愛猫のダイエットの悩みを解消!健康的で無理のない方法とは

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愛猫のダイエットの悩みを解消!健康的で無理のない方法とは

スタッフコラム79話目

魚をくわえて歩く猫

愛猫の健康を考え、ダイエットを試みてはみたものの、なかなかうまくいかない、またはダイエットフードを与えることで栄養不足にならないか心配、など悩まれていませんか。

でも、まずはダイエットの必要性を認識していること自体が素晴らしい一歩です。健康維持のための体型管理の重要性を理解することは、意外と難しいものだからです。

そこで今回は、愛猫の健康に配慮しながら不安なくダイエットを行うための方法についてペットフーディストの山本がご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

診察を受ける猫

愛猫の健康状態を確認しよう

愛猫のダイエットを始める前に確認したいのは、本当に痩せる必要があるか、健康状態に問題が無いかです。わからない場合は、まずは獣医師による健康診断を受けることをおすすめします。愛猫がダイエットを始めるのに適した状態であるかを確認できます。

猫の適正体重はどれくらい?

ダイエットをする場合、最終目標は適正体重ですが猫の種類や年齢により異なります。判断が難しい場合は獣医師に愛猫の理想的な体重を聞いてみるといいでしょう。

平均体重例

小型は2~3kg:シンガプーラ
中型は4kg前後:日本で一番飼育頭数が多い混血猫(ミックス)など
大型は6kg前後:メインクーンやラグドールなど
超大型は8kg前後:サイベリアン・フォレスト・キャット

個体により骨格の大小には差がありますので、猫種の平均体重はあくまで参考程度とし、愛猫の体型がどういう状態であるかを把握することが大事です。

体型チェック

猫のボディコンディションスコア(BCS)という体型の指標となるものがあります。理想体型はBCS3に表記されているとおり、両脇を触ってみると肋骨は感じられるものの、見た目からは見えない状態(長毛の場合は触ってみることが大事)上から見てわずかに腰のくびれが確認できる状態です。

猫のボディコンディションスコア

猫のボディコンディションスコア

参考:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」

適切な食事量とは

猫の体重、活動レベル、年齢に基づいて適量を知ることが大事ですが、キャットフードについてはメーカーごと、種類ごとに給与量は異なります。

なぜなら各フードによって使われている材料や加工法、さらにはメーカー独自の栄養学の考え方にも違いがあるからです。

まずは、キャットフードに明記されている給与量通りに与えることが大事です。それを元に愛猫にとって多いか少ないかを判断して調整を行います。

ダイエットを行う場合、理想体重の給与量を与えます。もしこれまで与えていた量から大幅に減らさないといけない場合は、1週間以上かけて正しい給与量に近づけてください。急に少なくなると愛猫にストレスを与えてしまうからです。

また、理想体重通りの給与量を与え続けても体型維持が難しい場合、メーカー推奨の給与量より減らすのは3割未満で調整します。3割以上減らさないと理想の体重を維持できない場合、そのフードよりもカロリーが低いフードに変えてみましょう。健康維持に必要な栄養素(カロリーのないミネラル・ビタミン等)が不足することを避けるためです。

運動の重要性を理解しよう point

愛猫のダイエットには食事だけでなく運動も重要です。しっかり筋肉をつけることは代謝の改善に役立ち、カロリー消費冷え防止のほか、猫に多い関節の悩みを予防することに役立ちます。

遊びやエクササイズ通じて、愛猫が充分に運動できるようにしましょう。運動量を増やすことはストレス軽減も期待できます。いたずらや噛み癖などの悩みも運動不足が原因であることが多いからです。ただし、急激に運動量を増やすことは避けてくださいね。

ダイエットの始め方と注意点

ダイエットはじっくり長期間の取り組みになります。飢餓状態に強い犬とは違い、猫(特に肥満の猫)にとって栄養不足は命に関わる症状を引き起こすため、食事量を大幅に減らして短期間でダイエットを行うことは避けてください。
ダイエット中は猫の体重の変化や健康状態をよく観察しましょう。

キャットフードを食べる猫

ダイエット用フードを選ぶ

獣医師から処方されたダイエット用療法食がある場合、まずは優先的に与えてください。ダイエット用と聞くと栄養が少なくてお腹を空かせないか、美しい毛ヅヤを失うのではないか、など心配になる方もいらっしゃいます。

ダイエット用フードは正しい給与量を与えれば健康維持に必要な栄養素を得られます。ダイエットに効果的なレシピで作られているため、愛猫のストレスも少なく減量に取り組めます。

獣医師から特に指導がない場合は、市販のダイエット用フードやシニア猫用フードを選ぶといいでしょう。シニア猫用フードは、老齢期だけでなく成猫から与えられるフードです。低カロリーなレシピ設計のためダイエット時にもおすすめです。

いつものフードの量を減らすだけでは愛猫の食欲が満たされず欲求不満や栄養不足になる可能性もあるので注意してください。

【参考】
猫用ダイエットフード一覧はこちら

基本は高タンパク・低カロリーな食事

猫は肉食動物であり、基本的にタンパク質が豊富な食事が必要。ダイエットを行う際もタンパク質が不足しないようにしましょう。
フード選びの際にどちらにするか迷う場合は、次の点に注目して選んでください。

  • 少しでも低カロリーな方を選ぶ
  • カロリーが同等の場合、タンパク質(粗タンパク質量)が多いフードを選ぶ
  • カロリーが同等の場合、太りやすい素材(白米や小麦粉)不使用のフードを選ぶ

食事の回数と量を管理しよう

・1日の食事回数を増やす

可能であれば1日の食事量を小分けにして、3回以上に分けて与えることがダイエットに役立ちます。1度に食べる量が多いほど、血糖値の上昇や使われない糖質が脂肪として蓄積されやすいからです。
現在2回食なら3回に、3回食なら4回に増やしてみませんか。

・フードの量はきちんと計る

ダイエットを成功させるには給与量の把握が重要です。感覚的に与えていればついつい増えてしまいます。一度計った量を紙コップ入れて印をつけておくのもおすすめです。なるべく手間を省くことも継続できるコツです。

常に新鮮な水を用意しよう

愛猫が常に新鮮な水を飲めるようにしておくことが大事です。水分摂取は、健康維持に必須だからです。あまり水を飲まない場合には飲みやすくする工夫をしましょう。

  • 頭数より1個多めに水を用意する
  • 安心して飲める場所に置く
  • 高い場所などいつもの居場所にも置いてみる
  • 冷たい水を嫌がる場合はぬるい水温で与える
  • 自動給水機など興味を持ちそうな水を利用する
  • 水道水のカルキ臭に敏感な場合は別の水を用意する

食事の摂取時間を決めよう

一日の特定の時間に食事を与えることで、食事のリズムを整えることができます。
もし問題行動(食事の要求が激しく引っかいたり、噛んだりする)がある場合は、自動給餌機を使うのもひとつの方法です。決まった時間に飼い主の手から与えないようにすることで要求による攻撃から避けることが期待できます。

外で走る猫

室内飼いの愛猫におすすめの遊び方

おもちゃが大好きな愛猫は多いです。ボールや小さなぬいぐるみのおもちゃを使って、一緒に遊ぶ時間を増やしませんか。寝ている時間が多い愛猫には特に体を動かす時間を少しずつでもこまめに作ってあげましょう。

猫のおもちゃで運動促進

室内で過ごす愛猫には遊びやエクササイズが体重管理に役立ちます。例えば、上下運動できるキャットタワーはもちろん、猫用のトンネルや段ボールを利用してくぐらせるのもストレッチの運動になります。いつものフードの一日分からエクササイズ用に取り分けたもので誘導してみてはいかがでしょう。

レーザーポインターでの遊び方と注意

レーザーポインター(光の点)を猫が追いかけて運動できる道具です。夢中で遊ぶ様子の動画が数多く見つかります。ただし、いくつかの注意点があります。

  • 猫用のレーザーポインターを選ぶ
  • レーザー光を直接猫の目に当てないように注意する
  • 個体によってはフラストレーションが高まる

狩猟本能を刺激する遊びでありながら光なので、いつまでも捕らえられないことが大きなフラストレーションになる可能性もあります。適度に運動させ、最終的にはおやつなどのご褒美で遊びを終わらせるなど達成感を得られるような工夫をしましょう。

ノーズワークを楽しむ

愛犬のノーズワークという嗅覚を使った遊びは有名ですが、愛猫も同じように遊べます。
一日に与えるフードの中から遊び用に取り分け分を使って行います。たとえば布製のおもちゃの中にフード粒を隠せるものなど。最初は愛猫におもちゃの中にフードを隠すところを見せてからどこか離れた場所に置くところからスタートします。気持ちが盛り上がる、体を動かすことをこまめに行えますし、フードを少量頻回で与えることにも役立ちます。

お散歩を楽しむ

猫によっては、犬のようにお散歩を楽しめるタイプもいます。猫の場合、何かに驚いて大きな動きをすることがありますので首輪ではなく必ずハーネスとリードを着用してください。まずはハーネスを着ける練習や、玄関まわりから練習を始めてみてもいいですね。お散歩の習慣があるとさらにカロリー消費に役立つことでしょう。ただし、屋内から出たくないタイプには無理強いしないようにしてください。

ベッドでくつろぐ猫

猫も私たち同様、同じ食事を与えていても個体によっては太りやすい体質はあるものです。なかには病気が原因で太る場合もありますので、定期的な健康診断は大事です。

ダイエットは根気が必要ですし、状況によってはとても難しいものです。あきらめてしまったり、お一人で悩んだりせずに、困ったときには獣医師や猫に詳しい専門家に相談することも忘れないで下さいね。

筆者

愛犬とペットフーディスト

ペットフーディストアドバンス・ホリスティックケア・カウンセラーペット栄養管理士犬の食事療法インストラクター上級師範

山本 由能(やまもと ゆの)

現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOGへ。
自身も飼い主のひとりとして愛犬との生活を楽しみ介護も経験。
日々の業務では主に犬の栄養学や健康維持に関する情報を発信しています。

GREEN DOGへようこそ はじめての方へ伝えたい、わたしたちのこだわり。

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