2019.04.23一緒に。もっと、

犬にとっての最高のご褒美とは?

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草のうえに2頭ならんでいる犬

ケーナイン・ストレスケア・スペシャリストの清水です。

みなさんは、新しい行動やコマンドを教える時に、何に気を付けていますか?今回は、犬にとってのご褒美や罰の価値についてです。

犬たちは、量と質のどちらに目がないのでしょうか? この疑問を解決擦る為、オーストリアのウイーン大学が中心となったチームでリサーチが行われました。その結果は…とても興味深いものでした。

清水さんの他の記事はこちら →清水さんの記事一覧

実験対象

ウイーン国内に住む下記の16頭

・性別:♂(オス)=11頭、♀(メス)=5頭

    ・犬種:

  • 秋田犬、ビーグル、ボーダーコリー、チワワミックス、ラブラドールミックス、テリアミックス、ボーダーコリーミックス、シベリアンハスキー、シェパードミックス、雑種、ジャーマン・シェパード、バルディノミックス

・年齢:1.3~12.2歳(平均年齢6.01歳)

実験

    ①質に対する自己抑制コントロールパターン

  • ・目の前に提示された低質のおやつを我慢できれば、上質のおやつが貰える。
  • ・条件=我慢時間2~1840秒の間に17段階を設定
    ②量に対する自己抑制コントロールパターン

  • ・目の前に提示されたおやつを我慢できれば、多くのおやつが貰える。
  • ・条件=我慢時間2~1840秒の間に17段階を設定
  • ・低質1つに対して低質5つ、上質1つに対して上質5つの変化

結果

    ①質 実験

  • ・テストの平均我慢時間は35.6秒
  • ・我慢時間が長いほど成功率も低下
  • ・回避行動(目を背ける、距離を取る、伏せる)をとる犬は我慢時間が長い
    ②量 実験

  • ・テストの平均我慢時間は82.9秒
  • ・我慢時間が50秒未満であれば回避行動(目を背けるなど)をとる犬は我慢時間が長い
  • ・但しおやつとの物理的距離は我慢に関係ない
  • ・低質の方が上質より我慢が可能

結果を総合すると?

この集計結果から分かることとは、実は犬たちは量より質に対して自己を抑制することが難しいということです。また、忍耐強い犬は、自ら見ないようにしたりして回避行動を取り、どうにか我慢しようとしていることも分かりました。

また、犬種や年齢、性別は結果に関係ないということを結論付けているところを見ると、個々の性格やトレーニング経験などの影響の方が強いと判断されます。

犬たちは一見がっついて食べることから、質より量を選ぶという印象を受け易いですが、それは恐らく肉食に起因するもので、この実験からはより質を選ぶグルメということが分かります。

しかし、対象犬半数における最大我慢時間はとても短く、質パターンで10秒、量パターンで2秒という部分を見ると、そこにはあまり差がなく、量には一定数の魅力増進作用があり、どちらかというと「目の前にあるなら食べてしまえ!」という、個人的には「犬らしいなぁ」という印象を受けました。

論文の示すこととは?

論文は、事実を科学的に発表する場であり、行動を数値化して整理します。しかし、最も大切なのはこれらの結果を踏まえ、どのようにして犬の生活やQOLを向上することができるかというところだと思っています。

これは科学者よりもより近くにいる飼い主やトレーナーさんの役割であり、義務だと感じています。

今回の論文が示すことは、効率良くクリッカートレーニングをする場合に大変役に立つ情報だと思います。犬の性格を適切に判断し、量と質のどちらを好むか知ることができれば、ジャックポットを量または質(コンビネーションも可)に特定することが可能です。

これにより、彼らのモチベーションとなる期待値も向上させることが可能であり、よりトレーニングに集中させることができます。短時間に質の良いトレーニングを集中的にすることができればそれが理想的で、そのセッションを数多くすれば自ずと効果も期待できます!

シェルティのパピー

最後に…

トレーニングも犬たちが「やりたい!」と感じさせられるかはとても重要で、楽しいトレーニングができればQOLも向上し、そして絆も深くなります。その結果、犬たちが「笑顔」になれる時間が増えるのではないでしょうか!

すくすく子犬BOX いつも一緒に「笑顔」がいいね 犬の保育園とドッグホテルPLAYBOW

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清水 克久(しみず かつひさ)

清水 克久(しみず かつひさ)

英国Natural Animal Centre (http://naturalanimalcentre.com/)で、ケーナイン・ビヘイビアーとバッチフラワーレメディを学び、アニマルプラクティショナー(BFRAP)を取得。ストレスケアを中心に、行動学や生理学など科学の面からも解説するケーナイン・ストレスケア・スペシャリスト。元Dog Actuallyライター。ホリスティックケアカウンセラー。
清水 克久(しみず かつひさ)

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