アメリカン的、犬とパンプキンのおつきあい
今回は、元dog actuallyライターのガニング亜紀さんより、愛犬の食と健康についての記事をお届けします。
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10月、街のあちらこちらがハロウィンカラーでデコレーションされる季節ですね。
ハロウィンと言えば、あのオレンジ色のパンプキンがトレードマークですが、実はパンプキンと犬って意外と縁があるんです。
私が住んでいる、ここアメリカでの事情をふまえてご紹介したいと思います。
栄養補給に、おなかの健康に、毎日少しずつのパンプキン
缶詰に使われているパンプキンは、ぺポカボチャ・シュガーパンプキン・バターナッツスクワッシュなどいくつかの種類がブレンドされたものですが、いずれも日本で人気のクリカボチャよりも水分が多く甘みは少ないのが特徴です。ベータカロテン、ビタミンC、E、カリウム、鉄などのビタミンやミネラル、そして水溶性と不溶性両方の食物繊維を多く含みます。
食物繊維が豊富で糖分が少ないことから、犬がダイエット中の時など空腹をまぎらわすために、フードに適量をトッピングして与えます。
また、犬がお腹を下した、もしくは反対に便秘をしたという場合に、まずは最初に缶詰のパンプキンピューレを与えるというのもよく見られる光景です。水溶性と不溶性両方の食物繊維が便の状態を調整し、腸内環境を整えるのに役立ちます。
もちろん、ダイエットも腹具合の調整も不要な健康な犬の場合も、栄養豊富で自然な形で水分を摂取できるパンプキンピューレはトッピングの定番のひとつです。犬の体のサイズに合わせて大さじ半分~4杯程度を与えます。
缶詰なので1年中いつでも手に入り、缶を開けるだけですぐに使える手軽さもうれしいところです。そして大事なポイント、ほとんどの犬はパンプキンピューレが大好きです。
日本では缶詰は手に入りにくいかもしれませんが、家庭で調理したカボチャでももちろん大丈夫です。クリカボチャは糖度が高いので食べ過ぎには注意が必要ですが、表面がツルリとした日本カボチャはパンプキンに近い食感です。最近ではバターナッツスクワッシュも手に入りやすくなっているようですね。
実だけじゃない!種もスーパーパワーのパンプキン
ハロウィンの時にくりぬいてジャック・オ・ランタンを作るオレンジ色のペポカボチャ、人気があるのは種の方です。取り出した種を水洗いして乾かし、オーブンでキツネ色にローストすると人間も犬も楽しめるオヤツになります。ペポカボチャの種は表面の殻が薄くて柔らかいのでそのまま食べられますが、犬にとっては消化が悪いため、包丁やキッチンばさみで切ってフードに混ぜて与える方が良いでしょう。
初めて与える食材は何でもそうですが、最初は少しずつ。小型犬なら最初は1粒だけ、中型犬以上でも最初は2~3粒だけにして様子を見ます。
種に含まれる「パンプキンシードオイル」には、加齢などから膀胱が過敏になって起こる尿漏れを改善する効果があるという論文(※1)も発表されており、人間向けのサプリメントが多く販売されています。
※1:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24872936
我が家の犬たちは避妊手術の影響で起こる軽い尿漏れがありましたので、家でパンプキンをくり抜いたりカボチャの料理をした時には種をローストして保存しておき、食餌に混ぜて与えています。年とともにカボ種だけでは尿漏れが抑えられなくなってからは、パンプキンシードオイルそのものを食餌に使ったりもしています。
パンプキンシードオイルはリノール酸を多く含むため、アレルギーやアトピーがある場合には注意が必要です。気になる症状があって試してみたいという場合は、かかりつけの獣医師やホリスティックケア・カウンセラー に相談してからにしてくださいね。
おわりに
ハロウィンのシンボルであるオレンジ色のパンプキンは犬の健康にとっても心強いサポーターであることはおわかりいただけたでしょうか。
アメリカでは犬の定番食材で、お腹がいざという時の最初の選択肢でもある缶詰のパンプキンピューレ。日本産のクリカボチャや日本カボチャも優れた栄養のある食材ですので、自家製ピューレやペーストにして与えることができます。
日頃は捨てられることの多いカボチャの種も栄養豊富な食材です。家庭でローストしたり殻をむいたりする作業がめんどうな場合には、殻をむいてロースト済みの製品も市販されています。犬に与えるものは無塩のものを選ぶようになさってください。
アメリカではハロウィンの後も、サンクスギビングデーやクリスマスにはパンプキンが食卓に多く登場します。犬たちと同じ食材を食べて、いっしょに美味しく楽しく健康をサポートして行けたら良いですね。
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