愛犬の痒みを解決~ドッグフードのここに注目
愛犬の皮膚に痒みがある、という悩みは多いもの。痛みよりも痒さのほうが耐え難い症状です。さっさと痒みから解放してあげたいですよね。
痒みの原因は環境、体質、食べ物などさまざま。病院に行っても何が原因か突き止めることが難しいことが多い。そんななか、飼い主の私たちが対処してあげられるのは食べ物。つまり愛犬の食事であるドッグフード選びですね。
店頭でドッグフードを選ぶとき、多くの飼い主さんはパッケージの表側で判断します。パートナーと同じ犬種のデザインやキャッチコピー、有名なブランド名などを読み取るためですね。
実は、フード選びの肝はパッケージの裏側に貼られているラベルを読み取ることなのです。今回はパートナーの痒みの悩み改善のために何に注目してフードを選べば良いかをペットフーディストの山本が説明します。
目次
フードのココを見てみよう
皮膚の痒みには食べ物が悪さをしている場合があります。体質には個体差があるため、多くのパートナー達には平気でも、うちの子には合わなかったということはよくある話。
原因は肉や野菜の種類かもしれないし、フードに含まれる添加物かもしれません。まずは何が入っているのかを確認するのは大切なことです。
安価すぎるフードや嗜好性のみを追求したフードの中には危険な原材料が含まれる可能性は大きくなるので注意しましょう。
(1)原材料(酸化防止剤、保存料等)
ドッグフードの中でもドライフード、セミドライフード、ソフトフードと呼ばれる一般的な粒状のフードは開封するまでは長期間の保存ができ日々のパートナーの食事として便利なものです。
ただし、長期保存するためにはフードが劣化しないように酸化防止剤や保存量が必要です。
安全性が高い酸化防止剤
<ミックストコフェロール>
植物由来のビタミンEです。数種類(α、γ、β、δ)のトコフェロールで構成されています。
<ローズマリー抽出液>
ハーブの一種であるローズマリーの葉から成分を抽出した液です。
できるだけ避けたい酸化防止剤、保存料等
<BHT、BHA、エトキシキン、没食子酸プロピル>
以前から有名な毒性のある化学物質の酸化防止剤です。
ドッグフードの場合は、健康に害を及ぼさない安全量を守って使用されています。ですが、獣医師からすすめられた療法食であっても、これが入っているから与えたくないという飼い主さんが多くなりました。
最近ではこれらの代わりに自然由来の酸化防止剤に変更しているメーカーが増えたようです。
<ソルビン酸カリウム>
脂肪酸の一種でカビや菌の繁殖を防ぐ保存料として使われます。人用では保存性の高い総菜やチーズ、魚肉のねり製品などさまざまな食品に使われています。健康に悪影響を及ぼす情報もありますが、現時点では安全量が明確ではありません。
<プロピレングリコール>
商品に水分を保持するための保湿剤です。水分を保持しながら防カビ性もあることから、うどん、おにぎりといった人の食品に使用されることがあります。猫には毒性があるので与えられません。犬には毒性がないようですが、健康上不安な点がある場合はもちろん、猫のパートナーとも一緒に暮らしている場合は避けましょう。
(2)肉の種類
動物性タンパク質は何の肉が使用されているか明確である良質なフードを選びましょう。
上記の表では、「鶏肉、かつお節、全卵」が動物性タンパク質源になります。
このように主原料の肉が鶏であるフードを与えている場合、次回は鶏以外の肉を使用したフードを選びます。肉の種類を変えることで皮膚の状態がどのように変化するのか観察することは大切です。
ただし、現在の状態より悪化する場合はすぐに与えるのをやめて元のフードに戻しましょう。
また皮膚の細胞の入れ替わりは3週間といわれていますが、痒みがあった個所は繊維化(硬化)するなど変性がみられるため、症状の改善を実感するには2か月は同じフードを続けてみる必要があります。
(3)保障栄養分析値
パートナーの食事の栄養成分であるタンパク質、脂肪、繊維、灰分(ミネラル類)、水分がどれくらい含まれるのかがわかる数値です。「以上」、「以下」がついているのはタンパク質、脂肪は、最低その量以上は含まれる、繊維、灰分、水分は最大それ以下であるという保証値です。栄養素の役割によって多すぎても少なすぎてもいけないという性質があるからです。
<皮膚に痒みがある場合に選びたい成分値の目安>
粗タンパク質:18%から30%以上 が適量 (35%以上は避ける)
粗脂肪:5%から14%以上 が適量 (18%以上は避ける)
※タンパク質、脂質の前に「粗」がつくのは、目的の物質以外の成分も含まれているからです。
皮膚トラブルのある愛犬におすすめのドッグフード
ポテトと天然の魚が主原料(粗タンパク質 26%以上、粗脂肪 13%以上)
FORZA10 デルモアクティブ 皮膚ケア(小粒)
玄米と七面鳥が主原料(粗タンパク質 27%以上、粗脂肪 14%以上)
FORZA10 スキン&コートケア用食事療法食「カロン」
※いずれも総合栄養食ですので、毎日の食事として与えられます。
まとめ
愛犬の痒みは、かならずしもフードが原因とはいえません。しかし一方で、毎日食べるフードは、体調も含めて皮膚に大きな影響を及ぼすもの。
パートナーの健やかな日々のために、フードのラベル表示を確認してみてくださいね。
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Follow @greendog_com山本 由能(やまもと ゆの) ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範
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