愛犬の痩せない理由とダイエットを成功させるコツ
みなさんの愛犬は太っていませんか?健康のために愛犬の体重管理を行うのは飼い主の役目ですが、なかなか難しいというお声が多いです。
愛犬のダイエットをはじめてみたのになかなか痩せない、どんどん太る場合は、やはりそれなりの理由があるはずです。
今回はダイエットがうまくいかないわけやダイエット時におすすめの食事についてペットフーディストの山本が説明します。
目次
どんどん太るのはなぜ
痩せない理由
- 誰かからおやつをもらっている
- 意外と気が付いていないのは、自分は管理しているつもりでも、ほかの誰かが食べさせている可能性はないですか?ダイエットが必要であれば家族全員の協力が必要です。
よく聞くのは祖父母との同居の場合。愛犬とお留守番の時間が要注意です。つい与えてしまうんですね。お留守番をお願いするときには与えても良い分だけを渡して、それ以外の食べ物は決して簡単には目につかないところに隠してしまう、管理しておくことが大事です。
- カロリーが減っていない
- フードを変えても、与える量が多いと太ります。目分量で与えるのではなく、きちんと計量してましょう。
ダイエット用フードには給与量が2種類書かれている場合もあります。たとえば「維持、減量」なら「維持」の量で痩せない場合は、「減量」の量(さらに減らす)で様子をみましょう。
太りやすい病気の疑い
病気のなかには太りやすくなるものもあります。主に内分泌系(ホルモンと関係がある)の疾患です。
- 甲状腺機能低下症
- 犬は比較的多い病気です。甲状腺ホルモンは体を活発にするホルモンなので、その分泌が低下すると、散歩を嫌がったり、元気がなくなったり、異常に寒がりになる、など。年齢のせいだと思いがちな症状なので気づきにくい病気です。
- 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
- 副腎皮質から作られるホルモンの一種が過剰なります。たくさんの水を飲み、尿の量もとても増えたり、失禁したりします。食欲も異常に旺盛になり、腹部がポッコリと目立つ体型になることもあります。
元気がない、急に太った、たくさんの水を飲むなど、いつもと様子が違う場合は動物病院で診てもらいましょう。特にシニア期は成犬のときよりも頻度を増やして健康診断を受けることがおすすめです。(年に2から3回)
ダイエットのコツ(適した食事と与え方)
ダイエット用フード
必要な栄養を摂りつつ体重を減らすにはダイエット用に考えられたフードがおすすめです。ダイエット用フードのレシピは筋肉維持をしながら脂肪を減らしていくためのもの。
タンパク質は適量、脂質は控えめという内容でダイエットがしやすいレシピになっています。
【参考ページ】「ダイエット・体重管理」に関するフード選び
シニア犬用フード
ダイエット用フードを食べてくれない、与えられない場合は、シニア犬(老犬)用フードを選びましょう。シニア犬用フードは成犬用より脂質を控えめにしたフードです。まだシニア期より若くてもダイエットが必要な場合は、適した食事です。
ドライフードの量を減らしすぎると必要な栄養素が不足することがあります。給与量の3割以上減らすことは避けましょう。ダイエット用やシニア犬用を選べば無理のないダイエットができます。
手作り食の場合
<避けたい(減らしたい)食材>
血糖値を上げやすい食べ物は太りやすいので注意しましょう。「GI(Glycemic Index)値の高い食べ物」で検索して調べてみると出てきます。例えば、白米、小麦粉、じゃがいも、ニンジンなどです。さつまいもやバナナは低GIになりますが、カロリーは多めですのでダイエット時は控えましょう。
穀類を与えたい場合は、オートミールがおすすめです。
ジャーキーやクッキーなどのおやつも太りやすいです。ダイエットが必要ならこれまでの半分量にしてみましょう。おやつの代わりに主食用とは味の違うダイエット用フードにするのもおすすめです。
<減らしすぎないように注意したい食材>
肉類は筋肉維持のために必要です。減らしすぎると代謝量が下がり太りやすくなります。できるだけ脂肪が少ない肉を選びましょう。鶏肉なら皮の部分に脂肪が多くついているので、皮無しで調理しましょう。
<野菜の選び方>
イモ類、ニンジンを控える代わりにかぼちゃ、小松菜、青梗菜、白菜、大根、ブロッコリーなどがおすすめです。
手作り食やトッピングをしたい場合、ダイエットに適した食材については以下の記事を参考にしてください。
【参考ページ】犬のダイエット方法~食事・おやつ編
減量のペースの理想
すぐに体重を減らそうとあせらないことも大事です。必要な栄養素を摂り、適切な運動をして、健康的に体重を減らすには、1週間で体重の1%から1.5%減らすのが目安です。
1週間で減らす体重の目安例
体重3㎏の場合、30g~45g
体重5㎏の場合、50g~75g
体重10㎏の場合、100g~150g
さいごに
これまでの食生活と違って、急にダイエット用フードしか食べられなくなるなんて、愛犬にとっては大きなストレスになることもあります。
急な変更ではなく、少しずつの変化で慣らしていくなど、愛犬の気持ちも配慮してあげてくださいね。あせらず、根気よく取り組んでくださいね。
【参考資料】イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科 改訂版
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Follow @greendog_com山本 由能(やまもと ゆの) ペットフーディスト、ペット栄養管理士、犬の食事療法インストラクター上級師範
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