2018.12.07その他の体のケア

犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説

  • 犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説

犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説

犬の生理は、ヒートと呼ばれるいわゆる発情のことで、人間の月経と同じものではありません。

初めてメス犬を迎える飼い主さんで避妊前、もしくは避妊する予定がないのであれば、ヒートに対する知識や心構えが必要です。ヒートに対する知識がないがために愛犬に望まない妊娠をさせてしまった、ということは避けたいですよね。

犬のヒートの仕組みと飼い主が気をつけるべきことなどについて詳しく解説します。

犬の生理(ヒート)の仕組み

犬の生理はヒートと呼ばれますが、これは発情という意味です。
犬の発情周期は、発情前期→発情期(発情後期を含む)→発情休止期→無発情期というサイクルを繰り返します。発情前期と発情期がいわゆるヒートにあたります。

発情前期

外陰部がふくらみ充血し、陰部から濃く粘調性のある出血がみられます。発情前期の長さは個体によりますが、通常6~10日間です。この時期は、まだオスを許容しません。

発情期

オス犬を許容して交尾をする時期で、陰部も大きくふくらみ柔らかくなります。犬の発情期の長さは通常8~14日間で、他の動物と比較すると長く持続するのが特徴的です。発情出血は、じょじょにピンク色の水様性になり、量も少なくなってきます。出血が見られなくなっても発情期である可能性はあります。

犬のヒート中に見られる出血は、排卵前に子宮内膜の血管が増殖・発達し、血管から血液が染みでることで起こります。

人間の場合、卵子が受精せず妊娠しなかった後に不要になった子宮内膜が剥がれ落ちて出血が起こります。このように、犬と人の出血のメカニズムは根本的に違うことが分かります。

生理(ヒート)はいつから始まる?

犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説
メス犬の成熟は小型犬種では早く、大型犬種では遅く、ヒートが見られるのは、おおよそ生後6か月~14か月とされています。

品種や飼育環境、個体によっても差はあります。ちなみに犬では一生ヒートがあり、高齢になったからといって終わるということはありません。

ただ、ヒートの間隔が開き、出血量も減り、飼い主が気付かないといったことがあります。

また、ヒートの頻度は従来春と秋で年2回の繁殖季節があると言われていましたが、近年では季節は影響をあまり及ぼさないということが分かっています。

一般的にメス犬は、小型犬種では5~7か月の間隔、大型犬種では8~12か月の間隔で年2回ヒートがきます。多頭飼育されている犬では群れの中の1頭が発情すると、他のメス犬も相次いで発情を示し始める、ということがあります。

出血期間は?

出血期間は個体や年齢によって異なりますが、早くて8日前後、長い場合には2~3週間程度です。

発情前期から陰部からの出血がみられ、次第に量が増え、発情期の前半にかけて量が減って色が薄くなってきます。出血が止まってもヒートが終わった、ということではありません。

個体や年齢によって出血の量が少なかったり、舐めとってしまったりしてはっきりと確認できないこともあります。そのような場合には陰部のふくらみも参考にしてください。

1か月を超えて出血が続いている場合には、子宮の病気なども考えられますので、一度動物病院に相談しましょう。

生理(ヒート)中は元気がない?

犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説
ヒートが始まると個体にもよりますが、一般的には以下のような変化が現れます。

 落ち着きがなくなる
 メス犬でもぬいぐるみなどにマウンティングする
 水をたくさん飲み、しきりに排尿する
 食欲が低下する
 元気がなくなる

これらは生理的な現象に伴うものですので、見守ってあげてかまいません。落ち着かない様子が見られたら、リラックス効果のあるマッサージなどをしてあげるのもよいでしょう。

また、まったくごはんを食べないなど、あまりに極端な変化がある場合には動物病院に相談しましょう。

生理(ヒート)中に気を付けてあげたいこと

ヒートは避妊していないメス犬の生理現象ですが、室内での汚れ対策や外出時のマナーなど、なるべくお互いが快適に過ごせるよう、飼い主が気を付けてあげたいことがあります。

室内の汚れ対策

 サニタリーパンツや紙おむつを履かせる
出血量が多くてじゅうたんやソファーを汚してしまう場合には、サニタリーパンツ紙おむつなどをはかせてあげると良いでしょう。

 床にトイレシートやマット、ソファーにはカバーを敷く
パンツやおむつではお尻がかぶれてしまったり、着けるのを嫌がったりする場合には、犬の行動範囲内にトイレシートやマットなどを敷いてあげると、掃除も簡単にすみます。
また、ソファーに洗えるカバーをかければ、汚れも最小限に防げるでしょう。

 陰部を拭く
ぬるま湯で濡らした清潔なタオルやコットンで陰部を優しく拭いてあげると、床に落ちる血液を少なくすることができます。

食欲が落ちているとき

犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説
食欲がなく心配な場合には、嗜好性を上げる方法を試してみてください。

 水でドライフードをふやかす
 フードを温める(ドライフードの場合は、少しお水をふりかけて)
 鶏の煮汁やマグロ・アサリなどの低塩スープを加える
 ふりかけウェットフードを混ぜる
 嗜好性の良いウェットフードやセミウェットフード、フリーズドライフード、手づくり食、生食などに切替える

【関連記事】
愛犬のドッグフードの切り替え方法や切り替え時の注意点
犬に生肉!?生食の食事やドッグフードについて調べました

お散歩時

お散歩中、オス犬との遭遇には細心の注意を払いましょう。オスはメス犬のヒートに反応して発情するので、興奮したオス犬につきまとわれてトラブルになることもあります。

またヒート中のメスは精神状態もデリケートになりがちですので、けんかになることもあります。

お散歩は無理に連れて行く必要はありませんが、もし行くようであれば、期間中は家の周りを歩く程度にする、他の犬とあまり遭遇しない時間帯を選んで出かける、というような工夫が必要です。

ドッグランやドッグカフェのマナー

施設によっては、ヒート中の入場はお断りなど、決まりごとがあるところが多いようです。公共の場所ですので、さまざまな犬が集まります。

未去勢のオスも当然いますので、愛犬に妊娠をさせてしまうリスクが高まります。また、オス犬につきまとわれて引き離すのに手を焼いたり、犬同士のけんかにハラハラさせられることもあります。

他の犬に近づけないとしても、ヒートの匂いを嗅いだ未去勢のオス犬はもちろん、交尾ができない愛犬も大きなストレスを感じるでしょう。

飼い主と犬たちが楽しく過ごすためには、ヒート中の愛犬は連れて行かないのが無難かもしれません。

シャンプーやトリミング

病気ではないので、身体を清潔に保つためにシャンプーやトリミングをしても問題はありません。ヒート中であっても、受け入れてくれるサロンも多くあります。

ただ、愛犬がデリケートになっていてストレスに感じることがあるので、様子をよく観察し、サロンのスタッフと相談をして決めてください。

おわりに

ヒートがあまりにも愛犬のストレスになっているようであれば、避妊も選択肢のひとつです。同時にホルモンに関わる病気や子宮・卵巣の病気の予防もすることができます。

愛犬がメスであってもオスであっても、他者への気遣いや配慮、公共の場所でのマナーを守って、お互い気持ちよく過ごせるようにしたいですね。

犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説 犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでグリーンドッグ公式アカウントをフォローしよう!

  • 犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説
The following two tabs change content below.
犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説

伊東 希(いとう のぞみ) 獣医師、ホリスティックケア・カウンセラー

1998年、日本獣医畜産大学(現在、日本獣医生命科学大学)獣医学科を卒業。動物病院や大手ペットフードメーカーでの勤務を経た後、GREEN DOGへ。現在は、スタッフ教育や商品の品質検証、オリジナルフードの製造に関わる。
犬にもあるの?生理の期間や体調の変化、期間中気を付けたいことを獣医師が解説

最新記事 by 伊東 希(いとう のぞみ) 獣医師、ホリスティックケア・カウンセラー (全て見る)