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ドッグフードの正しい保存方法は?開封後の賞味期限と正しい保存方法を解説
- フードの与え方
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ドッグフードには賞味期限や消費期限が設定されています。しかし、それはあくまで未開封時の期限で、開封後はできるだけ早めに使い切る必要があります。自然素材のナチュラルフードが主流の今、フードが新鮮な状態のうちに愛犬に与えることはとても大切。
今回は、開封後のドッグフードの適切な賞味期限と正しい保存方法について説明します。
ドッグフードの賞味期限と正しい保存方法
ドッグフードには、ドライタイプとウェットタイプ(缶フード・レトルトフード)、冷凍生肉フード等がありますが、当然のことながら開封後の賞味期限や保管および保存方法に違いがあります。
賞味期限
ドライフードは開封後1ヶ月以内
ドライフードは、開封した時点から空気に触れることで脂質の酸化や栄養素の損失などの劣化が始まります。そのため長期保存できるように酸化防止剤などが使用されています。風味を保つことはもちろん酸化やカビの発生を防ぐための役割を果たしているのです。ドライフードが酸化すると風味が落ちてしまうことはもちろん、酸化した脂質が肝臓に負担がかかるなど体への悪影響を及ぼします。
開封後1ヶ月を過ぎたからといって急激に酸化が進むわけではありませんが、できるだけ新鮮な状態で与えたい場合は、早めに消費できるサイズを選びましょう。
ウェットフードは開封後2日以内
ウェットフードは水分を豊富に含むため、開封後の賞味期限が短くなります。家庭で作った料理と同じように考えたほうが良いでしょう。
缶フードやレトルトフードなどのウェットフードは、水分が豊富に含まれているため腐敗しやすいため開封後は冷蔵保存にて2日と考えましょう。メーカーにより推奨される期間が表記されている場合はそれに準じて与えてください。特にシニア犬(老犬)は免疫力が低下していると雑菌(常在菌)にも弱く、匂いでは腐っていないと判断できるものでもお腹の不調を招く場合があります。
冷凍生肉フードは解凍後1日
その日に食べる分だけを前日に冷蔵庫へ移して自然解凍します。
生肉は基本的に菌がたくさんついています。解凍したものは早めに消費しましょう。
心配なときは表面だけでも加熱したり、酢をかけたりして殺菌しましょう。
生肉を取り扱う際の注意点は、生肉に触れたまな板や包丁などは必ずきちんと洗い流さないといけません。
生肉が体質に合っているパートナーには大丈夫な菌でも、私たちの口に入るのは危険です。ご家庭に小さなお子さんやご老人がいらっしゃる場合は、特に注意してください。
保管および保存方法
ドライフードは常温が基本
ドライフードを購入したら冷暗所で保管してください。冷暗所とは、直射日光が当たらず、高温多湿にならない場所です。開封後も基本的には常温で保存することがおすすめです。
冷蔵庫に入れて保存したい場合、気をつけなければならないのは、冷蔵庫の中と室温の温度差により結露が生じカビが発生することです。その影響を受けないよう冷蔵庫からの出し入れは素早く行う必要があります。それさえ気をつけるのであれば、冷蔵保存しても良いでしょう。また冷蔵保存のメリットとして、常温で繁殖しやすいコナダニ※1の繁殖が抑えられます。
アトピーなど皮膚にアレルギー症状がある場合、症状悪化の原因のひとつとしてコナダニが関係しているといわれています。パートナーがアレルギー体質の場合は、主食としているドライフードを冷蔵保存することで症状が軽減するかもしれません。
※1:コナダニは目に見えないサイズのダニ。さまざまな食品に繁殖し、パッケージの袋が開けられるたびに混入します。
ウェットフードは冷蔵が基本
ウェットフードを少量ずつ与えたい場合もありますよね。たとえば、少量ずつトッピングに使いたい場合など。そんなときは、あらかじめ開封時に少量ずつ小分けし、ラップで包み、さらに密閉容器に入れて冷凍庫に入れます。シニア犬や腎不全のパートナーなど嗜好性の工夫が必要な場合、少量ずついろんな味を保存しておけば、毎回味を変えてあげることで食欲が持続する場合があります。
ただし、冷凍しても食品の酸化は少しずつ進んでいきます。長期保存すると冷凍焼けで匂いも変化し美味しくなくなってしまいますので、3週間程度を限度に使いましょう。
保存容器や乾燥剤について
ドライフードを開封した後に、袋の縁を折ってクリップやゴムでとめて保管している方も多いのではないでしょうか。消費するのに日数がかかる場合にはさらに酸化や劣化、カビなどの発生を防ぐために次の方法がおすすめです。
ジッパー付保存袋
チャックを閉じるだけで簡単にドライフードを保存できる方法としておすすめです。近頃のドライフードのパッケージにはジッパー付のものが増えてきました。とはいえ、もともと強度が強くなかったり、使っているうちにフードのかすが詰まってしまったりと、しっかり閉めることが出来ない場合は、新しいジッパー付き保存袋に入れ替えましょう。またその際に小分けすることで残りのフードが空気に触れる機会を少なくすることができます。
真空容器
食材を保存する容器には、真空状態にできるものがあります。蓋に真空にする機能がついているものや、専用ポンプを使って真空にするものなど。たとえば、2ヶ月くらいかけて食べきるサイズのフードを購入した場合、1ヶ月分は真空容器に入れておくと良いでしょう。
家庭用真空パック機
専用のシートで包んで圧縮して空気を抜きシーリングする家庭用真空パック機もあります。
袋を密閉するためのグッズ
レトルトフードの上部に差し込むだけで密封できるジッパーがあるので利用してみてはいかがでしょうか。
乾燥剤、脱酸素剤
ドライフードを小分けして保存する際に、乾燥剤や脱酸素剤を併用するとよりカビの発生や劣化を防ぐことができます。作業の際には、開封したての匂いも確認しておきましょう。最近ではドッグフード用としても市販されているものがありますのでチェックしてみてください。ただし、うっかりフードと一緒にパートナーに与えてしまうということも聞きますので、取り扱いには十分注意してください。
乾燥剤:二酸化ケイ素(シリカゲル)
透明の粒粒状で毒性はありません。万が一飲み込んでも腸管に吸収されないので、中毒症状はでないといわれていますが、種類によっては、粘膜に炎症を起こす作用があります。
乾燥剤:生石灰
不透明な白い袋状の乾燥剤。白い粉状で水分を含むと高熱を発生する特徴があります。愛犬が誤って飲み込むと危険です。
脱酸素剤
酸素を吸収する働きがあるシート状の乾燥剤。カビや酸化、害虫の発生を防ぐ効果が期待できます。一般的なお菓子などに利用されており比較的手に入りやすいです。小分けして密封保存する際にサポートとしていれておくと良いでしょう。
番外編:ペットボトルの利用
ペットボトルにドライフードを小分けして冷暗所に保存する方法もおすすめです。キャップによって蓋をしっかりと占めることができるため、便利に活用されている方も多いとか。虫の混入を防ぐ効果もありますね。
食中毒と腐敗の違い
腐敗は、食品が微生物の活動によって分解され、見た目や匂いが変わる現象です。腐敗した食品を食べても必ずしも健康に害があるわけではありません。
食中毒は、特定の微生物(菌やウィルス)が食品に増殖し、それを摂取することで健康に害を及ぼすことです。食中毒菌が増殖した食品を食べると、激しい症状を引き起こすことがあります。
腐敗は見た目や匂いで判断できることが多いですが、食中毒は見た目や匂いでは判断できないため注意が必要です。食中毒が腐敗と違う点は、特定の微生物(菌、ウィルス)が悪さをすること。菌やウィルスはどこにでもいますが、問題になるのはその種類や量です。増殖しているかどうかは見た目や匂いでは判断がつかないので、繁殖しやすい条件を作らないことが大事です。
「卵かけごはん」から学ぶこと
日本人は卵かけごはんを好む人は多いのは、海外に比べ日本は衛生管理が進んでいるから生卵を食べても平気なんですね。卵(殻)には食中毒を引き起こす菌(サルモネラ菌)がついている可能性があり、いくら管理が行き届いていても菌の汚染はゼロではありません。
卵の取り扱いについては注意が必要です。
・卵を買って帰ったらできるだけ早くケースのまま冷蔵庫に入れる。
・卵かけごはんは、食べる直前に卵を割る。
保冷により菌の繁殖を防ぎ、他の食材に触れないように保管します。
卵かけごはんは作ってすぐに食べるなら大丈夫。作ってから食べるまでの時間が長い(置きっぱなし)は危険です。
卵かけごはんのように食中毒予防のためには、菌を「つけない」「増やさない」ことが大事です。
ドッグフードでは、水分の多いレトルトフードの開封後や冷凍生肉フードの解凍後の賞味期限が短いのは、腐敗はもちろんですが食中毒を防ぐ目的でもあります。
まとめ
パートナーの健康のためを思って選んでいるドッグフードなのに、保存方法を間違えたばかりに健康を損なうことになるなんて、ぜったい避けたいですね。特に小型犬は、味に飽きやすいという問題が生じることがありますが、なかには開封してからかなり日数が経っており、美味しい香りがしなくなっていたり、劣化した匂いがしていたことが食べない理由になっていることもあります。
パートナーのフードは各メーカーが犬の嗜好性や必要な栄養素を計算して作り上げたものですので、それらの恩恵が損なわれないうちに与えたいものです。パートナーの食べるものは私たちの食事と同じ大切な『ご飯』。できるだけ新鮮な状態を保っているうちに美味しく食べてもらいましょう。