子犬がフードを食べないときの対処法:きちんと食べる習慣の作り方
家族に迎えた子犬が、フードを食べてくれないという悩みは意外に多いようです。最初は問題なく食べていたのに、しばらくすると食べなくなったというケースも...。理由は状況によりさまざまです。
健やかな成長のためにはフードをきちんと食べることが大事。犬を飼い始めたばかりの飼い主にとってはどうして食べてくれないのか心配ですし、間違ったやり方で問題を悪化させてしまうケースもあり、とても難しい問題になりがちです。
そこで今回は、子犬がフードを食べないときの対処法について、ペットフーディストの山本がご紹介します。
この記事は専門家が執筆しています
<執筆>GREEN DOGコンテンツ制作チーム
犬に関するさまざまな専門知識をわかりやすく発信する制作チーム。子犬からシニア犬まで、あらゆるパートナー(愛犬)と楽しく暮らすお手伝いをします。
子犬がフードを食べない理由
子犬がフードを食べない理由として以下の3つがあげられます。
理由その1:環境に慣れていない
ペットショップやブリーダーから迎えた子犬は、元気そうに見えても新しい環境に慣れるまで時間がかかるものです。不安などのストレスから食欲が落ちることも。
よくあるのは、可愛いさのあまり子犬の相手をしすぎること。興奮が続いたり、触れ合いの時間が長かったりすることが子犬の体と心に大きな負担となります。
また、先住犬がそばにいることで落ちついて食べられない場合もあります。
対処法
子犬と接する時間を決めて、あとはゆっくり休ませるようにします。留守番の練習も参考にしてみてください。
【参考】子犬の留守番の練習に役立つ記事
先住犬がいる場合、はじめのうちは違う場所(個別のケージ内や違う部屋)で落ち着いて食べられるようにしてあげましょう。周りを気にしなくても安心して食べられる環境づくりが大事です。
また、ほかに問題がなければデリケートな子犬のお腹の健康のためにも家に迎えてすぐにフードの種類を変えることは避けましょう。新しい環境に慣れるまでは、これまで与えられていたフード(ペットショップやブリーダーさん宅)と同じものを与えるのが無難です。最低1カ月ほどは、よく食べ、良い便が出る状態が続くのを確認し、その後は違う種類のフードに切り替えてもいいでしょう。
理由その2:フードの味が気に入らない
体は健康だけど、与えられたフードを食べたくないというケースがあります。本来、犬は食べることに貪欲といわれていますが、コンパニオンアニマル(家族や伴侶という位置づけの動物)として接する愛犬たちのなかには、食に関して危機感を持っておらず、与えられたらすぐに食べるという感覚も薄れてくる場合があります。
そのため、好まないフードは食べないという事象が増えています。フードは食べないけどおやつは食べるというグルメ化(わがまま)も多いです。
対処法
与えたフードを食べない場合は、15分程度で器を下げます。出されたときに食べなければ、食べ物にありつけないということを覚えてもらうためです。ただし、まだ体が小さい間はあまり空腹の時間が長過ぎない方がいいでしょう。心配なら次の食事の時間を早めにして様子をみてください。
フードを食べない場合は、おやつは与えないようにしましょう。
何らかの理由で決められたフードしか与えられない場合は、嗜好性アップに役立つアイテムを利用することも考えていきましょう。ほんの少し風味がつく程度の量を意識してください。
以下は、フードにまぶして嗜好性をあげるために役立つ人気アイテムです。
理由その3:食べる量があっていない
子犬は胃腸の成長が未熟で、一度にたくさん食べられないケースがあります。
対処法
フードを残すようであれば、1日の食事回数が2回の場合、それを3回~5回に分けて、1回分を少量で食べきれる量にしてみましょう。
全年齢用フードよりも比較的子犬用フードの方が高栄養のため給与量は少なめです。たくさん食べられない子犬には子犬用フードの方が合っているでしょう。
理由その4:食べにくい
子犬にとって粒が大きいと食べにくい場合があります。また食べやすいようにふやかすと、べちゃべちゃした食感が苦手な場合もあります。子犬に合った大きさの粒を選ぶことも大事です。子犬の歯の生え変わりも影響することがあります。 生後4カ月頃から抜け始めますが、その際に歯茎にドライフードが当たり不快感や痛みからフードを食べないというケースもあります。
子犬に適したフードの与え方
時間
消化器官もまだ未成熟なので、少量頻回(食べる回数を多くして1回分を少なくする)がおすすめです。できれば朝から夜寝るまでの時間の間に等間隔に決めておくといいでしょう。食べる時間が決まっていれば排便の時間もそのうちに予測できるようになるので、トイレトレーニングもよりスムーズに行えます。
心配しながら与えない
また食べないのではないかと心配することで、子犬がその気配を感じ取り、食事に対するストレスを感じてしまう場合があります。毎回気分を入れ替えて、「さあ、おいしいごはんよ、どうぞ」という明るい気分で与えるようにしてみてください。
犬らしさを大切にする
子犬を犬としてではなく擬人化により問題が生じる場合があります。 たとえば、そばについてスプーンで口に運んで与えることなど。子犬にとっては飼い主の気持ちが相手をしてくれるうれしい時間ですが、そうしないと食べないようでは困ります。または欲しがるからと、飼い主(ヒトの食事)の皿から分け与えてしまうことも。一般的な私たちの味付けを気に入ってしまうと犬用フードを食べなくなることがありますし、犬にとっては濃い味付けですので健康にも心配が生じます。子犬の健康のためにも正しい食事の与え方を心がけましょう。
子犬の食事に関するよくある疑問(Q&A)
子犬用フードのおすすめは?
どんなフードがいいのか迷ってしまいます。どれがおすすめですか?
子犬用ドッグフードのおすすめランキングをご覧ください。
GREEN DOGの子犬用フードのおすすめランキングでは、
おすすめの理由や口コミ評価も載ってますので、ぜひ参考になさってください。
ブドウ糖を与えるのはいつまで?
ペットショップから子犬を迎えた際に、ブドウ糖をフードと一緒に与えるように言われました。いつまで続けるべきですか?
フードを食べているなら不要です。
子犬がフードを食べない場合に、栄養不足で低血糖になるのを防ぐ目的で与えられることがあります。フードを食べているなら与える必要はありません。
フードにトッピングしてもいい?
フードの嗜好性をあげるためにウェットフードなどトッピングしてもいいですか?
フードを食べているなら不要です。
子犬によっては食欲アップを期待できます。ただし、食べないときに後から足すのではなく、あらかじめフードにトッピングした状態で与えましょう。トッピングだけ食べてしまうことを防ぐため、フード全体に混ぜ込みましょう。または犬用ミルクを薄めに作ったものや鶏の茹で汁を利用するのもおすすめです。
フードを飼い主の手からしか食べないです。どうすればいい?
器から食べるように行動を変えましょう。
子犬が食べないので何とかしようとしているうちに、飼い主の手からしかフードを食べてくれなくなったというケースは多いです。子犬とのコミュニケーションが過度である、反対に不足していることも原因の場合もあります。
いつまでも手から与えるというわけにはいきません。1つの方法をご紹介します。まず手で与えながらも、手と器が同化してみえるように(くっついた状態)して与えます。これに慣れてきたら、手から器へと徐々にフードをスライドさせていきましょう。
難しい場合は、行動学の専門家(ドッグトレーナー)に相談して早めに改善していきましょう。
おわりに
小型犬のように身体が小さい愛犬ほど食べない悩みが多い傾向にあります。ペットショップではあまり運動が必要でないと言われることも理由のひとつ。運動不足では食欲も出ませんし、精神面での成長も損なわれてしまう可能性があります。
ぜひ、健全な生活から自然と食欲が出るようにしていきましょう。
もし、子犬が急にフードを食べなくなった場合、誤飲を含め、病気が隠れていることも考えられます。極度に元気がない、下痢や嘔吐を伴う際には、早めに獣医師の診断を受けてくださいね。
フードの種類や量などについては、お迷いの際はGREEN DOGのごはんの窓口をお気軽にご利用ください。
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