も大きいということですね。筋肉も体温をあげる場所なので筋肉量が多いほど体温維持がしやすく、エネルギーも使います。
体温をあげることはダイエットの視点だけでなく、パートナーの死因原因のトップともいわれるがん(悪性腫瘍)の研究でも注目されています。
がん細胞を増やさないようにするためには免疫細胞がイキイキ働ける状態であることが大事。免疫細胞は体温が下がることで働きが低下します。がんが低体温を好むと言われる理由ですね。だから体温維持のためにも代謝を意識することは大事なんです。
代謝をあげる運動
効率的に代謝量をあげるには大きな筋肉を鍛えること、これはヒトのエクササイズ情報でもよく見かけます。
犬の体で大きな筋肉といえば背中や後ろ足の太ももですね。太ももの筋肉維持は、お座りの状態から立たせること、坂道を上ること。
背中の筋肉を大きく動かすには、ほかに椅子の下をくぐらせる(パートナーが頭を下げて通る高さ)のも良いでしょう。普段あまり使わない筋肉を使わせるように体がストレッチできる動きのイメージです。(写真のようにフセの状態でお尻をあげているポーズもおすすめです!)
もちろん体幹も大事ですので、バランスディスクなどの使い方を教わるのもいいでしょう。(無理をすると体を傷める可能性がありますのでご注意ください)
代謝をあげる食事
代謝をあげるには運動が大切ですが、食事でも意識することができます。いくつか素材をご紹介しますが、体温があがる食材だからと多用することは避けてくださいね。食事はバランスが大事だからです。
・肉類の選び方
鶏肉、ラム肉は体を温める
鶏肉、ラム肉は中医学でも体を温めるものとされます。どの肉を使うか迷う際は、冬だから鶏肉やラム肉にしようという風に決めるのは良いでしょう。特にラム肉は内臓から温まる素材。だから夏の場合は頭がのぼせやすいとか、上半身に熱がこもるタイプ、お腹が冷えやすいタイプにはおすすめですよ。現代はクーラーで冷えてしまっているパートナーも多いので夏にもおすすめの肉と言えるでしょう。
馬肉は体を冷やすからダメ?
逆に体を冷やす素材として話題にあがるのは馬肉。鉄分や疲労時に役立つビタミンが豊富な肉なのですが、特にがんと闘うパートナーには与えないといわれる場合があります。本当に体を冷やすかどうかについては、今のところ体温を下げることを証明する科学的報告はないそうなので気にしなくても良いというのが私の個人的な考えです。
赤身肉がおすすめ
白身よりも赤身の方が消化にエネルギーを使うので、たくさん食べると熱が発生しやすいと考えられます。焼き肉を食べたあとは体が熱くなってきますよね。食べ過ぎには気をつけないと消化に負担がかかってしまいますね。(馬肉も体を冷やすというより温まると考えられるのはこの理由からです)
肉類に関しては体を温めるか冷やすかを悩むよりも、嗜好性や栄養素、体質に合っているかどうかを重視して選んではいかがでしょう。
・スパイス類の利用
しょうが(すりおろし)
シナモン(パウダー状のもの)
これらは手作り食に慣れている場合には使われますが、一般的には与えても良いのか迷ってしまう方が多いのではないでしょうか。
スパイスに関しては食材を煮込んだり炒めたりする際にほんの少量加えるものです。
1日分の食事に使う目安の量は、小型犬の場合、しょうが:耳かき1杯、シナモン:パラッとひとふり程度です。素材が持つ力が強いのでほんの少量で充分です。
もちろんパピーのように代謝が高い時期には必要ありませんし、心配であれば無理に使わないようにしてくださいね。
・温かい食事
代謝アップには食材そのものよりも与え方の工夫が一番のポイントといえます。
ドライフード・ウェットフードともに常温で器に入れることが多いと思いますが、気温が下がってくると常温ですら冷たい食事になってしまいます。特にシニア犬は冷たいままよりも温めると消化性と嗜好性の面でもおすすめです。お腹を冷やさないということを意識してください。
少量のお湯を足して指先で温度を確かめましょう。ぬるく感じるくらいがおすすめですよ。
ドライフードに温めたウェットフードを混ぜるのもいいですね。
<参考商品>
少量パッケージで使いやすいジュレ ・yum yum yum! ジュレ仕立て(チキン)
※他にかつお、馬肉のお味もあります。
まとめ
パートナーの代謝維持は実は健康ためにとても役立つことと知っていただければ幸いです。まずは毎日の散歩がパートナーにとって一番の活動でしょうが、外出が難しい場合やじゅうぶんに運動が出来ない状態であれば、体の動かし方や食材、食事の与え方にも工夫してみてくださいね。
【参考】
厚生労働省:身体活動とエネルギー代謝
運動の基礎科学
GREEN DOGコミュニティお散歩部始動
お散歩大好きなご家族も、少し苦手なご家族も、運動の側面からパートナー(愛 犬)の喜びを一緒に考えたい。そんなGREEN DOGのコミュニティです。
フードやサプリメント選びにお困りの際は、お気軽にGREEN DOGのごはんの窓口にお問い合わせください。
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ごはんの窓口はこちらから筆者
ペットフーディスト、 アドバンス・ホリスティックケア・カウンセラー、 ペット栄養管理士、 犬の食事療法インストラクター上級師範
山本 由能(やまもと ゆの)
現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOG & CATへ。
自身も飼い主のひとりとして愛犬との生活を楽しみ介護も経験。
日々の業務では主に犬の栄養学や健康維持に関する情報を発信しています。