2018.07.10一緒に。もっと、

犬の学習の効率化-前編-

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こんにちは!ケーナイン・ストレスケア・スペシャリストの清水です。
これからの熱い夏、集中力も落ち、トレーニングも捗りませんよね? そんな時は、いつもと違ったトレーニングメニューで、効率化をしてみませんか?

先ずは、一番初歩の学習理論から見ていきましょう!

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2つの学習方法

代表的な学習理論の中には、オペラント条件付け古典的条件付けがあります。「条件付け」と聞くと何か違和感を覚える人も多いと思いますが、「学習」と置き換えるとわかり易いと思います。ここでは、「トライ&エラー」で進んでいくオペラント条件付けの効率化を説明したいと思います。

オペラント的学習

このOperant(オペラント)とは、英語で自発という意味があり、まずは自分が行動をして、その結果によってその行動の発生率(再現率)が変わるというものです。ですので、まずは行動があり、その結果の反応(レスポンス)がある訳です。

そして、その反応の中には良いものと悪いものがあり、それが環境に足されるのか引かれるのかの4通りがあります。これを行動随伴性と言います。

行動随伴性の4通り

例えば、一番わかり易いのが子供の行動と親の反応ですが、まず子供が自発的にお手伝いをしたとしましょう! これが、まず先に来る行動です。そして、その結果の反応が…

(1)お小遣いがもらえた=良いことが起きる
これはとても嬉しいことで、その結果この次もお手伝いする可能性は高くなりますよね?
これは典型的な行動が増えるパターンです。
犬であれば「待てをした→ご褒美を食べられた」

(2)お小遣いが減らされた=良いことがなくなる
とても悲しいですね!ということは、次回からはお手伝いをすることが嫌になり、お手伝いという行動の再現性は低くなります。
犬であれば「待てをした→ご褒美がとられた」

(3)殴られた=悪いことが起きる
これもとても悲しい結果ですね。ですので(2)同様、お手伝いすることは減ることになります。
犬であれば「吠えた→殴られた」

(4)勉強時間を減らしてくれた=悪いことがなくなる
辛いことが減るのは誰にとっても嬉しいことですよね?ということは、お手伝いをすることは増え、その分幸せになれます。
犬であれば「引っ張るのをやめた→苦しくなくなった」

※ポイントは、何かその環境からなくなる(2)と(4)の場合、その前段階で嫌なことが存在するという前提が必要となります。

犬にも気分がある

通常のトレーニングの目的は、行動の再現性です。
行動を頻繁(増やす又は減らす)にしたければ、上記の4つの中から適切なものを選ぶことになります。これは、そのワンちゃんの性格や過去の経験に合ったものを選ぶのも大切なポイントですが、それぞれの個体でも何かを学ぼうとするとき、毎日同じスピードでは学習しません。ある時は1回で覚えることでも、10回やっても覚えないこともあります。何故なのでしょうか? それは、犬にも気分や体調があり、良いときもあれば、悪いときもあるということです。

集中力の平均化

では、どうやったら平均化し、効率を上げることができるのでしょうか?
ずばり、集中力を上げることです。トレーニング中にどれだけ犬を集中させられるかということが、効率化の大きなポイントです。ですので、下記の3つのポイントを押さえておきましょう! まずは、説明を簡単にするために、

①きっかけ(オスワリ!の号令)→ ②行動(座る)→ ③良いことが起きる(ご褒美)→ ④また同じ行動をする!

という一連の流れを基本にします。

集中力アップの要素

1) ご褒美の価値
ここで言う③に何を使うかという話です。③が犬にとってより価値の高いものであれば、または③が欲しいという欲求と期待から、④を実行する確率が増えます。そして、ジャックポット(大当たり)などの期待以上のものを得られると、そのイベントの記憶は強くなり、必然的に再現性も向上し、集中力も上がります。お薦めは、色々なご褒美を用意しておき、タイミングをみて提示すると、ゲーム性も上がり犬の集中力も長く続きます。

2) タイミング
②の行動をした後に提示される③までのスピードです。もし、②から③の間が短い場合、犬は何の行動に対して③が得られたのかハッキリします。しかし、②と③の間が空いてしまい、もしその間に何らかの行動が入ってしまった場合や犬が忘れてしまった場合、④を得られる確率は低くなります。

これは、こちらが何を求めているかの意思を伝達する意味でも、素早い反応を提示することで、犬たちが成功する(ご褒美をもらえる)確率を上げてあげることができます。そして、成功をより多く積み上げることで犬自身も自信が付き、飼主との信頼関係も深くなります。よって、飼主の行動にも集中するようになります。

3)頻度
①→②→③という繰り返しをどのぐらいの頻度で行うかです。この繰り返しが多く、1)と2)が適切だった場合、ご褒美を得られる成功率は高いはずであり、その結果、再現性も高くなります。よって、行動の前のきっかけである号令が発せられた場合に、かなりの確率でお座りをすることになります。

しかし、短時間に多すぎる回数をこなすと犬は飽きてしまい、長時間すぎるトレーニングでは疲弊し集中力がなくなってしまいます。目安とすれば、一回のセッションは15分ぐらいが良いとされています。また、これらのセッションをどのぐらいの間隔で行うかも重要な要素となります。

おわりに

本来、トレーニングは犬とのコミュニケーションの1つであり、絆を深めることも可能です。きちんとした計画ができれば、より円滑なトレーニングが可能となり、問題点も分かり易くなります。

次回は、更に集中力を上げるためのテクニックについて書きたいと思いますが、これらのポイントを書き出し、おうちでのトレーニングに役立ててみてください。きっと、となりのパートナーの「笑顔」が増えることは、間違いないと思います!

ヤムヤムヤム

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清水 克久(しみず かつひさ)

清水 克久(しみず かつひさ)

英国Natural Animal Centre (http://naturalanimalcentre.com/)で、ケーナイン・ビヘイビアーとバッチフラワーレメディを学び、アニマルプラクティショナー(BFRAP)を取得。ストレスケアを中心に、行動学や生理学など科学の面からも解説するケーナイン・ストレスケア・スペシャリスト。元Dog Actuallyライター。ホリスティックケアカウンセラー。
清水 克久(しみず かつひさ)

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