2017.07.18老犬のケア

老犬の夏対策!暑さに負けずに元気に過ごす秘訣とは?

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気温が上がる暑い夏は、人間も犬も体調を崩してしまうことがあります。特に体力が衰え始めた老犬は、熱中症や食欲不振からくる体調不良などを起こしやすくなっています。老犬が夏を元気に過ごせるかどうかは、飼い主のケアがとても重要になるのです。

そこで今回は、老犬の夏対策についてGREEN DOG カウンセラーの山本がご紹介します。ポイントを押さえて、大切なパートナーを夏の暑さから守ってあげましょう。

犬は特に暑さ対策が必要!その理由とは

犬も人も年をとると暑さを感じることが鈍くなります

犬はもともと人間よりも暑さ対策が必要な生き物です。犬の皮膚は肉球以外には汗腺が発達しておらず、体温を下げることが人間よりも難しいのです。

さらに犬も人間同様、年をとると感覚器官が鈍くなってきます。自宅で自由に過ごさせている場合、若い犬なら室温の上昇にしたがい、自分で冷たい床の上に移動するなどして体温調節を行います。しかし、老犬は暑さを察知する能力が衰えているため、室温が上がってもそのまま寝続けて、気づいたときには体温が上がり過ぎてしまっていることがあるのです。

犬の体温についての詳しい記事はコチラ→体温に要注意!皮膚に汗をかけない犬を夏の暑さから守る自宅ケア

老犬には暑さ調整も大きな負担

汗腺が少ない犬が体温を下げるために行うのが、「パンティング」という、口を開けてハアハアと息を弾ませる動作です。

暑さを感じにくくなった老犬は、涼しいところに移動するなど体温調節のための行動が遅れ、体温が上がり過ぎてしまいます。すると、上がり過ぎた体温を下げるため、老犬が急に激しいパンティングを行うことがあります。心臓や肺などの内臓の機能も衰え始めた老犬にとって、筋肉をたくさん使って行うパンディングは、体力を使うため大きな負担になってしまうのです。

熱中症の予防と対策についてはコチラ→伊東獣医師が解説!熱中症の予防と対策

8歳を過ぎたら夏対策により注意が必要

暑さや寒さを感じる感覚器官が鈍ってきた老犬にとって、気温の変化は命取りになりかねません。前述の通り若い犬なら自分である程度体温調節できていたものが、年を取るにつれて難しくなってくるからです。

個体差はありますが、小型犬なら7歳から8歳がシニア犬の入り口です。人間と同じように、犬も少しずつ老化が始まります。体重が増えてきた、以前より思い切り走らなくなってきた、動作がゆったりしてきたなどは老化が始まってきたサインです。愛犬が8歳を過ぎたら、夏対策に限らず健康チェックを、よりこまめに行うことをおすすめします。

暑さ対策1 老犬の過ごしやすい環境を整える

老犬は運動量が減り、自宅で寝ている時間が増えます。一日のほとんどの時間を過ごす自宅の環境を整えて、夏も元気に過ごせるようにしてあげましょう。

クーラーで室温を調節!少し涼しいくらいが適温

老犬に限らず、犬を置いて外出する際は空調を入れて室温を調節してあげます。全身に毛のある犬は人間よりも体感温度が高く、人間が暑いと感じた時はかなり苦しい状態にあります。室温は人間が涼しいと感じるくらいがちょうど良いと言われています。

活動期のパートナーなら温度は25度から28度、湿度は60%以下が快適に過ごせる温度です。老犬の場合は若いパートナーよりも冷えやすい場合もあるので、よく観察してください。たとえば犬の足先に触れてみましょう。犬の足先が冷たいと感じた場合は温度を調節する必要があります。在宅時にこまめにチェックして、最適な設定温度を確認しておきましょう。

ベッドの置き場や素材をチェック

寝ている時間の多い老犬にとって、寝床を快適にしてあげることはとても重要です。まず普段寝ている場所に、直射日光が当たらないかをチェックしましょう。感覚器官が鈍ってきた老犬は、直射日光が当たっていてもそのまま寝ていることがあります。すだれやブラインドを利用して、お気に入りの寝床に直射日光が当たらないように調節してあげましょう。もし、直射日光が当たったまま寝ていることがあれば、涼しい場所に移動させてあげましょう。

ベッドの素材も通気性の良いものに変えます。暑さで蒸れると皮膚炎などのトラブルにつながるおそれがあるためです。カバー生地が麻素材でできているリネンベッド や、通気性にすぐれた介護用ベッド は、夏も快適に過ごせます。

暑さ対策2 食事と水

夏バテで老犬は食欲が落ちがちです。

感覚器官が鈍り始めた老犬は、のどの渇きにも鈍感になります。そのため、水をあまり飲まず、水分不足になってしまうことがあるので注意が必要です。さらに、夏の暑さで食欲が落ちる老犬も増えます。食事と水の取り方に注意してあげることも、老犬が夏を元気に過ごすために大切なポイントです。

脱水症状に注意!水分量の目安とは?

犬の一日に摂取するべき水分量の目安は「体重(kg)×30+70」で計算することができます。体重8kgの場合は、8×30+70=310mlです。これはあくまで目安の量であり、パートナーによって多少の差はあります。パートナーが十分に水分摂取できているかどうかをよく観察してあげましょう。

あまり水を飲みたがらない場合は、犬用のミルク や無糖ヨーグルトを水で薄めたものを与えます。味がほとんどなくても、ミルクやヨーグルトの香りがついていると進んで飲むようになります。牛乳は下痢しやすいので避けましょう。

パートナーが好むもの、たとえば、鶏肉をゆでたときのゆで汁を製氷器で凍らせておくのもおすすめの対策法です。ゆで汁で作った氷を水に溶かしてあげると、鶏肉の風味のお陰ですすんで飲んでくれるパートナーは多いようです。一度にたくさん作っておけば手間も減らせます。

食欲が落ちた時は少量頻回に

夏バテで食欲が落ちた時は、食事の回数を増やして一回の量を減らします。小分けにすることで内臓への負担を減らすことにもつながります。1日2回食の場合なら、一日の総量は同じのまま3回、4回に分けて食べさせてあげましょう。

ドライフードを利用している場合は水でふやかしたり、ウェットフードに変えることも食べやすさから食欲増進につながることがあります。先にご紹介した鶏肉のゆで汁をドライフードにかけてあげるのもおすすめです。ぜひお試しくださいね。

食欲がかなり落ちているときは、一手間かけて手作りしてあげてはいかがでしょう。水分補給に役立つ寒天を使用したオヤツ は、ツルンとのどごしがいいので食欲が落ちているときでも食べやすいようです。食べやすい肉を煮汁とともに寒天寄せ にしたものなら食事のトッピングとしても利用できます。

暑さ対策3 散歩やお出かけ

犬にとって散歩は大きな楽しみのひとつです。しかし、老犬は足腰が弱ることや目が悪くなることで散歩に行きたがらなくなることがあります。特に白内障を患った犬は、明るい場所と暗い場所の差を怖がり、外に出たがらなくなることがあるようです。

しかし散歩で外に出ることは、老犬の体調管理においても重要なポイントです。自宅では動くことが少なくなった老犬も、外に出ると刺激を受けて歩く量を増やせます。足を動かすことは寝たきり予防につながりますし、地面に触れることで免疫力を高めることができます。夏も暑さ対策を万全にして、なるべく散歩に連れて行ってあげましょう。

散歩は早朝と夜の気温が低い時間帯に

散歩をする時間は、朝は遅くても午前7時くらいまでと夜8時以降を目安として、気温が下がったことを確認してからにしましょう。特に体高の低い小型犬は地面からの輻射熱の影響を受けやすいため、人間よりも熱中症にかかりやすく注意が必要です。日が暮れてもアスファルトの熱気はすぐには冷めないため、夜8時といってもまだ地面に熱が残っていることがあるのです。

外をまったく歩こうとしない老犬なら、抱っこして外の空気に触れさせてあげてあげましょう。公園など犬が好む場所まで連れていき、地面の匂いをかがせてあげることも感覚器官を刺激し、脳や神経を働かせることにつながります。

おわりに

老犬が夏を元気に過ごすための対策をご紹介しました。しかし、老犬の夏の体調管理に何よりも効果的なのはコミュニケーションをきちんととることです。老犬は寝ている時間が多いため、ついほったらかしにしてしまうことがあります。しかし、こまめにコミュニケーションをとりながら老犬の様子を観察することが、一番大切な体調管理法なのです。

背中や耳など犬の好む場所を撫で、よく触れてあげることで異変にもいち早く気付くことができます。また、犬を撫でてあげることでオキシトシンという幸せホルモンが犬と飼い主両方に分泌され、ストレス解消にもつながるのです。

こまめに老犬の様子をチェックして、夏を元気に過ごせるように心がけてくださいね。

GEEN DOG相談ルーム

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山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士

山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士

現在の愛犬との生活がきっかけで犬の食事や心のケアについて勉強を始めたことがご縁となりGREEN DOGへ。日々の業務ではパピーからシニア犬までさまざまなお悩みに対応しています。最近は介護やペットロスについてのご相談も増えてきました。自身も飼い主のひとりとして一緒に悩み考えることで研鑽を積んでいます。
山本 由能(やまもと ゆの) シニア犬カウンセラー、ペット栄養管理士、ペットケア専門士

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老犬の夏対策!暑さに負けずに元気に過ごす秘訣とは?」への2件のコメント

  1. 徳尾洋子

    ゴールデンレトリバー七歳前足少しびっこをひき。ハァハァ言うって!しんどいみたいで❗シニアになったからでしょうか⁉

    1. 「犬のココカラ」編集部 チームGREEN DOG 監修・執筆「犬のココカラ」編集部 チームGREEN DOG 監修・執筆

      徳尾 洋子 様
      こんにちは、GREEN DOG シニア犬カウンセラーの山本です。このたびはコメントをいただきありがとうございます。パートナーは7歳のゴールデンレトリバーなのですね。
      大型犬の7歳はシニア期と言われている年齢です。まだまだ若いと思っていても体の変化は少しずつあらわれてきます。いつもと違う様子の場合は、念のため早めに獣医士に診ていただくことをおすすめします。パートナーとのコミュニケーションもこれまで以上に意識してあげてくださいね。
      徳尾様、このたびはご質問をいただきありがとうございました。これからもどうぞ“犬のココカラ”をよろしくお願いいたします。

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