2017.07.25一緒に。もっと、

【犬との暮らし】都会の犬たち6~レジャーの落とし穴

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【犬との暮らし】都会の犬たち6~レジャーの落とし穴

「都会の犬暮らし」連載6回目は、都会の犬たちのお出かけについて考えてみようと思います。

トレーナー三井さんのこれまでの記事はコチラ→ 三井さんの記事一覧

せっかくの休みだから

毎日都会のジャングルでのお散歩を強いられている愛犬たちのことを思うと、週末や長期休暇にはお犬様孝行をしたいと思うのはごくふつうの飼い主心ではないでしょうか。毎日思い切り走らせてあげられているならそれほどでもないでしょうが、いつも近所をひとまわりしてくるぐらいのお散歩だと、ついつい時間のある時は思う存分遊ばせてやりたいと思うものです。

週末ドッグランに連れて行くくらいだと、さほど日常との差異は無いかもしれませんが、たまのお休みに山に登ったり、泳ぎに行ったりと、非日常を楽しもうと思うと、人間だけでなく、犬もいつもと違う生活になるので、肉体的にも精神的にも疲れてしまうことがあります。犬だから、動物だから、と安心していると、思わぬことに遭遇してしまわないとも限らないので、十分心づもりをしてから出かけるようにしましょう。

暑い日の水遊び

【犬との暮らし】都会の犬たち6~レジャーの落とし穴

暑い時の水遊びは最高

暑い季節は、海や川、湖などの水遊びが定番です。毛皮を着ていることで人間以上に暑さに弱い犬たちの熱中症については、数年前から夏が来るたびに取り上げられています。今では暑さ避けのTシャツなども一般的になっていますね。だからこそ暑い時には犬たちにも水遊びをさせて涼しくしてやりたいと思うのは当然。庭にプールスペースを取りづらい都会暮らしの犬たちは特に、海や川などに連れて行ってやりたくなりますよね。

※熱中症についての記事はコチラ→ 獣医師が解説!熱中症の予防と解説

水遊びに興じる犬たちは楽しそうですが、犬だからと言ってすべての犬が泳ぎ好きなわけではありません。大小の差はあれど、水かきをつけているのだから大体の犬は勝手に犬かきをするだろうと思っていると、簡単に予想は裏切られてしまったりするものです。我が家の代々のボーダーコリーたちは、5頭のうち自分から泳ぎを楽しむ子は2頭。残りの3頭は川や湖で水練(泳ぎの練習)をしましたが、仕方なく泳いだだけで、どんなに暑くても自分から水に飛び込むタイプではありませんでした。いずれにしても、水遊びをしようと思ったら、泳ぎを好きにさせてからでないと、犬にとってはストレスになってしまうこともあるので、無理矢理でなく、少しずつ水慣らしをしてあげるといいでしょう。

とりあえず泳ぎ好きになったとして、今度は泳ぐことに夢中になり過ぎて、いつまでたっても陸に上がってこない犬がいます。人間の子供も同じで、楽しいと時間が経つのを忘れてしまうほどで、飼い主さんがおもちゃを投げてくれなくても、よその子のおもちゃを取りに水の中に入っていったりして、全然戻ってこないことがあります。

ここで注意したいのが水中毒低体温症です。レトリーブ好きの犬たちは、おもちゃなどを咥えて泳いで戻るときに水を飲んでしまうことがあります。水しぶきに反応しておもちゃが無くてもパクパク水を飲んでしまう犬もいます。川や湖などの真水は多く摂りすぎると、水中毒と言って血中ナトリウム量が低下し、体調不良を起こしたり、場合によっては死に至ることもあります。

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夢中になる遊びこそ飼い主の管理が必要です

また、体脂肪が少ない痩せ形の犬は、長く冷たい水につかっていると低体温症になってしまうことがあります。レトリーブして陸に上がってきたとき小刻みに震えていたり、歯茎が紫色になるといった兆候が見られたら、一度陸に上げてタオルで濡れた被毛を乾かし、震えが治まって、歯茎の色がピンク色に戻ってからまた遊ばせるようにしましょう。我が家の若犬もちゃんと見張っていないとすぐ飛び込んでしまうので、強制的な休憩タイムが必要です。

自然の中には虫がいる

山であっても川であっても、自然の中には都会には見られないような虫がいます。
ブヨ、マダニ、アブ、ヒル、カエル(虫ではありませんが)などなど、場所によってはもっと厄介なものもいるかもしれません。キャンプなど、外で寝泊まりする場合は、夜になると出てくるものもいるので注意が必要です。もちろん都会にもいる藪蚊もいるので、蚊取り線香 も役に立ちます。

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アウトドアの遊びには虫避け体策も万全にしよう

虫よけスプレー もあれば草むらに入るときも安心ですね。ただ、スプレーをかけていても、マダニがつくことがあります。犬はどこにでも顔を突っ込むので、顔はマダニが付きやすいとも言われています。最初は気づきませんが、血を吸うと自分の体より大きくなって、見た目にはイボのようです。マダニは様々な病気を媒介する可能性もあるので、見つけたからと慌てて取ろうとしないで、専用のマダニ取り用具を使うか、獣医師に取ってもらいましょう

我が家も初めてマダニをハスキー犬の顔に見つけた時はかなりびっくりしました。幸い一匹だけだったので大事には至りませんでしたが、数多く付いていると、犬が貧血になってしまうこともあります。いずれにしても、刺されたり噛まれたりするとかゆみが出たり、皮膚トラブルの元にもなりかねないのでお出かけから戻ったら、全身をチェックしてあげましょう。

【関連記事】
草むらも怖くない!体を保護する犬の毛の役割と安全な虫除けの選び方

足裏は大丈夫?

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足の裏の怪我にも注意しましょう

最後は足裏チェックです。人間と違って裸足で歩く犬たちですから、都会のアスファルトで火傷をすることもあるように、熱い砂浜だったり、岩場や山道などで怪我をすることもあります。特に水遊びに夢中になっていると、パッドがふやけて怪我をしやすくなるので要注意です。

出先に合わせて、遊ぶ前にあらかじめパッド用のクリーム を塗っておくのも有効ですね。また怪我をしてしまったときは犬用の靴で怪我した足を保護することもできます。そんな時のために、日ごろから靴を履く練習をしておくといいかもしれません。

おわりに

今回は夏休みシーズンと言うこともあり、夏のお出かけの注意点を幾つかあげてみました。普段の都会暮らしではまったく気にならないことですが、山や川、海などに遊びに行くとそれなりの備えも必要になります。もちろん、沢山遊んだあとは犬も疲れてしまうので、ゆっくり休養させてあげることをお忘れなく。筋肉痛にだってなるかもしれませんよ。

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【犬との暮らし】都会の犬たち6~レジャーの落とし穴

三井 惇(みつい じゅん) CPDT-KA、ドッグトレーナー/ドッグダンスインストラクター、ホリスティックケア・カウンセラー

1997年に迎えたボーダーコリーと始めたオビディエンス(服従訓練)をきっかけ に、犬の行動学や学習理論を学び、2006年WanByWanを立ち上げる。愛犬の出産、子育て、介護と様々な場面でも多くを学び、愛犬のQOLの向上を目指して2008年にホリスティックカウンセラーの資格を取得。2016年自身のトレーニング方法を再確認するために世界基準のドッグトレーナー資格CPDT-KAを取得。現在、4頭目と5頭目のボーダーコリーとドッグダンスの楽しさを広めながら、東京近県で出張レッスンを行っている。
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