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【要注意】犬の危険な食べ方と安全な食べさせ方の工夫を徹底解説
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この記事では、愛犬の食べ方に関する注意点と、毎日の生活を豊かにする工夫について詳しくお届けします。
大切な愛犬の食事には悩みが尽きませんね。「どのフードが一番いいのだろう?」「ずっと同じフードで飽きないだろうか?」など。私たち飼い主のいちばんの悩みは愛犬が「何を食べるのか」ではないでしょうか。もちろん愛犬のフードの原材料を吟味したり手作り食の栄養バランスを考えたりすることはとても大切です。
さらに注目したいのは「どんなふうに食べるか」です。
特に、犬の「食べ方」には命の危険につながる注意点が多く潜んでいます。極端な早食いや誤食、食後の行動など、愛犬の危険な食べ方を理解し、それを予防するための「安全な食べさせ方の工夫」を取り入れることが、愛犬の心と体の健康を守る鍵となります。
犬の食べ方で特に注意が必要なこと(早食い・誤食など)
愛犬の食べ方には、私たち飼い主が常に注意を払うべき危険が潜んでいます。
極端な早食いによる危険性
ボウルに入ったフードを数秒で平らげてしまうような極端な早食いは、いくつかの深刻なリスクにつながります。
・窒息・誤嚥性肺炎: 食べ物を丸呑みすることで、喉に詰まらせて窒息するリスクが高まります。また、食道ではなく気道に食べ物の一部が入る(誤嚥)ことで、肺に雑菌が繁殖する誤嚥性肺炎になる可能性もあります。
・食後の吐き戻し: 急いで大量の食べ物を胃に送り込むと、消化器官に負担がかかり、食べたものをすぐに吐き戻しやすくなります。
・胃拡張・胃捻転のリスク: 一度に多くの食べ物と空気を飲み込むことで、胃が膨らんでしまう胃拡張の状態になりやすくなります。胃拡張のまま激しい動きをしたり遊んだりすると、胃がねじれてしまう胃捻転という、緊急性の高い非常に危険な状態につながる可能性があります。
食後すぐに運動する危険性(胃捻転のリスク)
前述の通り、食後に激しい運動をすることは、特に大型犬で胃捻転のリスクを高めると言われています。
・食べさせ方の注意点: 食事の後は最低でも1~2時間は愛犬を安静にさせるようにしましょう。興奮して走り回るような遊びは避け、排泄のために短く散歩する場合も、ゆっくりと歩かせるように心がけてください。
食べ物でないものを口にする危険性(誤食・拾い食い)
これも「食べ方」の危険な例です。散歩中の拾い食いはもちろん、家の中でのおもちゃやゴミの誤食も命に関わります。
・食べさせ方と環境の注意点: 愛犬が口に入れそうなものは手の届かない場所に片付けましょう。また、愛犬が食べ物への執着からゴミ箱などを漁ってしまう場合は、食事で「食べることに達成感」を与える工夫を取り入れることで、退屈からくる破壊行動の予防にも役立ちます。
食べ物を守ろうとする行動(フードアグレッション)
フードボウルに手を出したときや、愛犬が食事中に近づいたときに威嚇したり攻撃的な態度をとったりする行動は、「フードアグレッション」と呼ばれます。これは愛犬が自分の食べ物を守ろうとする心理からくるもので、これも食事を与える上での注意点です。
犬の危険な食べ方(早食い)の対処法
特に早食いの愛犬には、時間をかけてゆっくり食べさせるための工夫が必須です。
時間をかけてゆっくり食べさせる工夫
ボウルに入ったフードを食べるだけでは犬の食事時間はあっという間に終わってしまいます。愛犬が食べるために「工夫」が必要になるようにしましょう。
早食い防止グッズ(スローフィーダーなど)の活用
早食い防止には、ボウルの中に突起や溝がデザインされたスローフィーダー(早食い防止用ボウル)を使うのが最も簡単で効果的です。
犬は突起を避けながら食べる必要があるので、自然と食べるスピードが落ち、時間をかけてフードを口に運ぶようになります。これ自体が犬に「食べるためのチャレンジ」を与えていることになります。
ウェットフード・ペーストフードの活用法
ウェットフードやペースト状のおやつ・フードを与える場合には、表面に凹凸のあるリッキングマットも有効です。
マットにフードを塗りつけることで、犬は時間をかけて舐めることができ、長く楽しめます。舐めるという行動は犬にとってストレス解消にも役立つため、心身両面で良い影響があります。
愛犬の心と体を豊かにする「食べ方の工夫(チャレンジ)」
私たち人間は、仕事や趣味、スポーツなど、生活の中で様々なチャレンジをすることで達成感や自信を得ます。では家庭で暮らしている犬たちはどうでしょうか?
野生の動物にとってのチャレンジは「食べ物にありつく」ことです。家庭犬にはこのチャレンジは全くありません。毎日何の心配もなく食事を与えられるのは歓迎すべきことですが、チャレンジが全くない生活は犬にとっても退屈です。
この「食べ物にありつくチャレンジ」を食事の与え方を変えることで疑似体験してもらうことが、愛犬の心と体を豊かにする「食べさせ方の工夫」につながります。
家庭犬にこそ必要な「食べ物にありつくチャレンジ」
退屈した犬は、自らチャレンジを作り出すべく身の回りのものを破壊したり、窓の外を通る人に激しく吠えたりする可能性が高くなります。食事を工夫して与えることは、犬に心地よい刺激を与え、退屈とは真逆の状態を作り出します。
嗅覚を使って食べるチャレンジ(ノーズワーク)
犬にとって一番手軽なチャレンジは、嗅覚を使って食べ物を探し自力で見つけ出すことです。これをノーズワークと呼びます。
具体的な方法:
・布の間にフードを隠し込むスニッフィングマット(ノーズワーク用マット)を使って食事をするのは、犬にも人にもトライしやすい方法です。
・一食分を複数のフードボウルに小分けにして、別の場所に置き、嗅覚を使って次のボウルを探すように仕向ける方法もあります。
・(応用)複数のボウルを使う方法は、自分の食べ物を守ろうとするフードアグレッションの予防にも応用できます。人がボウルのそばに来たり回収したりすると「良いことが起きる」と学習させる訓練に利用できます。
【応用的な学習:フードアグレッションの予防につながる食べさせ方】
ボウルからフードを回収されることに対して犬が攻撃的になるのを防ぐため、「人間がボウルのそばに来たり、回収したりすると、必ず良いことが起きる」と愛犬に学習させる方法もあります。
<具体的な学習方法の概要>
フードを少量入れた複数のボウルを離して配置し、一つ食べ終わるたびに飼い主が回収し、次のボウルには更に良いフード(または追加のフード)が入っている、といったポジティブな交換学習を繰り返します。これにより、飼い主の接近=食事の終わりではなく、食事の始まりや次の良いことのサインだと犬は学習できます。
知育玩具(コングなど)を活用した工夫
コングなどの知育玩具にフードを入れて与えるのも、食べるための工夫が必要なので犬にとって良いチャレンジになります。
・バリエーションを作る: 市販のおもちゃの他に、穴を開けた空き箱や紙製の筒(アルミホイルの芯など)の両端を折り曲げたものなどを使うことで、常に違うタイプのチャレンジを愛犬に与えられます。
どんな風に食べるかは、愛犬の心と体の両方に大切
愛犬の毎日の食事にチャレンジを取り入れることで、犬は頭を使い、食べることに達成感を持ちます。小さな達成感の積み重ねは自信につながり、精神的な安定をもたらします。自分で考えて工夫することや嗅覚を使うことは脳への刺激になり、犬に心地よい疲労感を与えてくれます。
また体への影響は、極端な早食いによる窒息や胃捻転のリスクなど、命に関わることだってあります。そのため、食べさせ方の工夫をすることは体の健康のためにも非常に大切だと言えます。
同じ方法を続けると犬にとっても刺激が少なくなるので、いくつかの方法をローテーションして、犬も人も楽しく続けてみてください。
まとめ
愛犬が毎日の食事を「どんなふうに食べるか」が大切な理由についてご紹介しました。
ボウルに入れた食事を「はいどうぞ」と差し出すだけよりも、工夫を取り入れることで15分ほど余分な時間がかかるかもしれません。しかし、愛犬の安全を守り、日常を豊かにするためなら、きっとそれだけの価値があります。
1日分のフードとおやつの量を決めておき、その中から食事中の工夫やお散歩中の宝探しゲームなどに使うと、食べ過ぎにならずに犬の心と体に刺激を与えられます。 この記事を参考に、愛犬の安全で豊かな食生活を実現してください。
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