2018.11.30心のケア

うれしいと笑う?犬の表情と気持ちを読み取るポイントとは

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飼い主を見上げる犬みなさんは愛犬が笑っているように見えたことはありませんか?

犬は表情をはじめ、体全体を使って自分の気持ちを伝える動物です。その表情から今どんな気持ちでいるのかが分かると、愛犬との暮らしがもっと楽しいものになりますよね。

今回は主に表情を通して、犬の気持ちを読み取る基本的なポイントを、心理士でドッグメンタルトレーナーの白田祐子が解説します。

表情はどこを見ればいいの?

犬は目・耳・口元を動かし、その組み合わせで互いに気持ちを伝えあっています。それぞれのパーツの基本的な特徴とそれが表す感情は次のようなものがあります。

瞳の大きさ:穏やかにリラックスしている時の瞳孔の大きさを普通としたとき、興奮や集中している時は瞳孔が開くため、笑顔の時にはキラキラ、怒っている時にはギラギラと光って見えます。

視線の方向:もともと犬は目をじっと見つめられるのが苦手です。ですから、不安や緊張でドキドキしたり、ネガティブな気分のときは相手に敵意がないことを知らせるために、まばたきや目を動かして視線を合わせないようにします。

耳の向き:耳は注目している方に向くので、穏やかな時はゆったりと開き気味の前向きですが、目の前のものに気持ちを集中させている時は力強く前を向きます。また、周囲を警戒している場合は前後左右に広げたり動かしたりします。

耳の傾き:基本的に積極的なときや自信があるときには立ち、消極的なときや従順なときには後ろに倒れます。歯をむき出していても怒っているとき耳は立ち、恐怖から身を守るためにやむを得ず威嚇をするときは後ろに倒れます。
たれ耳の犬も耳の根元を見ると前後のかたむきや、側頭との開き具合など違いがわかります。

口元

軽く開ける:満足して穏やかなときは、口が緩んで下の歯が見えます。また「うれしい」「楽しい」など、ポジティブな気分のときは口角があがって笑顔になり、口角の上がり具合と気分の高揚感は比例すると考えられます。

閉じる:穏やかな状態でも口は閉じますが、意識を集中しているときは、匂いの情報をより多く取り込むために口を閉じます。緊張や警戒時にも口を閉じます。

舌で口元や鼻を舐める:不安を感じたり、緊張をしているときに自分を落ち着かせるための行為です。
     
唇をめくる:唇がめくれあがって歯茎まで見える場合は警告の合図。歯茎がより見えるほど警告の度合いは高く、特に前歯と上の犬歯を見せている場合は、それ以上の接触を試みると攻撃される可能性は高まります。

喜んでる?怒ってる?8つの表情が表す感情

穏やかな表情の犬

リラックス(穏やか)

  • 目は穏やか
  • 耳と耳の間(耳幅)が広く、穏やかに立っている
  • 口元の筋肉はゆるみ、少し開くか閉じている
  • 全身が脱力している

 心の声
「気持ちいい」「楽しい」「のんびりしよう」など

幸せな表情の犬

喜び(幸福・愛情)

  • 目は穏やかに開くか細めている
  • 耳幅が広く、耳を後ろに引くか穏やかに立っている
  • 口元は穏やかに開き、口角を後ろに引いている
  • 全身の力がゆるんでいる

 心の声
「大好き」「仲良くして」「幸せ」など

楽しくて笑顔の犬

楽しい(興奮・好奇心)

  • 目がキラキラ光り大きく丸い
  • 耳幅が狭く、前向きに立っている
  • 口角をあげている
  • 飛びつきそうな軽い緊張感

 心の声
「楽しい」「遊ぼう」「何それ」

不安

  • 瞳をキョロキョロ早く動かす。あるいは、まばたきや細めるなどして視線を合わさない
  • 耳は立ち、前向きか左右対称に
  • 口は閉じている

 心の声
「困った」「どうしよう」「嫌だ」など

おびえて体を丸くする犬

怯え

  • 瞳をゆっくり動かし、まばたきをして視線を合わさない。あるいは、まばたきをせず目を丸くする
  • 耳を後ろに倒している
  • 口は閉じている

 心の声
「どういうこと?」「どうすればいい?」「もうやめて」「落ち着いて」など

緊張でしきりに鼻を舐める犬

緊張

  • 視線を左右に動かし、まばたきをして視線を合わさない
  • 耳は左右対称や外向きなど不規則
  • 口や鼻を舐める
  • 顔を背けている

 心の声
「早く終わらないかな」

歯をむき出して怒る犬

怒り(積極的な威嚇)

  • 瞳が一瞬かげった後に光り、目は開いている
  • 耳を前向きに立てている
  • 上唇を縦に引き上げ、上の犬歯が見えている
  • 鼻の上にシワをよせている
  • 前のめりの姿勢でしっぽを立てている

 心の声
「それ以上近づいたら痛い目にあわすぞ!」

恐怖で歯をむき出して威嚇する犬

恐怖(消極的な威嚇)

  • 目は光り、まぶたが少し下がり三角になっている
  • 耳を後ろに倒している
  • 唇を後ろに引き上げ奥歯まで見せている
  • 鼻の上にシワをよせている
  • 体を低くししっぽを下げている

 心の声
「怖いけど、いざとなったらやるぞ!」「こっちに来るな!」など

※上記のイメージと感情は一般的な事例を述べており、必ずしもすべての犬に当てはまるケースではございません。

表情以外にもここをチェック!

犬は表情だけではなく、より動きの目立つしっぽや姿勢を利用してすばやく気持ちを伝えます。特にしっぽは顔の表情や声だけでは伝えきれない気持ちを表したり、別の意味を加えるなどの役割をはたします。

しっぽの位置・動きと感情

たとえば、犬がうれしそうにしっぽを振っていたので近づいたら吠えられた、ということはありませんか?

この図を見ると、しっぽを振るのは好意的な場合とは限りません。しっぽを下げたり高く上げたりして、ゆっくり振っている時は警戒の合図の可能性もあります。

尻尾の位置や動きの速度で気持ちが違うことを確認しましょう。飼い主がいない時には犬にストレスを与えるので近づかないほうが無難です。

おわりに

犬は社会的な動物のため、いつでも仲間と穏やかに暮らしたいと考えています。ですから「私は危害を加えません」「少し落ち着きましょう」「仲良くしましょう」と、積極的に自分の気持ちを伝えようとします。それは犬同士でも人に対してでも同じです。

今回は初歩的な表情の意味をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
表情が意味することを理解して、愛犬とのコミュニケーションを今以上に楽しんでくださいね。

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白田 祐子(しらた ゆうこ)心理士/ホリスティックケア・カウンセラー

白田 祐子(しらた ゆうこ)心理士/ホリスティックケア・カウンセラー

公益社団法人日本心理学会認定心理士。トレーニングスクール、ル・ブラン湘南代表。25年前から犬の気持ちを理解するため犬の行動や心理を独学し、保護施設でしつけなどのボランティア活動を開始。現在のパートナーは、3頭目の雑種の保護犬11歳の女の子。大学で教育学、認知心理学、社会心理学などを専門的に学び、人と犬の関係性や犬の心の成長の研究を行う。2013年にスクールを立ち上げ、飼い主と犬のパーソナリティを重視。思考に訴えかける行動矯正が多くの女性に支持されている。翌年ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。食事の重要性を再認識しフード選びのアドバイスも積極的に行う。里親制度の啓蒙や地域行政と連携した動物相談など、教育、行政、法律と多方面で犬と人の問題に向き合っている。ヒトと犬の関係学会員、愛玩動物飼養管理士、神奈川県動物愛護推進員。