2021.06.22一緒に。もっと、

もっとノーズ、プリーズ!~愛犬の「見つけたよ」のサインを見極める~ノーズワークシリーズその16

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文と写真:藤田りか子

犬と人がノーズワーク(嗅覚ゲーム)を楽しむには、犬がターゲット臭を探し当てたかどうかを人がわかるようでなくてはなりません。ここがフードサーチと異なるところです。フードサーチは犬が探し出し食べてしまえばそこでゲームは完了。一方でターゲット臭を使うゲームになると、人も試されることになります。つまり、犬は「探し出すこと」を、人は「犬を読むこと」が求められます。両者が積極的に参加できるゲームだからこそチーム一体となってハラハラ・ドキドキと楽しく時を過ごせます。

たとえばブラインドサーチ(ハンドラーは隠し場所を知らない)をやっていて
「今、犬が探し当てたかな?」
と思った瞬間に
「見つけました!」とか「アラート!」
と審査員に告げます。次の瞬間「当たっていますよ」と言われたときの嬉しさと安堵感!一方で「違います」と言われたときのがっかり感!間違った時は「どうして犬を読み間違えたかな…??」といろいろ反省します。だからこそ次こそもっと上手に犬を読むぞと、学びが得られるのです。

においを見つけた時の動きは犬それぞれ!

においを見つけた際の動作は犬によって千差万別です。これ!という決まった動作はありません。それこそ犬の個性や経験が現れるときです。

ただしプロの探知犬の多くは見つけた時に特別な行動を見せるようトレーニングを受けています。たとえば、ある犬はみつけたところでさっと座ったり伏せたりします。またある犬はフリーズをします。これは見つけた瞬間に体の動きを止め、凍ったようにその場に留まる動作です。これら行動のことを「トレーニングされたインディケーション(あるいはトレーニングされたアラート)」と言います。ですが通常は単にインディケーションと呼んでいます。

プロではなくとも、飼い主さんとノーズワークを楽しむ犬でもインディケーションのトレーニングを受けている子は珍しくありません。スウェーデンのノーズワークの世界では「フリーズ」がインディケーションの行動として一番多いタイプかもしません。我が家のラッコも臭源のところで凍ったように止まりにおいの場所を教えてくれます。

放火探知犬の練習の様子。

放火探知犬の練習の様子。放火探知犬とは放火をする際に使われた可燃物を探知する犬。正しいにおいのところで座った姿勢でインディケーションを行っている。(Photo by State Farm

愛犬はどのタイプ?「見つけたよ!」のサイン

みなさんの中にはこのコーナーで紹介したいくつかのノーズワークゲームを試した方もいると思われます。犬にサーチを行わせる際、「犬が今においを見つけた!」の瞬間をどこで判断していますか?たいていの場合、プロのようにインディケーションを教わっていなくとも、犬は臭源を突き止めると何かしらの行動を見せてくれるものです。これをナチュラル・アラートと呼ぶ人もいます。

飼い主の顔をチラチラ見る

一番多いのは、見つけたとたんに飼い主さんの顔をチラチラと見る行動かもしれません。
「母さん、ほらあったよ!(だから早くトリーツちょうだい!)」
犬からそんなメッセージが出されているのではないかと思います。

ノーズワークのシーンから

ノーズワークのシーンから。ほら、あったよ、ここでしょ?とハンドラーの顔をみる。このボディランゲージを頼りにするハンドラーは多い。

その場所を舐めようとする

あるいは、その場所を舐めようとする犬もいます。この動作は、スポーツとしてのノーズワークではルール上減点対象となる行動ですが(臭源のまわりを唾液によって別のにおいをつけてしまうから)、お家で脳トレの一環としてやっているのであれば、別に構わないと思います。要はハンドラー本人がわかればいいのですから!

尾の振り方が変わる

あるいは尾のフリ方で犬が見つけたんだな、と判断できるときもあります。臭源のそばにくると急に尾の振り方が早くなったり激しくなったりする子がいます。

一度通り過ぎて「あれっ!」と振り向く

臭源を一度すっと通り過ぎて、その瞬間「あれっ!」と振り向いたり振り返ったりすることがあります。ヘッドターンですね。臭源を通り過ぎた後に浮遊臭をキャッチした瞬間です。ただしこの行動を見せているからといって必ずしも臭源に近づいているわけではありません。時にターゲット臭以外のにおいでも犬は「あれ!?」と思うことはあり、なんだろうと確かめたりします。なので、それだけを判断材料とせずに、それまでの、そしてその後の犬の動きをよく観察した上で行動を読み解くと正解率はより高くなります。

おわりに

この通りノーズワークはハンドラーが犬の行動を読むスポーツとも言えます。正しく犬を読むのに王道はありません。犬に多くのサーチをやらせその中でハンドラーが経験を積んで学んでいくしかありません。やっているうちに必ず「この一連の行動が見つけた瞬間だ!」とピンとくるときがあります。まずは根気よく、でも犬といっしょにアクティビティをする楽しさを忘れないでね!

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藤田 りか子(ふじた りかこ)

ドッグ・ジャーナリスト。レトリーバー二匹と自然豊かなスウェーデン・ヴェルムランド県の小さな村に在住。スウェーデン農業大学野生動物管理学科にて修士号を得る。犬の繁殖管理や福祉の先進国スウェーデンはじめ北欧の犬情報はもとより、ヨーロッパ各地の純血種の知識に詳しい。著者に『最新世界の犬種図鑑』。 現在ノーズ・ワーク(嗅覚を使うドッグスポーツ)に夢中、コンペティターでもある。