2020.02.14食事・ドッグフード

愛犬のための薬膳入門:野菜の使い方

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愛犬のための薬膳入門:野菜の使い方

薬膳と聞くと、少し難しいイメージがありませんか?本来は食材が持つ栄養素や組み合わせによって体の調子を整える食事のこと。食事でのお手当という意味で「食養生」ともいわれます。

体が冷えたら温まるもの、暑いときは涼しくなるものを食べようとするのも食養生のひとつ。私たちは体のために選んでいますが愛犬は自分で食事を選べません。私たちが少しでも工夫してあげられるといいですね。

今回は、愛犬の薬膳入門編として考え方や簡単なレシピをペットフーディストの山本が説明します。

薬膳(食養生)ってどういうもの?

愛犬のための薬膳入門:野菜の使い方
薬膳は、中国で古くから伝わる食事療法です。私たちが食材の働きを考えるとき、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、カロリーなどで判断します。
薬膳は現代のような数字や化学記号ではなく、体を温める、冷やすなどの性質である「五性:熱・温・平・涼・寒」を用いたり、味の性質「五味:酸・甘・辛・苦・鹹(かん:塩味)」で考えます。

ざっくりいうと体や心のバランスを取ることが健康の秘訣であるという考えが元になっています。冷えたら温める、乾いたら潤すことを意識するのは自然ですよね。

このように愛犬の薬膳も「バランスを取ること」と考えれば難しくありません。また漢方の素材のような特別なものを使わなくても、すべての食材には薬効(栄養素)があるので、いつもの(自然の)食材で作れます。

愛犬のための薬膳食材(野菜)

薬膳の食材選びの基本は、“旬のもの”を摂りいれることと言われます。とはいえ近年は技術の発展により旬でなくても立派な野菜が採れます。
そのため、旬にこだわりすぎず新鮮な食材を使うことを意識して選ぶと良いでしょう。

今回は食材の中でも野菜を取り上げた理由は、現代のパートナーは過食を原因とする不調が多いからです。それに肉類はおやつでも取り入れやすいですね。野菜を与えるには工夫が必要ですが、不足しがちな水分の補給や過食を抑えることに役立ちます。

食欲を抑えたいとき

胃酸過多など、通常通りのごはんでは食欲がおさまらず食べたい気持ちが強い場合、朝に黄色い液体を吐くことがあるパートナー。

キャベツ:五性(平)五味(甘)
キャベツには胃の熱をとる働きがあるため、食欲が強すぎるパートナーにおすすめです。またやさしい甘味は気持ちをまったりさせ興奮を落ち着けることが期待できます。

生キャベツが好きなパートナーは多いですが、パートナーには軽く茹でて与えることがおすすめです。はじめて与える際はできるだけ少量をいつものフードに混ぜてみて食べてくれるか、うまく消化できるか観察してくださいね。

キャベツだけでは食べない場合は、少量の風味付け食材と一緒に茹でて汁ごと与えてみましょう。

【参考商品】
・風味付け用やふりかけに
イワシパフ

マグロパフ

カツオパフ

便秘がちなとき

便が硬くて出にくい状態だけど、あまりフードや肉の量を増やせない場合は、癖が少ない野菜を茹でて汁ごと与えると良いでしょう。どれくらいの繊維質が便秘改善に役立つかは用心深く観察する必要があります。いきなりゴボウのほうな硬い野菜を与えるのは控えましょう。

白菜:五性(平)五味(甘)
キャベツと同じく犬が受け入れやすい野菜であり、胃腸の働きをやさしくサポートしてくれます。便秘のときには汁ごと与えて水分を補給するとよりスムーズな排便をサポートします。

【参考記事】
犬に与えてはいけない食材:しつけや健康のため?人間の食べ物を犬に食べさせてはいけない本当の理由

軟便のとき

繊維質と糖質が適量あることで腸内での移動を穏やかにしてくれます。ただし、お腹の調子が悪いときにパートナーにとってはじめての食材を与えるのは控えたほうが良いです。健康なときに与えてみて、それが体質に合っているかどうかを調べておきましょう。

山芋:五性(温)五味(甘)
山芋は繊維質や糖質が豊富。軟便のときは栄養を充分に消化吸収できないのでエネルギーを補給するにもおすすめです。茹でたものを食べやすい大きさに切って与えましょう。山芋を与えるのに抵抗がある場合は白米のお粥をベースにして白菜、キャベツ、サツマイモのいずれかを少量加え繊維質をプラスしましょう。

※いずれの場合もフードとの置き換えは、最初は1杯(小型犬は小さじ、中型犬は大さじ)から始めて様子をみましょう。

まとめ

愛犬のための薬膳入門:野菜の使い方
今回は野菜の利用法を少し説明しました。キャベツは昔から愛犬のトッピングに使っている方は多く、それだけ犬には受け入れやすい野菜のようです。また、野菜を切る音に反応していつも台所でねだってしまうほど好きになるパートナーもいますね。

野菜には現代の栄養学ではビタミン、ミネラル、繊維質、糖質、ほかに抗酸化栄養素が豊富なものも多い素晴らしい食材。
愛犬に与えられるものは、消化の具合を観察しながら取り入れてみましょう。

新鮮な野菜の「気」と水分には大きな恩恵がありますよ。お気軽な薬膳でパートナーの健康と笑顔が増えるといいですね。

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山本 由能(やまもと ゆの) ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範

現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOGへ。 自身も飼い主のひとりとして愛犬との生活を楽しみ介護も経験。 日々の業務では主に犬の栄養学や健康維持に関する情報を発信しています。
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